県民経済計算

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ファイル:2010 Japan prefectural income per capita.svg
2010年度(平成22年度)の県民経済計算における1人当たり県民所得(PI)階級図。太平洋ベルト地域で高い傾向にある。東京は突出して高く、この年度では次いで滋賀静岡愛知の順となっている。一方、最も低いのは沖縄。なお、各県の経済動向により、順位は毎年入れ替わる。[1]

県民経済計算(けんみんけいざいけいさん)は、日本国民経済計算に準拠して計算された都道府県レベルの経済活動状況の推計である。国民経済計算には、国内総生産国民所得などの指標があるが、県民経済計算ではこれに相当する、県内総生産、県民所得などの指標が推計されている。

同種のものとして、アメリカ合衆国では商務省経済分析局が州内総生産 (Gross State Product) を発表している。

2009年(平成21年)2月現在、日本の県民経済計算は、国民経済計算(国民所得統計)に準拠して作成されており、国連が1993年(平成5年)に採択した方式である93SNAに準拠しており、2000年(平成12年)基準の数値が発表されている。

内閣府省庁再編以前は経済企画庁)が各都道府県の県民経済計算をまとめて、県民経済計算年報として発表している。

解説

国内総生産との関係

国民経済計算では海外との輸出入を考慮して国内における生産額を推計しているように、県民経済計算では県外との取引は財貨・サービスの移出入として計上され、二重計算が排除されている。このため概念上は、各都道府県の県内総生産の合計は国内総生産となる。しかし、海外との貿易が税関における通関手続きなどによってかなり正確に把握できるのに対して、都道府県間の取引は把握が困難であることなど推計誤差のため、県内総生産の合計と国民経済計算で推計されている国内総生産には乖離がある。

2006年度(平成18年度)の名目県内総生産の合計は518.8兆円だが、国民経済計算の名目国内総生産額は511.8兆円と県内総生産の全国計とは一致しない。

一人当たり県民所得

各県の県民所得を人口で割って得られる一人当たり県民所得は、各都道府県の経済力を示す指標としてしばしば用いられる。2006年度(平成18年度)で見ると一人当たり県民所得が最も多い東京都の4,820千円と、最も少ない沖縄県の2,089千円では、約2.3倍の差がある。

一人当たり県民所得の分散度合いを測る指標としては、一人当たり県民所得の変動係数が用いられることが多い。これによって見ると、1990年度(平成2年度)以降2001年度(平成13年度)までは変動係数は減少傾向にあり、一人当たり県民所得のばらつきは縮小してきたが、2002年度(平成14年度)以降は5年連続して拡大している。

県民所得には企業所得が含まれているので、各県の消費者労働者の所得水準を表すものではない。

計算の性質上、乳児幼児児童高齢者の人口比率が大きい都道府県では、県民所得は小さくなる傾向にある。

2006年度(平成18年度) 県内総生産・1人当たり県民所得

  • GPP:県内総生産(名目)(百万円)
  • PI:県民所得(千円)
  • 人口:2006年(平成18年度)10月1日(千人)

