直和
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直和(ちょくわ、英: direct sum)
(1) 集合に関して 集合 A と B との和集合というときに,A ,B⊆X の場合の合併をさす場合もあるが,A と B を重なりを考えずに並べたものをいう場合もある。これを合併集合と区別するために直和ということもある。転じて,部分集合の合併についても,A∩B=φ の場合に限って直和ということもある。 (2) 可換群に関して 加法に関する結合法をもつ可換群を G ,その部分群を G 1 ,G 2 とする。もし任意の元 x∈G ,x 1∈G 1 および x 2∈G 2 によって,x=x 1+x 2 の形に一意的に書けるとき,G は G 1 と G 2 の直和であるといわれ,これを G 1+G 2 で表わす。 (3) ベクトル空間に関して ベクトル空間の算法は加法なので,直積のことを直和ということもある。 (4) ベクトル空間の部分空間に関して 体 K の上のベクトル空間を V ,その部分空間を V 1 ,V 2 とする。もし V のおのおの元 x が, x 1∈V 1 および x 2∈V 2 によって,一意的に x = x 1+ x 2 と書けるとき,V は V 1 と V 2 の直和であるといい,これを V 1+V 2 で表わす。一般にも,V 1+V 2={ x 1+ x 2| x 1∈V 1, x 2∈V 2} と書くが,これは V 1 と V 2 の直和 (直積) と同型とはかぎらない。それで特に,同型になる場合を直和というのである。