目玉マーク
目玉マーク(めだまマーク)は、フジテレビジョン、産業経済新聞社(産経新聞)、ニッポン放送、ラジオ大阪、サンケイビル、ポニーキャニオンなどの企業で構成する、総合メディアグループ(コングロマリット)のフジサンケイグループ各社で使用している統一シンボルマーク・社章である。通称「目ん玉(めんたま)マーク」。
概要
1985年8月、当時のフジサンケイグループ議長・鹿内春雄が、グループの結束を強化するために制定した。目玉のデザインは、イラストレーターの吉田カツが手掛けた。デザインは絵具のチューブから直接描いたもの。商標権はフジ・メディア・ホールディングス(旧:フジテレビジョン。2008年10月1日に放送持株会社化による社名変更)が所有している。
制定当時のキャッチコピーは「人が好き、地球が好き。あったかい心みえますか フジサンケイグループ」で、フジテレビ、ニッポン放送ほか全国のテレビ・ラジオで大々的な宣伝活動を行った。なお、この時のTVCMのナレーションを務めたのは、当時フジテレビアナウンサーの逸見政孝だった。
1986年4月1日からフジサンケイグループ各社の社章・社旗に"目玉マーク"が正式に使われることになり、デザイナーの馬場雄二(現:東北芸術工科大学教授)の製作によるグループ各社の統一企業ロゴタイプ用フォントもこの日から使用された(ロゴタイプ用フォントはBSフジおよびFNS・FNN系列の岩手めんこいテレビでも使用)。目玉マーク使用開始時は主に地方の視聴者から異論の声が挙がった[1]が、現在ではフジテレビ制作の全国ネット番組で使用されているため、「フジテレビと言えば目玉マーク」と言われる程全国的にお馴染みのマークとなった。
フジテレビ制作の地上波・BS・CSのテレビ番組には、クレジットタイトルで「制作著作 (目玉マーク)フジテレビ」(『SMAP×SMAP』、『Mr.サンデー』、『みんなの鉄道』など一部番組では目玉マークを表示しないものもある[2])と表記され、産経新聞、サンケイスポーツ、フジサンケイ ビジネスアイ、SANKEI EXPRESSには一面、夕刊フジには最終面で目玉マークを掲載している[3]。フジテレビ発売のDVDパッケージや、ポニーキャニオンが発売するCD、DVDにロゴムービーにも目玉マークが表記されている。また、開局当初から産経新聞との関係が深いラジオ大阪も2005年1月、正式に産経新聞グループの一員になったのに伴い、同年10月から目玉マークを使用することになった(ロゴタイプは従来のものを継続)。
目玉マークは全国的にはフジテレビのシンボルマークとして印象深いが、産経新聞の発祥の地で、産経新聞の購読率が全国で最も多い大阪府など近畿地方では産経新聞、サンケイスポーツのシンボルマークとしても馴染みがある。
フジテレビの地上デジタル放送とBSフジの受信機表示アイコン・ウォーターマークでも目玉マークを使用している[4]。
フジテレビ社屋内に用意されている防災用ヘルメットや、台風や地震など自然災害時の取材に使われるヘルメットにも目玉マークのシールが張られており、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の『FNN報道特別番組』では、『スーパーニュース』の安藤優子キャスターが発生時からしばらくの間、目玉マークのついた防災用ヘルメットを着用の上放送していた。
2005年12月31日放送のNHK『第56回NHK紅白歌合戦』において、ゴリエ(フジテレビ『ワンナイR&R』出身)がバックダンサーと目玉マークを作ったことが話題になり、NHKスタッフの間では評判が高かった(振り付け・北垣美沙)。
文化放送の場合
文化放送もフジサンケイグループの一員であるが、同社およびその関連企業は当マークは使用していない。
8マーク
フジテレビでは目玉マーク以前に、自社の親局ch『8』をモチーフとしたマーク(通称・8(エイト)マーク。亀倉雄策の作)をシンボルマークとして社章・社旗などに使用していたが、フジテレビ本社がお台場に移転してからもバラエティ番組のスタンドマイク等[5]で使われており、東京・お台場にある本社オフィスタワー(FCGビル)の関係者出入口前にはこの8マークのオブジェが置かれている[6]。目玉マーク変更時には宇宙のブラックホールを模したCGを背景に、8マークがブラックホールに吸い込まれ、ブラックホールの奥から目玉マークが出現するという内容の告知CMが作られた(オープニングとクロージングとして使われた時期もある)。