都道府県別

都道府県
GPP
(百万円)
構成比
(%)
1人当たりPI
(千円)
人口
(千人)
構成比
(%)
全国計 518,824,080 100.0 3,069 127,770 100.0
北海道 18,911,157 3.6 2,463 5,601 4.4
青森県 4,623,886 0.9 2,443 1,423 1.1
岩手県 4,530,985 0.9 2,346 1,375 1.1
宮城県 8,468,458 1.6 2,615 2,355 1.8
秋田県 3,776,320 0.7 2,334 1,134 0.9
山形県 4,135,611 0.8 2,472 1,208 0.9
福島県 7,897,254 1.5 2,775 2,080 1.6
茨城県 10,950,728 2.1 2,843 2,972 2.3
栃木県 8,231,194 1.6 3,104 2,015 1.6
群馬県 7,641,158 1.5 2,921 2,021 1.6
埼玉県 20,869,914 4.0 2,961 7,071 5.5
千葉県 19,246,454 3.7 2,962 6,074 4.8
東京都 92,277,127 17.8 4,820 12,659 9.9
神奈川県 31,775,235 6.1 3,257 8,830 6.9
新潟県 9,078,972 1.7 2,734 2,418 1.9
富山県 4,576,288 0.9 3,013 1,110 0.9
石川県 4,516,229 0.9 2,806 1,172 0.9
福井県 3,318,600 0.6 2,819 819 0.6
山梨県 3,241,342 0.6 2,773 880 0.7
長野県 8,147,171 1.6 2,789 2,189 1.7
岐阜県 7,472,219 1.4 2,863 2,105 1.6
静岡県 16,866,468 3.3 3,389 3,797 3.0
愛知県 36,506,197 7.0 3,509 7,308 5.7
三重県 8,027,479 1.5 3,193 1,873 1.5
滋賀県 6,086,339 1.2 3,352 1,389 1.1
京都府 10,236,070 2.0 2,976 2,643 2.1
大阪府 38,808,582 7.5 3,083 8,815 6.9
兵庫県 19,646,656 3.8 2,882 5,590 4.4
奈良県 3,738,439 0.7 2,692 1,416 1.1
和歌山県 3,468,815 0.7 2,665 1,028 0.8
鳥取県 2,056,870 0.4 2,422 604 0.5
島根県 2,487,486 0.5 2,437 737 0.6
岡山県 7,534,003 1.5 2,800 1,955 1.5
広島県 12,249,698 2.4 3,095 2,875 2.2
山口県 5,736,142 1.1 2,883 1,483 1.2
徳島県 2,670,125 0.5 2,694 805 0.6
香川県 3,790,649 0.7 2,718 1,009 0.8
愛媛県 4,954,778 1.0 2,487 1,460 1.1
高知県 2,310,171 0.4 2,170 789 0.6
福岡県 18,094,737 3.5 2,665 5,054 4.0
佐賀県 2,896,412 0.6 2,475 863 0.7
長崎県 4,276,459 0.8 2,159 1,466 1.1
熊本県 5,708,626 1.1 2,398 1,836 1.4
大分県 4,468,382 0.9 2,594 1,206 0.9
宮崎県 3,507,435 0.7 2,150 1,148 0.9
鹿児島県 5,323,140 1.0 2,283 1,743 1.4
沖縄県 3,687,620 0.7 2,089 1,368 1.1

地方別

地方 GPP 人口
概数 比率 概数 比率
全国計 5188241億円 100.0% 12770.0万人 100.0%
北海道 189112億円 3.6% 560.1万人 4.4%
東北6県 334325億円 6.4% 957.3万人 7.5%
関東1都6県 1909918億円 36.8% 4164.2万人 32.6%
中部9県 937235億円 18.1% 2179.9万人 17.1%
近畿2府5県 900124億円 17.3% 2275.3万人 17.8%
中国四国9県 437899億円 8.4% 1171.7万人 9.2%
九州沖縄8県 479628億円 9.2% 1468.5万人 11.5%

広域地方計画区域別

国土形成計画の広域地方計画区域による分類

地方 GPP 人口 備考
全国計 5188241 12777.0
北海道 189112 560.1
東北圏7県 425115 1199.1 東北6県+新潟県
首都圏1都7県 1942332 4252.2 関東1都6県+山梨県
中部圏5県 770195 1727.2 東海4県+長野県
北陸圏3県 124111 310.1
近畿圏2府4県 819849 2088.0
中国圏5県 300642 765.3
四国圏4県 137257 406.4
九州圏7県 442752 1331.7
沖縄県 36876 136.8

その他の分類

地方 GPP 人口
北東北3県 129312 393.1
南東北3県 205013 564.2
北関東3県 268231 700.8
南関東1都3県 1641687 3463.4
甲信越3県 204675 548.7
東海3県 520059 1128.6
東海4県 688724 1508.4
北陸4県 214901 551.9
山陽3県 255198 631.3
山陰2県 45444 134.1
北九州5県 347020 1049.7
南九州2県 87842 293.9
北九州山口6県 411808 1190.9
九州山口8県 500113 1480.0

脚注

関連項目

外部リンク