燕三条駅

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燕三条駅(つばめさんじょうえき)は、新潟県三条市下須頃にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)のである。

概要

燕市と三条市の市境に位置し、所在地は北側の燕市・南側の三条市にまたがっている。なお登記上は駅長室のある三条市を所在地としている(当駅の歴史も参照)。事務管コードは▲301185を使用している[1]

乗り入れ路線

上越新幹線と、在来線の弥彦線が直交する地点に所在し、両路線の接続駅である[2]

歴史

  • 1982年昭和57年)11月15日:上越新幹線 大宮駅 - 新潟駅間開通に際し、新幹線駅・在来線駅ともに開設(在来線駅は旅客扱いのみ)[2]
  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化によりJR東日本に移管。
  • 1988年(昭和63年):弥彦線ホーム改札口での改札業務を廃止し、改札部分を無人化(券売機と窓口での乗車券発売は継続しつつ、乗車駅証明書発行機を設置)。しかしその後、不正乗車などトラブルが頻発したため、昼間時間帯の列車発着時に限り、再び社員が配置されるようになる。
  • 2008年平成20年)3月15日:上越新幹線で「モバイルSuica特急券」のサービス開始。在来線もSuica新潟エリアとしてサービス開始。

駅設置の経緯

当駅は、上越新幹線開通に際して建設が決定した。上越新幹線の建設計画が立案された当初は新潟駅長岡駅を結ぶルートが大まかに決まっていただけであったが、駅の間隔が60キロ以上離れてしまうため、県央地域にも駅を作ることになり、当地周辺への建設が浮上したとされる。在来線の弥彦線と接続させることで、弥彦山弥彦温泉、さらに寺泊港などへの玄関口へとなることが期待された。しかし、燕市と三条市との激しい誘致合戦の結果、どちらかの市へ大きく偏ったルートにはしないことを基本に新幹線のルートを決めたことにより、建設地が燕市と三条市の境界上に位置することになったため、駅名を決めるにあたり難航することになる。

燕市・三条市には歴史的な確執もあり、駅名を付与する際には「新三条」・「新燕」・「燕三条」・「三条燕」など、複数の案を巡って両市の間で紛糾を極めた。一度は「三条」と「燕」の双方の都市名を駅名に織り込むことでとりあえず合意したものの、今度は燕と三条のどちらを先にするかで再び紛糾する事態に陥った。結局、田中角栄らの仲裁により、駅名は燕を先にした「燕三条」とし、駅長室を三条市側に配置して所在地を「三条市」とすることで最終的に合意した。三条市は当時の選挙区割りで田中が地盤としていた新潟3区となっていた(燕市は新潟1区)ため、その背景には政治的な意図があったともいわれているが、真相は定かではない(これに関しては鉄道と政治#駅名も参照)。また、営業キロは三条市側にある東三条駅のものを準用している。

行政区画上は、南北を貫く上越新幹線のホームは市の境界をまたいでおり(ただしGoogleYahooの地図を見ればわかるように新幹線ホームの半分以上は三条市側に属している)、東西に走る弥彦線ホームは北側の燕市側に位置している。当初の建設計画では新幹線・弥彦線とも同じ北側に改札口を設けることになっていたが、上記のような経緯から計画を変更し、改札口を別々に設ける形となった。

駅近くにある北陸自動車道インターチェンジの名称が、当駅とは逆に所在地が燕市にもかかわらず「三条燕」となっているのは、当駅の名称が「燕三条」であることに対する事実上のバーターであるといわれている。

駅構造

新幹線

3階にある単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線を有する高架駅である。中央に通過本線を挟み、そのポイントは高速走行試験による430km/hでの通過に対応している。改札口は2階南側にあり、自動改札機が3通路ある。Suicaに関してはモバイルSuica特急券と長岡 - 新潟間のSuica定期券に対応している。

通常のダイヤでは、東京方面の列車は島式本線側の12番線から発着する。外側の13番線は臨時ホームとなっており、通常は列車の停車はなく、ダイヤ遅延時等の停車・待避に使用されるほか、イベント等で長時間列車を留置させる際にも使用される。

のりば

番線 路線 方向 行先
11 ■ 上越新幹線 下り 新潟行き
12 上り 越後湯沢東京方面
13 (臨時ホーム)

在来線

地上部の築堤上に単式ホーム1面1線を有する地上駅[2]で、駅舎2階と接続する橋上構造となっている。ホームは島式構造だが北側の1面のみを弥彦線のりばとして使用している。交換設備の設置を想定して南側にも線路を敷設する用地が設けられているが、列車の走行に必要な設備は設置されていない。

