私有財産制

提供: miniwiki
移動先:案内検索

生産手段や消費財など一切の財産が原則として個人によって所有され,かつその個人の所有権が法律などにより保障されている社会制度をいう。古代の奴隷制,中世の封建制は私有財産制を基礎としてはいるが,その所有権は共同体ないしは封建制による拘束を受けており,完全な私有財産制ではない。そして,近代の資本主義社会で初めて私有財産制が完全な形で出現した。資本主義社会では消費財はもちろんのこと,生産手段の私的所有も法律によって保護され,私有財産制が資本主義社会の基礎的制度となった。しかし資本主義の発展とともに,生産手段を所有する階級と所有しない階級との間の財産所有の格差が拡大する傾向にあったため,現代の資本主義的社会では社会的,公共的観点から私有財産制度に種々の法的規制が加えられつつある。社会主義社会では基本的な財産である生産手段については社会的所有とされ私有財産制は廃止されているが,消費財については私的所有が認められている。