着氷

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着氷(ちゃくひょう)は、氷点下の環境で、空気中の過冷却水滴もしくは水蒸気が、物体に衝突して凍結もしくは昇華することで、層が形成される現象。自然現象としては霧氷雨氷がある。

航空機が過冷却水滴で出来ている雲の中を飛行するときに、雲粒が機体に当たって凍結し、着氷を起こす。また、漁船などの船舶が高緯度地方の海洋を航行するときに、波飛沫が船体に当たって凍結し、船体着氷を起こす。どちらの場合も事故のもとになりうる。

地上で着氷が発生した場合、などに付着して重みを増し、枝や幹が曲がったり折れたりする。車や建物のに付着すると透明ではなくなり、見通しが悪くなったりする。地面に付着するとスリップを起こしやすくする。線路電線等にも付着し、被害をもたらす。

着氷に関する注意喚起として「着氷注意報」が、海上での着氷に関する警戒喚起として「海上着氷警報」が発表される。

着氷の分類

着氷

  • 霧氷(Rime[1]) - 浮遊する過冷却水滴が物体に衝突してできる氷。
    • 樹氷(Soft rime) - 過冷却の霧が物体に衝突してできた、針状・枝状の氷。
    • 粗氷(Hard rime) - 過冷却の霧が物体に衝突してできた、不透明のもろい氷。
    • 樹霜(Air hoar) - 霜(hoar frost)の一種で、大気中にさらされた物体に付着するもの。
  • 雨氷(Clear ice) - 過冷却の霧が物体に衝突してできた、透明・半透明の層状の氷。
  • 雨氷(Glaze ice) - 過冷却の雨が物体に衝突してできた、透明・半透明の層状の氷。
  • (Hoar frost) - 空気中の水蒸気が直接的な昇華(気体→固体)によって物体に付着したもの。一般に結晶状の外観を持つ。
  • 凍露(White dew) - 露(dew)が凍ったもの。


着氷と似た現象 これらの現象は着氷と似てはいるが異なるものである。

  • 凍雨(Ice pellets, Sleet) - 凍った雨が降る現象。
  • 氷霧(Ice fog) - 凍結した微小な氷晶が浮遊する霧。
  • 細氷(ダイヤモンドダスト)(Diamond dust) - 晴れた空から凍結した微小な氷晶が降る現象。
  • 着雪 - が付着すること。

脚注

  1. Rimeの下位区分としてはSoft rimeとHard rimeのみが当てはまり、Air hoarは当てはまらない。ただ、訳語としてはRimeを用いることが多い。つまり、日本語での「樹霜」は「霧氷」の下位区分であるが、英語での「Air hoar」は「Rime」の下位区分ではなく同列に扱われる。

着氷による航空機事故

関連項目