狂犬病
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狂犬病(きょうけんびょう、英語: rabies)
狂犬病ウイルス感染による中枢神経系の感染症。恐水病ともいう。発病するとほぼ 100%死亡し,治療法がない。感染源はイヌ以外に,アライグマ,キツネ,マングースなどの哺乳類。感染した動物の唾液からヒトその他の哺乳類に伝染する。狂犬病ウイルスは向神経性ウイルスの一種で,毒性が強く,発病すると独特の神経症状を呈する。潜伏期は9日から数年で,通常は 20日から 60日程度。発病率は 32~64%。症状は頭痛,不快感,焦燥などの前期を経て,発熱,興奮期に入る。嚥下筋や呼吸筋の興奮が強く,水を飲むとき,または水を見るだけでも嚥下筋のけいれんを起こすために,恐水病といわれた。麻痺期,昏睡期を経て呼吸麻痺が起こって死亡する。長い間治療方法がなかったが,1885年フランスのルイ・パスツールが,初めて狂犬病ワクチンの製造に成功。日本では 1957年以降,狂犬病が発生していなかったが,1970年にネパールで感染した患者1人,2006年にフィリピンで感染した患者2人が帰国後に死亡した。