登呂遺跡
登呂遺跡(とろいせき)は、静岡県静岡市駿河区登呂五丁目にある、弥生時代の集落・水田遺跡。国の特別史跡に指定されている。
弥生時代後期に属し、1世紀ごろの集落と推定される。「登呂」はこの地域の小字(1973年、住居表示実施により町名にも採用)。 座標: 東経138度24分29秒北緯34.95611度 東経138.40806度
概要
遺跡は、戦時中の1943年(昭和18年)、軍事工場建設の際発見された。戦後間もない1947年(昭和22年)には考古学・人類学・地質学など各分野の学者が加わった日本で初めての総合的な発掘調査が行われ、8万平方メートルを超える水田跡や井戸の跡、竪穴式住居(正確には竪穴系平地式住居)・高床式倉庫の遺構が検出された。この他にも、農耕や狩猟、漁労のための木製道具や火起こしの道具、占いに用いた骨などが出土した。 また、1999年(平成11年)から5カ年計画で再発掘調査が行われ、新たに銅釧や漆が塗られた槽づくりの琴、祭殿跡などが出土している。
現在遺跡は、登呂公園として整備され、住居などが復元されているほか、遺跡についての資料がある静岡市立登呂博物館が隣接して建てられている(なお、施設建て替えのため博物館は2007年(平成19年)6月をもって閉館し、2010年(平成22年)10月3日にリニューアルオープン。常設展示室の観覧料が大人200円、子ども50円(平成29年4月1日現在)[1]。
村
登呂遺跡は、安倍川の分流の洪水時に押し流された土砂が堆積し、自然に形成された堤防の上に造られている。村は、北東から南西の方向に広がる微高地を利用して住居12棟、高床倉庫2棟が建っており、水田は、その南につくられている。
文化財
重要文化財(国指定)
- 静岡県登呂遺跡出土品(考古資料) - 内訳は次の通り。静岡市立登呂博物館保管。平成28年8月17日指定[2]。
- 土器・土製品 54点
- 木器・木製品 321点
- 石器・石製品 74点
- 金属製品 16点
- ガラス小玉 5点
- 骨角製品 6点
- 織物・編物残欠 6点
- 樹皮製品 7点
- (附指定)土器片 126点(以上昭和18-40年出土)
- 土器・土製品 12点
- 木器・木製品 77点
- 石器・石製品 64点
- 銅環 5点
- ガラス小玉 1点
- 灼骨残欠 1点(以上平成11-15年出土)
国の特別史跡
- 登呂遺跡 - 昭和27年3月29日に国の史跡に指定、昭和27年11月22日に国の特別史跡に指定、昭和53年12月21日に史跡範囲の追加指定[3]。
静岡県指定文化財
- 有形文化財
- 登呂遺跡出土遺物 附 調査関連資料(考古資料) - 平成16年2月27日指定[4]。
ギャラリー
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登呂遺跡入口から見る(2018年7月10日撮影)
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博物館(2018年7月10日撮影)
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同左(2018年7月10日撮影)
- 2004年08月25日竪02.JPG
復元竪穴式住居
- Takayuka.JPG
復元高床式倉庫
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復元祭殿
交通アクセス
- JR東海・静岡駅南口からバス10分
- しずてつジャストライン石田街道線・登呂遺跡行終点下車(東大谷行又は久能山下行の場合は登呂遺跡入口下車徒歩5分)