熊野交通
熊野交通株式会社(くまのこうつう)は、和歌山県新宮市を中心に路線バス事業、観光バス事業を行うバス事業者で、南海電鉄の連結子会社である。
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概要
1943年(昭和18年)に熊野合同交通株式会社が発足したのが起源である。
一般路線バスのエリアは、紀伊半島の南東部にある和歌山県新宮市の紀勢本線新宮駅を中心として、那智勝浦町までと、 熊野本宮大社にかけて広がっている。
かつては一部の路線が三重県熊野市鬼ヶ城付近まで伸びていたが、現在は三重県内を走行する路線は有していない。
後述の瀞八丁・玉置口線のみ奈良県吉野郡十津川村内にバス停があるが、他の路線はすべて和歌山県内(東牟婁郡・新宮市・田辺市)を通っている。
社章は南海グループ統一マークでは無く、八咫烏を使用。会社ロゴは明朝体を使用(バス車体後部に書かれる会社名表記も全て明朝体を使用している)。
瀞峡観光船を保有し、グループ会社の熊交商事株式会社と共同で瀞峡観光事業を推進している。
営業所
- 本社営業所 (新宮市)
- 新宮駅前出札所 (JR新宮駅前)
- 志古船舶営業所 (新宮市)
- 勝浦営業所 (那智勝浦町: 勝浦オークワのショッピングパーク店の横。車庫がある)
- 勝浦駅前出札所 (JR紀伊勝浦駅前)
- 那智山観光センター(那智勝浦町)
役員
- 取締役社長(代表取締役) 岡嶋信行(熊交商事株式会社取締役社長兼務)
- 取締役統括部長 和田純一(熊交商事株式会社取締役統括部長兼務)
- 取締役営業部長 藪田昌孝(熊交商事株式会社取締役営業部長兼務)
- 取締役 尾崎孝
- 取締役 下川俊樹
- 取締役 寺本静生(株式会社熊野新聞社 取締役会長兼務)
- 取締役 山形伸生(南海電気鉄道株式会社 グループ事業室部長兼務)
- 監査役 遠北光彦(南海電気鉄道株式会社 取締役兼務)
- 監査役 杉本晴之(南海電気鉄道株式会社 監査部調査役兼務)
株主
- 発行済株式数 12,460,000株
- 株主数 236名
- 大株主
株主 | 持株数 | 比率 |
---|---|---|
南海電気鉄道株式会社 | 11,781,494株 | 94.55% |
寺本静生 | 27,200株 | 0.22% |
尾崎孝 | 14,400株 | 0.12% |
井本盛博 | 13,000株 | 0.10% |
奥田和代 | 12,900株 | 0.10% |
井谷泰造 | 10,680株 | 0.09% |
小仮大典 | 9,965株 | 0.08% |
尾崎勝 | 9,600株 | 0.08% |
丸山政行 | 8,400株 | 0.07% |
髙野幸男 | 8,398株 | 0.07% |
乗合バス事業
現行路線
※新勝線・川丈線は、地域間幹線系統として、国・和歌山県の補助を受ける。
- 71番 特急バス 勝浦本宮線 (熊野古道アクセスバス)
- 11番 新勝線 (黒潮公園経由)
- 新宮駅 - 権現前 - 新宮高校前 - 橋本 - 三輪崎 - 黒潮公園前 - 佐野上地 - 宇久井駅 - 那智駅 - 紀伊勝浦駅
- 15番 新勝線 (市立医療センター経由)
- 新宮駅 - 権現前 - 新宮高校前 - 橋本 - 三輪崎 - 新翔高校前 - 市立医療センター - 宇久井駅 - 那智駅 - 紀伊勝浦駅
- 17番 新勝線 (新翔高校前経由経由)
- 新宮駅 - 権現前 - 新宮高校前 - 橋本 - 三輪崎 - 新翔高校前 - 佐野上地 - 宇久井駅 - 那智駅 - 紀伊勝浦駅
- 23番 市立医療センター線
- 新宮駅 - 権現前 - 新宮高校前 - 三輪崎 - 新翔高校前 - 市立医療センター
- 25番 市立医療センター線
- 51番 川丈線 (請川柿経由)
- 新宮駅 - 権現前 - 新宮高校前 - 相賀口 - 神丸 - 志古 - 宮井大橋 - 敷屋大橋 - 請川 - 請川柿 - 大日越登り口 - 本宮大社前
- 53番 川丈線 (川湯・湯の峰温泉経由)
- 57番 高田線
- 新宮駅 - 権現前 - 新宮高校前 - 相賀口 - 相賀 - 高田
- 61番 新宮小口線・神丸小口線
- 新宮駅 - 権現前 - 新宮高校前 - 相賀口 - 神丸 - 赤木 - 小和瀬 - 小口
- 63番 小口線
- 志古 - 神丸 - 赤木 - 小和瀬 - 小口
- 65番 小口線
- 神丸 - 赤木 - 小和瀬 - 小口
- 31番 那智山線
- 篠尾線
- 神丸 - 志古 - 宮井大橋 - 敷屋大橋 - 西敷屋 - 篠尾
- 瀞八丁・玉置口線
- 神丸 - 志古 - 宮井大橋 - 玉置口 - 瀞八丁