無人駅扱い[2]で、ワンマン運転列車は先頭車両のみドアが開く自車扱い(後乗り・前降り)となる。改札口は2階北側にあり、簡易Suica改札機が入場用・出場用各1台、自動券売機1台(簡易式。Suica・オレンジカードなどは使用不可だが、新幹線改札横のタッチパネル式券売機で使用可)などが設置されている。前述の通り無人駅扱いだが、早朝・深夜など一部時間帯を除き、列車発着前後に改札口に社員が配置される場合がある。

駅舎の構造上、両線の改札口は別になっており、連絡改札口も設けられていないため、乗り換える利用客は一旦改札口を出る必要がある。ただ両者の乗り継ぎは列車や時間帯によって大幅なばらつきがある。

駅設備

直営駅駅長配置)で、駅員が終日配置されている。周辺駅を管理する地区管理駅を兼ねており、弥彦線の全駅と、越後線妙法寺駅 - 巻駅間、信越本線帯織駅 - 保内駅間の、それぞれ直営駅を除く各駅を統括管理している[注 1]

駅舎2階には乗車券の販売設備としてみどりの窓口(営業時間 5時50分 - 22時00分)・自動券売機2台(みどりの窓口横:タッチパネル式1台、弥彦線改札口横:簡易式1台)・指定席券売機3台、うち1台はクレジットカード決済専用機(みどりの窓口横、営業時間 5時30分 - 23時50分 23時以降はインターネット予約の受け取り不可)があるほか、旅行センター「びゅうプラザ燕三条駅」(営業時間 10時00分 - 17時30分、日曜・月曜・祝日は定休・海外旅行非取扱店)・待合室・燕三条駅観光物産センター「燕三条Wing」・コンビニエンスストアNEWDAYS」(営業時間 6時00分 - 21時45分)・自動販売機・立食いそば店・トイレなどが設置されている。

かつては駅弁も販売されていた(後述)。立食いそば店のメニューにはそばうどん以外に、2013年までの一時期中華麺にそば・うどんのつゆをかけた「和風中華」も供されていた(現在は発売なし)。駅舎1階には喫茶店・交番三条警察署燕三条駅交番)・トイレ・レンタカー受付などが設置されている。なお、改札口など駅構内数箇所に自動体外式除細動器(AED)が設置されている。

駅舎1階には両市を放送地域とするコミュニティFM局燕三条エフエム放送(ラヂオは〜と)の本社兼スタジオが1998年(平成10年)の開局以来置かれていたが、2014年(平成26年)4月、燕市大曲の燕交通公園内へ移転した。移転後は旧スタジオ及び事務所部分が閉鎖され、放送観覧スペースだった部分が待合スペースとして開放されている。駅開業から同局の入居まではこの部分は団体待合室だった。

駅弁

2013年までは2階北側の弥彦線改札口手前で新津駅の駅弁業者三新軒と新発田三新軒の調製による一部の駅弁が販売されていた。

開業当時当駅に駅弁専門売店を設置したのは新津駅の駅弁業者である三新軒で、旧店名は「ときの店」であった。これは新幹線開業に伴って新津駅を経由する優等列車の本数が減少したことから、顧客の新規開拓も兼ねて当駅構内に売店を出店したのがその始まりである。1990年代には駅弁販売を廃止して単なる売店として運用された時期や新潟地区の構内営業事業者である新鉄構内営業の運営となった時期もあった。2008年3月に売店の営業権を日本レストランエンタプライズ (NRE)に譲渡し店名はNREが運営する駅弁専門の売店「駅弁屋 燕三条店」となり、午前9時から午後7時まで駅弁などを販売、三新軒は商品供給のみとなった。

しかし2009年7月に「駅弁屋」は閉店、以後は売店近くの2階コンコース西側にあったNREの立ち食いそば店「藪園」で販売されていたが、2013年4月にJR東日本新潟支社管内のNRE店舗の多くが新潟支社の関連会社のトッキーに移管された際に「藪園」もこの対象となり店舗名称を「燕三条庵」に改称、「和風中華」がメニューから消えるなどの取扱商品の見直しの中で駅弁販売も終了した。

