猫舌
猫舌(ねこじた)とは、高温のものを飲食することが苦手とする偏食の形態である。猫が熱い食べ物を食べようとしないことになぞらえたものである。
昔は富裕層ほど多く、贅沢な食生活による影響や食わず嫌いが原因とされていたが、現在はさほど大差はない。現代では、食生活環境の影響により猫舌であるか、ないかが左右されている。
熱い飲食物に対舌の奥が熱さを感じにくい一方で舌先は熱さに敏感であるが舌の奥でも舌先でも感度に大差は無い。しかし、幼児、加齢により差は大きく異なる。
しかし、猫舌ではなくとも熱すぎるものは誰でも熱い。逆に熱すぎるものを無理矢理食べると口内粘膜が剥がれ落ちる他、食道も火傷するため、逆流性食道炎や気管支炎の原因になる事もある。最悪の場合、粘膜が修復されて悪性の粘膜となると癌の原因ともなる。
乳児には熱すぎる食べ物や飲み物は禁忌である。 猫舌ではあるが、乳児はまだ体温調整や外部の環境になれておらず、胎児の頃は口ではなく、臍帯を通して栄養を得ていたため、まだ体質が熱に敏感で慣れてないためである。 乳児や子供に無理矢理熱いものを食べさせ続けた場合、児童虐待となる。また、成人していても熱いものを無理矢理食べさせる行為はいじめやパワハラやDVとみなされるため、一歩間違えれば犯罪となる。
猫舌を克服するためには、なるべく粘膜に当てないように舌の奥で食べることを意識すると克服出来る。しかし子供のうちは簡単に克服出来るが、ある程度成長した場合はなかなか難しい。ただしこれらの食べ方をすれば必然と音が出てしまう可能性があり[1]、加えて空気を取り込む為に口呼吸になりやすいなどのデメリットも発生する。 例として、ラーメンを啜らず食べる国出身者は、教えられてもなかなか啜れず、コーヒーなどの飲料も啜ることができない[2]。むしろ音が出てしまう理由からデヴィ・スカルノなどの猫舌の人は啜って飲食することを嫌う傾向が見られる他、熱い飲食物を平気で食べること自体がマナー違反とされることも少なからずある[3][4]。その一方、『とくダネ!』にて小倉智昭は猫舌の人に偏見を持っていると思われる発言をしていた[5]。しかし啜る行為は、「熱いものを早く食べるため」とされており、実際に啜って食べた方が程よくスムーズに食事が進む合理的なテクニックである。
また、「第一子は猫舌」と唱える説もあり、理由として、親もまだ自らの子供を育てた経験がなく、子供がどの程度で怪我するか病気をしてしまうかがわからず、ついつい過保護になりがちであり、第二子以降になると、一度子育てを経験しており「これくらいなら火傷しない」とわかっていることや、第一子の面倒も見なくてはならないため、比較的雑になる。そのため、子供も慣れて平気になるという。 ただし、「歳の離れた兄や姉がいる末っ子も猫舌」という説もあり、これは兄や姉たちが弟や妹のお世話をしたがり、さらに親も歳が離れて生まれた子供なため、可愛がってしまうからという説もある。
脚注
- ↑ 蕎麦をすする音マナー違反?粋な食べ方考 - 江戸ソバリエ石臼の会
- ↑ ヌーハラ考 日本人の麺の食べ方がヘタになっている面もある - NEWSポストセブン・2016年12月4日
- ↑ デヴィ夫人「ヌーハラ」はっきり言うわよ 麺すするのは「教養のない田舎っぺ」 - J-CASTニュース・2016年12月11日
- ↑ 国土交通省 総合政策局 観光事業課; 日本交通公社 (公益財団法人) (2008年2月). 多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル (Report). 国土交通省. p. 108 . 2016年8月25日閲覧..
- ↑ “小倉氏、ヌーハラ論争に断「外国人にとやかくいわれる筋合いない!」”. デイリースポーツ. (2016年11月16日) . 2016閲覧.