- 新宮市内線 (こみゅにてぃばす)
- 新宮駅 - オークワ新宮仲之町店前 - 市役所前 - 振興局前 - 橋本 - イオン新宮店前 - 下田三丁目 - 清水元 - 近大新宮高校前 - 田鶴原 - 蓬莱小学校前 - 新宮駅
- 新宮市内線 (ふれあいばす)
- 促進住宅前 - 権現前 - 谷王子 - 新宮駅 - 市役所前 - 振興局前 - 橋本 - イオン新宮 - 下田三丁目 - 清水元 - 松山団地前 - 広角市営住宅前
過去に存在していたバス路線
- 関西空港 - 白浜・勝浦・新宮 (後に明光バス、関西空港交通が白浜までに短縮、後に廃止)
- 新宮駅 - 熊野大橋 - 鵜殿駅前 - 阿田和駅前 - 神志山 - 有馬 - 獅子岩 - 熊野市駅 - 新町 - 鬼ヶ城
- 太地町内経由 新宮駅 - 潮岬
- 川丈線
- 本宮大社前 - 土河屋 - 十津川温泉 - 折立 (新宮駅 - 本宮大社前は2018年現在も存続)
- 勝浦駅 - 勝浦桟橋前 - 臨海通り - 那智駅 - 宇久井港
- 古座駅 - 役場前 - 一枚岩 - 松根
- 古座駅 - 役場前 - 滝の拝 - 田川
- 串本駅 - 大島港 - 峰地 - 樫野灯台口
- 串本駅 - 出雲 - 青少年の家
- 串本駅 - 田並 - 和深 - 雨島 - 江住
- 串本駅 - 上野 - 潮岬
- 堂道 - 串本駅 - 潮岬
- 新宮・潮岬線
※2015年9月30日に廃止。10月1日から、串本駅から潮岬までの間は、串本町コミュニティバスに転換[1]。
車両
2010年3月31日現在、路線バスとしては42台のバス車両を保有する。うちノンステップバスは10台、低床バス(ここではノンステップバス、ワンステップバス、スロープ付きバスを指す)は10台[2]。親会社の南海バスグループから移籍してきた車両も少なからずあり、それらの車両は塗装を変えることなく、南海のロゴを消して社紋を八咫烏に取り替えただけで使用されている。
観光船事業
吉野熊野国立公園の一部である北山川の大渓谷、瀞峡(瀞八丁)を時速40kmで航行するウォータージェット船によって観光できる。
- 瀞峡観光ウォータージェット船
- 志古乗船場 - 瀞峡 - 田戸乗船場 - 小川口乗船場 - 志古乗船場
基本的に志古〜新宮間の同社のバスも含めた往復一体型の乗船を受け付けているが、予約をすれば田戸→志古などの片道乗船も可能。また、多少の待ち時間も含めれば瀞八丁バス停(田戸乗船場に接続)と十津川村を結ぶ十津川村営バスなどによる乗り継ぎも可能になっている。
観光バス事業
2つの定期観光コースがある。
グループ会社
- 熊交商事株式会社
歴史
- 1943年(昭和18年) 11月1日、熊野川飛行艇株式会社、那智登山自動車株式会社が合併し、熊野合同交通株式会社が発足
- 1943年(昭和18年) 12月12日、熊野合同交通株式会社が和深自動車株式会社、古座川自動車株式会社、串本自動車組合、太地青年同志会、熊野中央自動車株式会社と合併
- 1945年(昭和20年) 5月8日、熊野交通株式会社に社名変更
- 1955年(昭和30年) 3月10日、株式会社熊野観光社を設立(熊交商事株式会社の前身)
- 1961年(昭和36年) 5月28日、本社社屋が火災により焼失>
- 1979年(昭和54年) 9月8日、那智山スカイライン開通
- 1996年(平成8年) 9月7日、関西空港 - 白浜・勝浦・新宮の高速バス路線を関西空港交通株式会社と共同で開設
- 2000年(平成12年) 3月1日、関西空港 - 白浜・勝浦・新宮の高速バス路線を廃止
- 2006年(平成18年) 9月30日、鬼ヶ城線を廃止し、三重県内の路線から撤退
- 2007年(平成19年) 4月1日、那智山スカイラインを和歌山県へ無償譲渡
- 2015年 (平成27年) 10月1日、新宮潮岬線、江住線などを廃止し、すさみ町、串本町内の路線から撤退
- 2017年 (平成29年) 6月12日、本社ビルの建て替え工事に着手
- 2017年 (平成29年) 9月30日、川丈線の本宮大社前 - 土河屋の区間を廃止し存続区間も減便、熊野本宮は大日越登り口に、竹田前は道の駅熊野川に改称
- 2018年 (平成30年) 1月15日、新本社ビルでの営業を開始
- 2018年 (平成30年) 2月1日 熊野外国人観光客交通対策推進協議会の提言を受け、一部路線を除き系統ナンバリングを導入すると共に停留所名を変更
脚注
- ↑ [1]串本町「コミュニティバス」
- ↑ 和歌山県内のバスの状況 2010年3月31日現在 (PDF, 和歌山県企画部地域振興局総合交通政策課(出典:近畿運輸局和歌山運輸支局調べ))