1階の喫茶店「四季」も同時にトッキーに移管されている。

以下は販売されていた商品。

  • SL浪漫弁当
  • SLキップ弁当
  • 雪だるま弁当
  • 鮭の焼漬弁当
  • まさかいくらなんでも寿司

なお新幹線・弥彦線とも、開業以来ホームを含む改札内では駅弁の販売は行われていない。

利用状況

  • 2017年度の1日平均乗車人員は2,285人である。近年の推移は以下のとおり。
一日平均乗車人員推移
年度 在来線 新幹線
2000 2,166
2001 2,242
2002 2,203
2003 2,229
2004 1,997
2005 2,186
2006 2,132
2007 2,178
2008 2,144
2009 1,990
2010 1,954
2011 1,993
2012 2,142 1,736
2013 2,196 1,769
2014 2,466 1,759
2015 2,200 1,742
2016 2,232 1,770
2017 2,285 1,831

駅周辺

駅舎を挟んで西側が燕口、東側が三条口となっている。各々にロータリーがあり、駅前広場やバス・タクシー乗り場、駐車場などが、ほぼ同じサイズで設けられている。

当駅は上越新幹線開通の際に新設された駅で、新幹線開通当初の駅周辺には水田が広がり、北陸自動車道・国道8号が通る程度で、商店・住宅とも少なかった。その後、2本の鉄道路線と3本の幹線道路に囲まれた好立地から開発が急速に進み、現在駅周辺にはロードサイド型の大型店舗が数多く林立するなど、三条・燕両市を中心とする県央地域の交通・経済の要衝として機能している。燕三条駅周辺地域であることからチェーン店舗の店名は所在する市に関わらず「燕三条店」と付けられるものが多いが、「燕三条」という町名があるわけではない。

三条口側

燕口側

バス路線

三条口広場のロータリー内に新潟交通グループの新潟交通観光バス越後交通の2社のバス停留所が設けられており、下記の路線バスコミュニティバスが発着している。バス停の名称は前者が「燕三条駅三条口」、後者が「燕三条駅前」だが、設置場所は同一である。

また燕口広場のロータリー内には、燕市のコミュニティバス「スワロー号」のバス停が設けられている。

燕三条駅三条口
  • 新潟交通観光バス
燕三条駅前
  • 越後交通
    • 東三条駅前・大崎・長沢駅跡経由 八木ヶ鼻温泉
    • 東三条駅前・保内経由 加茂駅
    • 地場産センター経由 燕駅
    • 分水駅前・横田・渡部経由 寺泊車庫
    • 〔無料バス〕弥彦競輪場
      同競輪場の開催日・場外発売日のみ運行。無料で乗車できるが途中停留所では降車できない。
    • 三条市内循環バス「ぐるっとさん」南コース
      • 〔大崎先回り〕消防署前・市役所経由 東三条駅前
      • 〔地場産先回り〕地場産センター・済生会病院・本成寺・月岡・大崎経由 東三条駅前
      平日は大崎先回り4本、地場産先回り2本。土曜・休日・お盆(8月14日から16日)・年末年始(12月29日から1月3日まで)は各2本。元日(1月1日)は全便運休。
燕三条駅(燕口)
  • 燕市循環バス「スワロー号」(越佐観光バスが運行)
    • 燕労災病院・県立吉田病院・燕市役所・道の駅国上・てまりの湯経由 長辰
      平日5往復。上記の他に燕駅・西燕駅・吉田駅・粟生津駅・分水駅を経由する。土曜・休日と年末年始(12月29日から1月3日まで)は運行しない。
      なお長辰を朝に始発する1号・3号はてまりの湯、道の駅国上を通過。また、てまりの湯の休館日(第2・4月曜。祝日の場合は翌日)は全便通過。

このほか高速バスのうち旧ツアーバス路線を運行する各社が、三条口側近隣に共同停留所を設置している。

燕三条駅三条口
三条口広場内ではなく、三条口交差点南側の市道上(燕三条駅第二駐車場向かい側)に設けられている。

新潟交通・越後交通などが運行する一般の高速路線バスについては当駅敷地周辺から発着する路線はなく、いずれも三条燕インターチェンジ内の停留所と、同インター出入口周辺の国道289号上の停留所からの発着となっている。ただし、越後交通などが運行する大阪・京都 - 柏崎・長岡・三条線は、当駅周辺には停留所を設置していない。

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
■上越新幹線
長岡駅 - 燕三条駅 - 新潟駅
弥彦線
燕駅 - 燕三条駅 - 北三条駅

脚注

注釈

  1. 3区間のうち直営駅(社員配置駅)は吉田駅東三条駅の2駅で、その他の区間内各駅は当駅の管理下にある。

出典

  1. 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「zeneki21」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません

関連項目

外部リンク