環水平アーク

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ファイル:CircumhorizonArcIdaho.jpg
羽毛状の巻雲に投影された環水平アーク
ファイル:CircumhorizonArcAcon.jpg
長い環水平アーク。やや上方に反って見える。

環水平アーク(かんすいへいアーク、英語:circumhorizon arc、circumhorizontal arc)とは、大気光学現象の一種で、太陽の下46度の水平線上の薄虹色の光の帯が見えるもの。水平弧水平環 とも呼ばれる。大気中の氷晶太陽光屈折して起こるもので、太陽高度が58°以上の時にしか出現しない[1]

類似の現象との区別

ファイル:Circumhorizontal arc in Michigan.jpg
彩雲と間違えられやすい断片的な環水平アーク

内暈(22°ハロ)などとは異なり、環水平アークは、太陽と同じ方向に現れ、水平の帯の形状をしている。なお、環水平アークの光の帯は、方位角にして最大108°までの広がりを持つ[2][1]

巻雲などの断片的な雲を通して見えるときには、同じく虹色をした彩雲としばしば混同される[1]

外暈(46°ハロ)や下部ラテラルアークは同じ高さに生じ、太陽高度によってはほとんど同じ形状となるため、区別が難しい場合がある[1]

観測条件とメカニズム

58°以上という高い太陽高度が条件のため、概ね北緯・南緯55度より極側の高緯度地域では、高山を除いて見ることができない。ヨーロッパでは、デンマークコペンハーゲン付近が北限である。また、低緯度の地域ほど、夏季を中心とする太陽高度58°以上の期間が長くなり、観測されやすい。中緯度にある日本などでは、の間、夏至を挟んだ半年前後の期間見ることができ、概ね1年に数回程度観測できる[2][1]

上空の雲を構成する氷の結晶の多くは六角板の構造を持つ。結晶の方向が揃ったとき、太陽光が斜めに鉛直面に入射して水平面から出射すると、2度屈折する。このとき結晶がプリズムの働きをして、可視光線の波長ごとに分光されて虹色に見える[2]

関連画像

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 Circumhorizon arc」Atmospheric Optics、2015年6月7日閲覧
  2. 2.0 2.1 2.2 Zirkumhorizontalbogen (EE23)」Arbeitskreis Meteore e.V.、2015年6月7日閲覧

関連項目

外部リンク