湖南市
湖南市(こなんし)は、滋賀県の南部(甲賀地方)に位置する市。
Contents
概要
- 野洲川に沿うように国道1号とJR草津線が走り、東西交通の要衝となっている。江戸時代には東海道51番目の宿場町である石部宿が栄えた。しかし、保存活動等をしてこなかったため、当時の面影は残っていない。戦後は、高度経済成長とともに、隣接する栗東市(当時:栗東町)の名神高速道路栗東インターチェンジと竜王町の竜王インターチェンジを活用して、県内最大の工業団地である「湖南工業団地」が造成され、産業構造が第二次産業に大きくシフトした。滋賀県は相対的に県南部が人口の増加傾向、県北部は減少傾向が見られるが、位置的には県南部である湖南市は甲賀市とともにここ数年来は人口が緩やかに減少傾向である。
- 市観光協会を中心に「こにゃん市」と銘打った町おこしを行っている。2011年4月、市内在住者の飼い猫17匹から「市長」を選ぶ「こにゃん市長選挙」がインターネット上で行われ、初代こにゃん市長には「ぎん」が選ばれた(副市長は「にゃんちゅう」)。6月には「こにゃん市議会議員選挙」が行われ、センターで保護されている猫6匹が「市議」に選ばれた。
地理
- 滋賀県南部のほぼ真ん中に位置し、旧甲賀郡の西部にあたる。心臓のような形をした市域は、のどかな山並みに囲まれており、琵琶湖に注ぐ最大の河川である野洲川が東西に流れ、市域を南北に分けている。そのため、湖南市内の野洲川に架かる橋は現在7つある。
- 市南部に連なる山地は、西から順に、阿星山(693.1m)、美松山(227.3m)、人星山(600.1m)、大納言(550.5m)、風呂山(596.1m)、烏ヶ嶽(485.7m)、鹿が谷(231.3m)、横田山(234m)と続き、最東端の伝芳山に至る。この山並みの南は栗東市や甲賀市となる。市北部には、岩根山(405.5m)から西へ龍王山(353.3m)へと至る山系があり、その北部は竜王町や野洲市と接している。これら両山系の間を東から西に流れ、琵琶湖に注ぐのが野洲川で、両山系からは多くの河川が流れ込んでいる。
広袤(こうぼう)
国土地理院地理情報によると湖南市の東西南北それぞれの端は以下の位置となっている。 市役所付近を北緯35度線が通っており、東庁舎(旧甲西町役場)にモニュメントが設置されている。 また、他に市役所付近を北緯35度線が通過する自治体としては、江津市・新見市・西脇市・京都市・大津市・大府市・静岡市・館山市などが存在する。
北端 東経136度03分24秒北緯35.05694度 東経136.05667度 ↑ |
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西端 東経136度02分06秒北緯35.01389度 東経136.035度← |
市役所 東経136度05分06秒北緯35.00417度 東経136.085度 |
東端 →東経136度08分32秒北緯35.025度 東経136.14222度 |
↓ 南端 東経136度06分36秒北緯34.94667度 東経136.11度 |
沿革
隣接自治体
- 市域の東部から南部にかけては、合併までともに旧甲賀郡であった甲賀市が隣接する。湖南市と甲賀市は「甲賀広域行政組合」において消防や衛生業務を、「公立甲賀病院組合」において病院業務を共同経営している。市域の北に隣接する蒲生郡竜王町は下田地区との交流が深く、現在はダイハツ滋賀工場が市町境を跨って立地する。市域の北西には野洲市があり、菩提寺の新興住宅地に住む市民は東海道本線野洲駅を利用することが多い。野洲市、竜王町と湖南市は、「野洲・湖南・竜王総合調整協議会」を設けて2市1町に共通する広域課題を調査研究している。市域の西で接する栗東市は歴史的に石部地区とのつながりが深いこともあり、両市で「栗東湖南広域行政協議会」を設置して連携を強めている。
観光
主な名所
- かつての宿場
- 湖南三山 - 飛鳥から奈良朝中期に建立された天台寺院で国宝指定された建築物が湖南市内に3か寺あることから付けられた名称。
- 神社
- 自然
その他の名所
寺院
- 妙感寺 (三雲)
- 永照院 (三雲)
- 了安寺 (夏見)
