画線法
画線法(かくせんほう)は、線を引くことによって線の本数で数を表現し、5本ごとにまとめて記載する手法である。日本語においては一般に「正」の漢字を用いて表現し、下方向あるいは右方向に「正」を増加させることで表現する。
日本語の文化圏では使用頻度に対して「画線法」という単語はほとんど認知されておらず、「正の文字で数える」などといった別の表現で言い表すことが多い。
Contents
概要
通常、算用数字や漢数字を記入して物を数える場合、1増えるごとに前の数を消してから記入する必要があるが、画線法では前に記入した状態を消さずに線を1本加えることで数を増やしていくことが可能であるため、順次数を増加させて記載していくことが必要な場合に多く用いられる。一方、数が多くなると全体の長さが長くなり、現在の数字を把握できなくなるため、多い数の場合に用いることはほとんどない。表記された画線数を数える場合には、5の塊の数×5+端数で計算して数えることが多い。
日本語では、漢字で正しいを意味する「正」の漢字が用いられる。これは、同じ漢字圏である中国語や朝鮮語であっても同様である。漢字の書き順と同じ順序で数を表し、1は上の横棒、2は中央の縦棒、3は中央右の横棒、4は左側の縦棒、5は下の横棒である。一方、「正」の漢字の正しい書き順を知らずに間違って書くと他者が数値を勘違いしてしまうことがあり、問題となることがある。
欧米では最初に縦線を4本書き、5本目を線上に重ねる形で左上から右下に書くことで表す。場合によっては6から9まで縦に書き、10の場合には右上から左下に線上に重ねるようにして表す。
南米では枡記号のように最初に漢字の「口」の筆順で4まで表記し、5は左上の頂点から右下の頂点に線を引くことで表す。
画線法では端の位置を揃えることによって棒グラフのように見やすい表記が可能であるため、比較的個数の少ない物の総数を比較するときに多く用いられる。
また、5は人間の片手の指の総数と等しいため、指を使用して数える場合と同様な用途で用いられることもある。
画線法での数の表記は現在のところJISやUnicodeに含まれていない。そのため、パソコンで使用する場合は個別に外字に登録するなどの方法をとるか特殊なフォントを使用する以外、文字として表現することができない。しかし、2015年11月にはケン・ランディによって登録申請された[1][2]。