また、1986年に目玉マークになってからも、フジテレビの新デザインの中継車の正面部分にはこの8マークが描かれていた。目玉マーク登場前はオープニング・エンディングでも強調していた。2011年時点では、フジテレビの基本番組表(毎月1日発行)の上部右端に8マークが描かれているほか、お台場社屋の壁面全体を使って表現するイルミネーションイベント「GLITTER8〜キラキラヒカルフジテレビ〜」のロゴに8マークが使用されていた。また8マークは、現行ロゴタイプ(フジサンケイグループ統一書体)との組み合わせで、商標として登録されている。ただし、8マーク時代の製作・著作表記に8マークはなく、単にフジテレビの社名ロゴだけだった。これは、系列局のチャンネルの違いや番組販売などの配慮である[7]。
目玉マーク採用直後の番組宣伝広告には、目玉マークに亀倉雄策作の旧ロゴタイプの組み合わせの物が存在した一方、逆に前述の8マークとフジサンケイグループ統一書体ロゴの組み合わせが使われる等、過渡的な混乱が見られた[8]。
なお、フジと同じく親局が8chである近畿広域圏準キー局の関西テレビ(早川良雄の作)[9]と、沖縄県の沖縄テレビ(OTV)でも、同じく8をモチーフとしたマークが使用されている。違いとしては、フジは曲線基調、関テレは直線基調、OTVは直線ベースながら曲線も取り入れたデザインと、各局差別化がなされている[10]。
近年では、フジテレビの単発特番『ENGEIグランドスラム』のタイトルロゴで8マークが使われている。また、『サザエさん』の台本の表紙では現在も8マークが使用されている。8マークの他にも、『笑わせたもん勝ちトーナメント KYO-ICHI』の優勝旗のように「フジテレビ」の旧ロゴを使用した例がある。
報道特別番組
1989年1月の昭和天皇崩御の際の2日間の報道特別番組では、クレジットタイトルで目玉マークのデザインが、天皇崩御関連の報道特番に相応しくないという判断で目玉マーク無しに差し替えられた。
脚注
- ↑ 統一CI導入当時、現行の「目玉マーク」よりも従来の「エイトマーク」が全国的・業界的にも認知度が高かったためと考えられる。
- ↑ 『夜のヒットスタジオDELUXE』がCSで再放送された際も、エンディングがカットされた一部の回(権利問題などが理由)の最後のカットに、左下の番組ロゴの隣の右下位置にそのような形で表示された。
- ↑ ただし、産経新聞は祝日発行の朝刊には目玉マークに代わって日の丸マークに差し替えている。
- ↑ ただしウォーターマークについてワンセグでは表示をしていない。
- ↑ ほとんどが旧・河田町時代の機材であるが、2015年から始まったENGEIグランドスラムで再び8マークを使用した新規のスタンドマイクが登場した。
- ↑ 河田町本社の正面玄関にあった凱旋門の壁にも、解体される1997年までこの8マークのオブジェがはめ込まれていた。ちなみに、河田町本社のこのオブジェは黒色であった。
- ↑ 10マークを使用していた時代のテレビ朝日(旧・NETテレビ時代も同様)と12マークを使用していた時代のテレビ東京(旧・東京12チャンネル時代も同様)も同じ理由で製作・著作表記に10マークおよび12マークを使用しなかった。
- ↑ CIによる新マーク採用直後にこのような混乱が見られるケースは他にもある。一例として、森永製菓では、1986年のCIによる「エンゼルマーク」(同社のブランドである天使のマーク)変更直後に、新エンゼルマークと旧ロゴタイプの社名の組み合わせの商品が存在したり、菓子店やスーパーマーケットなどで新旧エンゼルマークの商品が混在して陳列されたりもした。
- ↑ 2015年4月、関西テレビは新しい8マークと局ロゴの制定ならびに愛称を「カンテレ」に統一したが、旧来の8マークも一部に限り使用を継続している。
- ↑ なお『R-1ぐらんぷり』は2009年より製作局が関西テレビ単独から関西テレビとフジテレビの共同制作となり、決勝戦の中継をフジテレビV4スタジオから行っているが、スタンドマイクはメイン制作局である関西テレビの『8』マーク(直線基調のもの)か「KTV」ロゴがついたもののいずれかに差し替えて使用されている。