田久保英夫
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田久保 英夫(たくぼ ひでお、1928年1月25日 - 2001年4月14日)は、東京府東京市浅草区(現在の東京都台東区)出身の小説家。
来歴・人物
東京府東京市浅草区浅草田中町(現在の東京都台東区日本堤)生れ。父は小峰秀次郎、母は田久保ハル。下町の料亭で育つ。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。山川方夫らと第三次『三田文学』を刊行した。1954年、戯曲「金婚式」を同誌に発表。以後「三田文学」編集及び執筆に携わる。1959年、『緑の年』を『新潮』に発表し文壇デビューするが、幼少時の体験を描いた『解禁』(1961年)で第46回芥川賞候補となり、注目される。その後、第47回(『睡蓮』にて)、第48回(『奢りの春』にて)と候補になるが、『深い河』で芥川賞を受賞したのは1969年(第61回)、41歳の時だった。
1985年から2000年まで、芥川賞選考委員。短編の名手と言われた。
2001年4月14日、食道癌による動脈破裂のため東京都渋谷区代々木八幡の病院で死去。東京都立八柱霊園に眠る。戒名は華文院釈世英[1]。
受賞歴
- 1969年、『深い河』で芥川賞
- 1976年、『髪の環』(短編集)で毎日出版文化賞
- 1979年、『触媒』で芸術選奨文部大臣賞
- 1985年、短編『辻火』で川端康成文学賞
- 1986年、『海図』で読売文学賞
- 1997年、『木霊集』で野間文芸賞
著書
- 『解禁』新潮社 1963
- 『遠く熱い時間』文藝春秋 1969 「奢りの春」集英社文庫
- 『深い河』新潮社 1969 「深い河・辻火」講談社文芸文庫
- 『水中花』新潮社 1970 のち集英社文庫
- 『虹時計』講談社 1972
- 『薔薇の眠り』中央公論社 1972 のち文庫
- 『新鋭作家叢書 田久保英夫集』河出書房新社 1972
- 『不意の視野』北洋社 1975
- 『髪の環』講談社、1976 のち文庫
- 『触媒』文藝春秋 1978
- 『花闇』新潮社 1978
- 『女人祭』講談社 1979
- 『雨飾り』講談社 1980
- 『蕾をめぐる七つの短篇』講談社 1983
- 『海図』講談社 1985 のち文芸文庫
- 『辻火』講談社 1986 のち文芸文庫
- 『青を風に晒して』新潮社 1987
- 『緋の山』集英社 1988
- 『氷夢』講談社 1989
- 『しらぬひ』福武書店 1990
- 『夢ごころ 現代能楽抄』新潮社 1991
- 『川の手物語』新潮社 1994
- 『空の華』文藝春秋 1996
- 『木霊集』新潮社 1997
- 『生魄』文藝春秋 2001
- 『仮装』新潮社 2001
- 『滞郷音信』慶應義塾大学出版会 2003
共著
- 『古今和歌集 新潮古典文学アルバム』小町谷照彦共著 1991
脚注
- ↑ 大塚英良『文学者掃苔録図書館』(原書房、2015年)133頁
参考
典拠レコード: