猪苗代町
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猪苗代町(いなわしろまち)は、福島県のほぼ中央に位置する町。
Contents
概要
猪苗代湖の北岸に面し、東西北の三方を会津磐梯山をはじめとする山々に囲まれた自然豊かな町[1]。日本海式気候で、冬は積雪1~2mとなる[1]。野口英世の生誕地としても知られる。観光業のほか、米の生産調整対策に伴う転作作物としてのそばをはじめ、磐梯トマト、七ツ森牛乳、磐梯黄金みそ、あげまんじゅう、笹だんご、ふなの甘露煮、山菜加工品、湯の華、中ノ沢こけし、つる細工、清酒などを特産とする[1]。
地理
北西に磐梯山がそびえ、南には猪苗代湖を湛える。活火山を3つも抱える珍しい自治体である。
隣接している自治体
歴史
古代・中世
- 948年(天暦2年) - 小平潟天満宮が建立される。
- 鎌倉時代初期 - 猪苗代経連が猪苗代城を築城。これ以降約400年間、猪苗代の地は猪苗代氏によって支配される。
- 1411年(応永18年) - 観音寺に石造宝篋印塔が造られる。
- 1589年(天正17年) - 伊達政宗が蘆名義広と摺上原で戦い、蘆名氏を滅亡させる。(摺上原の戦い)
近世
- 1590年(天正18年) - 会津が蒲生氏郷の所領となり、氏郷家臣の玉井貞右が猪苗代城に入る。
- 1598年(慶長3年) - 会津は上杉景勝領となり、猪苗代城には水原親憲が入る。
- 1601年(慶長6年) - 会津は再び蒲生領(領主は氏郷の子・秀行)となり、猪苗代城には関一利が入り、後に岡定俊が城代となる。
- 1627年(寛永4年) - 会津は加藤嘉明領となり、その重臣・堀主水が猪苗代城代となる。
- 1643年(寛永20年) - 保科正之が会津領主となる。
- 1672年(寛文12年) - 保科正之死去。見祢山(赤埴山)山麓に葬られる。
- 1673年(延宝元年) -土津神社を造営。
- 1674年(延宝2年) - 土田堰開削。
近現代
- 1868年(明治元年) - 母成峠の戦い。会津藩・新撰組ら東軍が薩摩藩・土佐藩を中心とした西軍に敗れる。
- 1876年(明治9年) - 野口英世が生まれる。
- 1883年(明治16年) - 安積疏水完成。
- 1888年(明治21年) - 磐梯山大爆発。
- 1889年(明治22年) - 町村制施行。現在の猪苗代町域には、猪苗代町、磐瀬村、磐保村、吾妻村、長瀬村、月輪村、千里村、翁島村が成立。
- 1898年(明治32年) - 岩越鉄道(現・磐越西線)郡山~会津若松間が開通。
- 1900年(明治33年)- 安達太良山沼ノ平噴火。
- 1911年(明治40年) - 沼尻鉱山の硫黄採掘をおこなうため、日本硫黄株式会社が発足する。
- 1912年(明治41年) - 有栖川宮威仁親王別邸(天鏡閣)が建設される。
- 1913年(大正2年 - 沼尻軌道が開通。
- 1915年(大正4年) - 沼尻スキー場が開場。1966年
- 1921年(大正10年) - 沼尻温泉が現在地へ移転。
- 1922年(大正11年) - 高松宮宣仁親王別邸(現・福島県迎賓館)が建設される。
- 1941年(昭和16年) - 磐瀬村と磐保村が猪苗代町に編入合併される。
- 1955年(昭和30年)
- 3月1日 - 猪苗代町、翁島村、千里村、月輪村、吾妻村が合併し、改めて猪苗代町となる。(新設合併)
- 7月20日 - 長瀬村を編入合併し、現在の猪苗代町となる。
- 1966年(昭和41年) - 国立磐梯青年の家(現・国立磐梯青少年交流の家)が開設される。
- 1969年(昭和44年) - 磐梯急行電鉄(沼尻鉄道)が廃止される。
- 1989年(平成元年)
- 台風13号の来襲で大倉川が決壊し、11人の死者・行方不明者をだす。
- 土湯トンネルが開通。
- 1991年(平成3年) - 磐越自動車道が猪苗代磐梯高原ICと会津坂下IC間の供用を開始。
行政区域変遷
- 変遷の年表
猪苗代町町域の変遷(年表) | ||
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年 | 月日 | 現猪苗代町町域に関連する行政区域変遷 |
1889年(明治22年) | 4月1日 | 町村制施行に伴い、以下の村がそれぞれ発足。[2][3] |
1941年(昭和16年) | 4月1日 | 磐瀬村・磐保村は猪苗代町に編入。 |
1955年(昭和30年) | 3月1日 | 猪苗代町・翁島村・千里村・月輪村・吾妻村が合併し猪苗代町が発足。 |
7月20日 | 長瀬村は猪苗代町に編入。 |
- 変遷表
猪苗代町町域の変遷表 | |||||||
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1868年 以前 |
明治元年 - 明治22年 | 明治22年 4月1日 |
明治22年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 | |
本町 | 明治8年 猪苗代町 |
幸島村 | 猪苗代町 | 昭和30年3月1日 猪苗代町 |
猪苗代町 | 猪苗代町 | |
新町 | |||||||
中町 | |||||||
北窪村 | |||||||
今和泉村 | |||||||
東谷地村 | |||||||
長坂新田村 | 明治8年 磐瀬村 |
磐瀬村 | 昭和16年4月1日 猪苗代町に編入 | ||||
渋谷村 | |||||||
見禰村 | |||||||
土町 | 磐保村 | 磐保村 | |||||
町堤崎村 | |||||||
町島田村 | |||||||
三城潟村 | 明治8年 三ツ和村 |
翁島村 | 翁島村 | ||||
新在家村 | |||||||
五十軒村 | |||||||
大在家村 | 明治8年 長田村 | ||||||
釜井村 | |||||||
烏帽子小屋村 | |||||||
東真行村 | |||||||
南真行村 | |||||||
西真行村 | |||||||
西久保村 | 明治8年 磐根村 | ||||||
桜川村 | |||||||
行津村 | |||||||
土田新田村 | |||||||
袋新田村 | |||||||
本町の一部 | |||||||
新町上分の一部 | |||||||
蟹沢村 | 明治8年 翁沢村 | ||||||
金滓沢新田村 | |||||||
戸ノ口村 | |||||||
三本木新田村 | |||||||
南土田村 | 明治8年 千代田村 |
千里村 | 千里村 | ||||
嘉堂観村 | |||||||
北高野村 | |||||||
牛沼新田村 | 明治8年 堅田村 | ||||||
入江村 | |||||||
蜂屋敷村 | |||||||
相名目村 | |||||||
廻谷地村 | |||||||
西舘村 | |||||||
島田村 | 明治8年 磐里村 | ||||||
堤崎村 | |||||||
百目貫村 | |||||||
谷地村 | |||||||
中目村 | 明治8年 中小松村 |
月輪村 | 月輪村 | ||||
小平潟村 | |||||||
松橋村 | |||||||
金曲村 | 明治8年 金田村 | ||||||
夷田新田村 | |||||||
壺下村 | 明治8年 壺楊村 | ||||||
楊枝村 | |||||||
関脇村 | 明治8年 関都村 | ||||||
都沢村 | |||||||
山潟村 | |||||||
酸川野村 | 明治8年 若宮村 |
吾妻村 | 吾妻村 | ||||
木地小屋村 | |||||||
大原新田村 | |||||||
小田村 | 明治8年 養蚕村 | ||||||
白木城村 | |||||||
内野村 | 明治8年 八幡村 |
長瀬村 | 長瀬村 | 昭和30年7月20日 猪苗代町に編入 | |||
明戸村 | |||||||
白津村 | |||||||
東舘村 | |||||||
堀切村 | 明治8年 三郷村 | ||||||
下館村 | |||||||
荻窪村 | |||||||
水沢村 | |||||||
幸野村 | 明治8年 川桁村 | ||||||
曲淵村 | |||||||
新屋敷村 |
人口
猪苗代町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
