社会主義
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(しゃかいしゅぎ、英: socialism)
資本主義の矛盾を批判し,これを克服して,新たな社会を建設しようとする思想と運動の総称。この思想は,資本主義とほぼ同時に生れたといえる。すなわち,資本の原始的蓄積過程におけるさまざまな矛盾の発現に対して,平等社会を夢み,資本主義を批判した T.モア,T.カンパネラなどがそれである。資本主義が産業資本主義段階に入ると,サン=シモン,R.オーウェンらが出て,資本主義の矛盾が私有財産制にあることを指摘し,それを廃した平等社会を主張した。その後,19世紀なかばになると,マルクス,エンゲルスが出て,資本主義も過去の社会と同じように一歴史社会であり,労働者階級の力を媒介にして,社会主義に取って代られる社会であることを,唯物史観のもとに明らかにした。マルクスの『資本論』は,その経済学的根拠を証明しようとしたものである。なおマルクス主義において,社会主義という用語は狭義には生産手段の共有がみられるものの,なおも一定の社会的不平等の残存する段階をさして,共産主義の前段階を社会主義と位置づけることもある。その後,社会主義は,マルクス主義を主流に展開したが,ロシア革命以後,基本的にはレーニン主義と社会民主主義に分裂,現在にいたっている。