- 慶應寺 (針)
- 南照寺 (平松)
- 西照寺 (平松)
- 正念寺 (菩提寺)
- 西應寺 (菩提寺)
- 菩提禅寺・廃少菩提寺 (菩提寺)
- 正福寺 (正福寺)
神社
- 旧跡
- 磨崖不動明王: 花園など
- 三雲城跡: 吉永
- 天保義民碑(近江天保一揆): 三雲
資料館など
特産品
祭り・イベント
祭礼行事
イベント
- 湖南市夏まつり(8月)
- さくら祭り(4月)
- 石部宿まつり(10月)
- 東海道ウォーキングみちくさコンパス(11月)
交通
道路
- 主に野洲川の南側を走る旧国道1号は片側1車線で歩道未整備区間も長く、1日28,000台という通過車両数はすでに飽和状態に達し、深夜帯以外はほぼ終日渋滞続きという状態であった。そのため、バイパスとして甲賀湖南道路が野洲川北岸に建設され、2007年~2016年にかけて湖南市岩根から栗東市の小野ランプまでの区間が開通した(これに伴い、2016年4月1日には並行する旧国道1号の石部大橋交差点から朝国交差点までが国道から除かれ、それまで重複路線であった県道4号と県道13号に表示が改められた)。
- 甲賀湖南道路の一部である栗東水口道路は、2007年3月に片側1車線での暫定供用が開始された。同時に県道野洲甲西線も改良された。
- 市域には、北西部をかすめるように名神高速道路が走り、菩提寺PAが設置されている。市内にインターチェンジは設置されていない。最寄ICとなるのは名神高速道路竜王IC(蒲生郡竜王町)と同栗東IC(栗東市)であったが、2016年3月、隣の栗東市(栗東ICよりも湖南市寄り)に名神京都方面と連絡するハーフICとして栗東湖南ICが設置された。合わせて一般道の栗東水口道路が西側に延伸され、新IC付近の栗東市六地蔵・小野地区と短絡された。
- 2009年7月には、市南部を東西に走る広域農道と、県道長寿寺本堂線を結ぶ市道南部中央線が開通し、東西の交通が改善。一方、南北の交通は、2004年9月に県道彦根八日市甲西線の野洲川架橋である新生橋が開通、2009年3月には県道竜王石部線・菩提寺地先のバイパス開通に加え、栗東水口道路の石部大橋が開通し、バイパス機能が向上した。
- 高速道路
- 名神高速道路
- 菩提寺PA
- 一般国道
- 滋賀県道・三重県道4号草津伊賀線(石部大橋交差点から草津市までは国道1号と重複)
- 滋賀県道13号彦根八日市甲西線
- 滋賀県道22号竜王石部線
- 滋賀県道27号野洲甲西線
- 滋賀県道53号牧甲西線
- 一般県道(都道府県道)
鉄道
- 中心となる駅:甲西駅
バス
滋賀交通の乗合バスがJR野洲駅(野洲市)から湖南市北西部の菩提寺と北山台で折り返している。また、若干であるが、水口(甲賀市)方面へ行くバスもある。市の北部を通る名神高速道路菩提寺パーキングエリアに京都と名古屋を結ぶ高速バスが停車する。その他、湖南市が滋賀交通子会社の滋賀バスに運行委託した湖南市コミュニティバス(めぐるくん)が走っている。過去には草津駅と水口を結ぶ、国鉄バスや滋賀交通バスが国道1号で運行されていた。
人口
湖南市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
市政
- 市長
- 市長部局
- 「湖南市事務分掌条例」に基づき、総務部(総務課、企画課、財務課、税務課)、市民生活部(市民課、人権政策課、地域創生推進課、生活環境課)、健康福祉部(健康政策課、社会福祉課、高齢福祉課、子育て支援課、保険年金課、地域医療推進課)、産業建設部(土木建設課、産業振興課、都市計画課、上下水道課)の4部が設置されている。
市庁舎
旧甲西町役場を東庁舎、旧石部町役場を西庁舎として使用。教育委員会は西庁舎に置かれている。
- 湖南市役所東庁舎
〒520-3288 湖南市中央一丁目1番地
- 湖南市役所西庁舎
〒520-3195 湖南市石部中央一丁目1番1号
議会
- 湖南市議会は、2004年10月1日の市発足と同時に発足し、合併前の旧石部町議会議員16名および旧甲西町議会議員20名の計36名が在任特例により市議会議員となった。同年10月8日に初議会を開き、議長に矢野進次、副議長に中野栄徳を選出した。最初の議員の任期は2005年10月31日までの1年1か月であった。
- 合併後初めての市議会議員選挙は、2005年10月16日に告示され、26人(現職23人、新人3人)が立候補した。10月23日投開票され、24人が当選(現職21人、新人3人)、2005年11月7日に初議会が招集され、議長に立入勲、副議長に福島清彦を選出した。
- 議員報酬は2007年4月から引き上げられ、議会改革の一環として、2007年12月4日に定数を4削減し20とする条例案が可決され、2009年7月24日には議場のインターネット中継を行うための予算案が可決された。さらに2013年10月27日の選挙から、定数を2削減し18としている。
広域行政
国政・県政
国政
衆議院の選挙区
県政
- 湖南市選挙区・・・湖南市単独で一つの選挙区。定数2
市営施設
スポーツ
- 体育館・グラウンド
- 湖南市総合体育館:夏見
- 湖南市雨山体育館:雨山
- 湖南市水戸体育館(旧・勤労者体育センター):梅影町
- 湖南市民グラウンド:梅影町
レジャー
- 浴場・プール
- 十二坊温泉ゆらら:岩根
- 湖南市立雨山市民プール:雨山
- 公園
- 野洲川親水公園:夏見
- じゅらくの里:東寺・西寺
宿泊研修
- 湖南市青少年自然道場:吉永
カルチャー
- 文化ホール
- 湖南市甲西文化ホール
- 湖南市石部文化ホール
- 図書館
- 湖南市立甲西図書館
- 湖南市立石部図書館
子ども・教育
幼稚園
- 公立
- 湖南市立菩提寺幼稚園
- 湖南市立石部幼稚園
- 湖南市立石部南幼稚園
- 私立
- 学校法人光星学園ひかり幼稚園
- 学校法人光星学園水戸幼稚園
- 学校法人光星学園三雲幼稚園
保育所
- 公立
- 湖南市立下田保育園
- 湖南市立水戸保育園
- 湖南市立岩根保育園
- 湖南市立菩提寺保育園
- 湖南市立三雲保育園
- 湖南市立平松保育園
- 湖南市立石部保育園
- 湖南市立阿星保育園
- 私立
- あしほ保育園
- 甲西あかつき保育園
- 菩提寺優愛保育園モンチ
学校
- 小学校
- 湖南市立下田小学校(下田)
- 湖南市立水戸小学校(水戸町)
- 湖南市立岩根小学校(岩根)
- 湖南市立三雲東小学校(三雲)
- 湖南市立三雲小学校(夏見)
- 湖南市立菩提寺小学校(菩提寺)
- 湖南市立菩提寺北小学校(菩提寺)
- 湖南市立石部小学校(石部中央)
- 湖南市立石部南小学校(丸山)
- 中学校
- 湖南市立日枝中学校(岩根:下田・水戸小学区)
- 湖南市立甲西中学校(針:三雲・三雲東小学区)
- 湖南市立甲西北中学校(正福寺:岩根・菩提寺・菩提寺北小学区)
- 湖南市立石部中学校(宝来坂:石部・石部南小学区)
- 高等学校
- 滋賀県立甲西高等学校(針)
- 滋賀県立石部高等学校(丸山)
- 特別支援学校
- 滋賀県立三雲養護学校(柑子袋)
市内の主な企業
湖南市に本店を構える企業
- ナカザワ
- 潮
- 湖南鈑金
- 甲西陸運
市内に事業所を構える企業
- あ行 : 葵機械工業 旭計器工業 岩谷化学工業 王子エフテックス 近江興産 大塚食品
- か行:カルビー湖南 関西電気冶金工業 共栄工業 クボタ 群栄化学工業 ケイミュー 甲賀高分子 甲賀精密鋳造 ゴーシュー コカ・コーラウエスト
- さ行:サンロジスティックス サクラ食品工業 シンコーメタリコン 新日本機械工業 住軽加工 住友電工プリントサーキット センカ
- た行:ダイクレ 大宝工業 ダイナム 大和化成 タカラベルモント タキイ種苗 タキロンシーアイ 谷坂鉄工所 寺嶋工業所 デンヨー 東京鋼鐵工業 TOTO 藤堂製作所 東洋ガラス 東レペフ加工品
- な行:中川ヒューム管工業 中西金属工業 中西輸送機 ナス鋼帯 ナストーア 西日本パイル 西村建設 日光化成 日精工業 日鉄住金鋼板 日本カロライズ 日本クレア 日本鋼弦コンクリート 日本紙管工業 日本精工 日本電気化学工業所 日本ネットワークサポート 日本ポリスター ネオス
- は行:ハセック 富士電波工業 藤森工業 阪神工業
- ま行:マツバ マルエス 丸善 三菱自動車工業
- や行:山崎機械製作所 やまじょう ヤンマー UACJ金属加工
- ら行:利昌工業
公的機関
警察
甲賀警察署(甲賀市)の管轄。
- 交番
- 甲西駅前交番(平松)
- 石部交番(石部東)
- 下田交番(梅影町)
- 駐在所
- 三雲警察官駐在所 (三雲)
- 菩提寺警察官駐在所 (菩提寺)
消防
- 甲賀広域行政組合 湖南中央消防署の管轄。石部に湖南石部分署が設置されている。
司法
郵便
- 郵便局(日本郵便)
- 市内の集配局は、甲西郵便局である。
- 郵便番号
- 旧石部町域 〒520-31○○
- 旧甲西町域 〒520-32○○
金融機関
銀行
協同組織金融機関
農協・生協
- こうか農業協同組合
友好交流提携都市
北海道比布町
1894年10月、下田村出身の谷定徳が北海道旭川を尋ね、比布原野で植民地区画が行われていることを知り、翌1895年、下田の20戸を率いて自ら団長となり入植した。谷定徳が下田村を離れた理由には下田村の小学校移転問題が絡んでいたと伝えられるが定かではない。当初予定の30戸に満たないという理由で貸下げ地の大量返納が命ぜられたところに、第2次(13戸)、第3次(12戸)の移住があったが、後発組は小作人か屯田兵とならざるをえなかった。1898年6月、谷定徳は32歳の若さで死去し、谷定徳に頼れなくなった下田開拓団は一致協力して新たな開墾に立ち向かった。鷹栖村に属していた比布原野は独立の動きが生じ、1906年4月、二級町村制に基づく比布村が誕生した。比布村は1962年1月に町制を施行して比布町となり、1994年には「開基百年」を迎えた。それを契機に、開拓者で縁のある滋賀県・香川県・愛媛県との交流が始められ、下田村が合併した甲西町とは1998年に友好交流提携を行った。合併により湖南市となった後も、2004年12月に湖南市と比布町は改めて友好交流提携を再確認している。
ミシガン州セント・ジョンズ市
1995年7月、ミシガン州セント・ジョンズ教育委員会の一人が高校生海外相互派遣事業の引率教師として甲西町(当時)を訪問。それをきっかけに両市の交流が始まった[1]。
鳥取県北栄町
鳥取県北栄町は「名探偵コナン」の原作者青山剛昌の出身地であり、「名探偵コナン」を活かした町おこしで注目されている。2009年に湖南市で開かれた滋賀大学との共催シンポジウムで「こなん」つながりでの北栄町との連携が提案され、2010年夏から交流を進めていた。2011年3月28日、谷畑英吾湖南市長が松本昭夫北栄町長のもとを訪れ、両市町の友好交流提携および災害時相互応援協定について基本合意した[2][3]。同年7月2日に正式に友好提携都市となった[4]。
出身者
- 井上敬之助 - 政治家
- 奥村展三 - 政治家
- 西山克哉 - ロンドンパラリンピックセーリング競技代表
- 安蘭けい - 女優、元宝塚歌劇団星組男役トップスター
- 中村聖 - 元サッカー選手
- 中島静佳 - アナウンサー
- 吉川信幸 - 映画監督・広告プランナー
- キダユカ - ラジオパーソナリティー
- 田中幸 - プロスノーボーダー
- 山中慎介 - プロボクサー / WBCバンタム級世界王者
- 藤原昭 - サッカー選手
- 内林広高 - 元サッカー選手
- 堤早希 - サッカー選手
- 酒井悠基 - 元サッカー選手
- 松長朋恵 - サッカー選手
- 松長佳恵 - サッカー選手
- 坪井安奈 - タレント、元編集者
- 坂本一輝 - サッカー選手
- 吉田実成都 - サッカー選手
- 奥村展征 - プロ野球選手
- 西村凌 - プロ野球選手
脚注
- ↑ セントジョンズ市との国際交流. 湖南市ホームページ. 2011年3月28日閲覧.
- ↑ 交流:「名探偵コナン」青山さん出身地・鳥取県北栄町と湖南市が合意 / 滋賀 - 毎日新聞地方版、2011年4月8日。
- ↑ 「名探偵コナン」が橋渡し 湖南市が鳥取・北栄町と友好提携 - 京都新聞、2011年04月05日。
- ↑ 滋賀県湖南市との交流について、北栄町、2013年12月11日閲覧。
外部リンク
野洲市 | 蒲生郡竜王町 | |||
栗東市 | 北 | 甲賀市 | ||
西 湖南市 東 | ||||
南 | ||||
甲賀市 |