文化財・天然記念物
国指定
- 旧馬場家住宅(会津民俗館に保存)(重要文化財)
- 天鏡閣(重要文化財)
- 旧高松宮翁島別邸(現・福島県迎賓館)(重要文化財)
- 製蝋用具及び蝋釜屋(会津民俗館に保管)(重要有形民俗文化財)
- 会津藩主松平家墓所(保科正之墓所)(史跡)
- 猪苗代湖ミズスギゴケ群落(天然記念物)
- 見祢の大石(天然記念物)
- 猪苗代湖のハクチョウ及びその渡来地(天然記念物)
県指定
教育
小学校
- 猪苗代町立猪苗代小学校
- 猪苗代町立翁島小学校 (翁小)
- 猪苗代町立千里小学校
- 猪苗代町立長瀬小学校
- 猪苗代町立吾妻小学校
- 猪苗代町立緑小学校
中学校
- 猪苗代町立猪苗代中学校 (猪中)
- 猪苗代町立東中学校
- 猪苗代町立吾妻中学校
高校
この他、福島県立富岡高等学校国際スポーツ科のサテライトキャンパスが猪苗代高校に間借りする形で設置されている。
特別支援学校
産業
- 観光
- 農業(特に蕎麦栽培が盛ん)
郵便
- 猪苗代郵便局(集配局)
- 吾妻郵便局
- 猪苗代駅前郵便局
- 川桁郵便局
- 月輪郵便局
- 沼尻郵便局
- 野口英世の里郵便局
交通
猪苗代町は、福島県中通り地方と会津地方を結ぶ主要街道の中継地点として古来より交通の要衝として戦略上重要視されてきた。現在も福島市・郡山市と会津若松市の中間地点、また観光地裏磐梯への玄関口として交通上重要な役割を果たしている地域である。
鉄道
路線バス
高速バス
- 夢街道会津号(東京駅・バスタ新宿(新宿駅新南口) - 猪苗代駅・会津若松駅)<JRバス関東・会津乗合自動車の共同運行>
道路
港湾
- 翁島港(地方港湾、猪苗代湖)
観光
温泉
旧跡・名勝
- 母成峠:戊辰戦争中の会津戦争における激戦の地
- 小平潟天満宮
- 三忠碑(摺上原の戦いで敗れた蘆名氏の家臣3名の記念碑。古戦場跡に建つ。江戸時代に会津藩が建立)
- 猪苗代城跡(亀ヶ城、福島県指定史跡)
- 土津神社(会津藩主保科正之を祀る。奥の院には正之の墓所がある。)
- 天鏡台(昭和の森)
- 見祢の大石(国の天然記念物)
- 観音寺
- 磐椅神社(会津五桜の一つ・大鹿桜が境内にある)
- 天司の欅
- 達沢不動滝
- 福島県迎賓館:重要文化財。
猪苗代湖北岸の浜
観光スポット・博物館・資料館
スキー場
ゴルフ場
- ボナリ高原GC
- 猫魔ホテル猪苗代GC
特産品・催事・その他
- 蕎麦(特産品)
- 磐梯朝日国立公園
- 磐梯まつり
- おしんさんの嫁入り
- 猪苗代湖ハーフマラソン
施設
- 国立磐梯青少年交流の家 - 青少年用教育・研修施設。
- 天鏡閣 - 旧有栖川宮別邸、国の重要文化財。
- 福島県迎賓館 - 旧高松宮別邸、国の重要文化財。
- 猪苗代町総合体育館(愛称:カメリーナ)
- いわはし館
- 猪苗代町体験交流館(付属図書館)
当町が舞台となった作品
ドラマ
- いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(2016年、フジテレビ)- 主人公である曽田練の出身地
アニメ
出身有名人
- 野口英世 - 細菌学者
- 野口坤之 - 軍人
- 小林栄 - 教育者
- 猪苗代盛国 - 武将
- 猪苗代盛胤 - 武将
- 猪苗代兼載 - 連歌師
- 小林温 - 政治家
- 鈴木猛史 - チェアスキー選手
- 新妻駒五郎 - 政治家
- 原田覚 - 軍人
- 井上和郎 - 漫画家
- 逢初夢子 - 女優
- 菅沼守人 - 合気道家
その他
2009年にフリースタイルスキー世界選手権が猪苗代町で開催されたが、開催までには紆余曲折があった。契約書を全く理解せずに誘致するという組織委員会の不手際等で当初の財務計画5億7900万円をはるかに超える21億円以上の予算となることが発覚、開催地である猪苗代町の負担増は財政的にも不可能であり、福島県に差分を補填してもらう以外に手段は無いく非常に難しい情勢であったが、大会は予定通り3月2日から3月8日まで行われ、上村愛子が2個の金メダルを獲得するなど話題を集めた。(2009年フリースタイルスキー世界選手権参照)
脚注
外部リンク
典拠レコード: