淡路駅
淡路駅(あわじえき)は、大阪府大阪市東淀川区東淡路四丁目に所在する、阪急電鉄の駅。駅番号はHK-63。2018年現在、高架工事中である。通勤特急以外の全種別が停車する。
京都本線と千里線が交差する駅で、両路線の乗換駅である。現在は阪急電鉄の駅のみだが、2019年に延伸開業予定の西日本旅客鉄道(JR西日本)おおさか東線・JR淡路駅も設けられ、阪急とJR西日本の乗換駅となる予定。
Contents
歴史
- 1921年(大正10年)4月1日 - 北大阪電気鉄道の十三駅 - 当駅 - 豊津駅間開通と同時に開業[1]。
- 1923年(大正12年)4月1日 - 路線譲渡に伴い新京阪鉄道の駅となる[1]。
- 1925年(大正14年)10月15日 - 天神橋駅(現在の天神橋筋六丁目駅) - 当駅間開業[1]。
- 1928年(昭和3年)1月16日 - 当駅 - 高槻町駅(現在の高槻市駅)間が開業[1]。
- 1930年(昭和5年)9月15日 - 会社合併に伴い京阪電気鉄道の駅となる[1]。この時、 京都西院駅(現在の西院駅) - 当駅 - 天神橋駅間が新京阪線、十三駅 - 当駅間が十三線、当駅 - 千里山駅間が千里山線とされる。
- 1943年(昭和18年)10月1日 - 戦時合併に伴い京阪神急行電鉄(現在の阪急電鉄)の駅となる[1]。
- 1949年(昭和24年)12月1日 - 京阪電気鉄道を分離。新京阪線は当社に残り、京都本線に改称される[1]。
- 1954年(昭和29年)3月30日 - 1号線廃止。
- 1959年(昭和34年)2月18日 - 線路名称再編。京都本線の当駅 - 天神橋駅間が千里山線に、十三線が京都本線とされる[1]。
- 1967年(昭和42年)3月1日 - 千里山線が千里線に改称される[1]。
- 1969年(昭和44年)12月6日 - 大阪市営地下鉄堺筋線開業に伴い、北千里駅・高槻市駅までの相互直通運転開始。
- 2008年(平成20年)9月 - 高架化工事着工。
- 2018年(平成30年)度 - JR西日本おおさか東線・JR淡路駅との乗り換え駅となる予定。
駅構造
待避可能な島式2面4線のホームを有する地上駅。河原町寄りの東西双方に改札口が設けられており、各ホームは地下道で連絡している。
ホーム・改札口間の移動には、原則として階段を昇り降りしなければならなかったが、2006年3月に地下道とホームを結ぶエレベーターが設置された。
発車案内は上り・下り共にLED式のものが設置されている。2007年9月5日に更新されたもので、それまでは反転式のものが運用されていた。また、下りホーム(4・5号線)では朝のラッシュ時に発車ベルが使われており、4号線は高音タイプ、5号線は低音タイプが鳴動される。各線の起・終点駅以外で使われている唯一の駅である。
のりば
号線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
2・3 | ■京都本線 | 上り | 茨木市・高槻市・京都(河原町)・嵐山方面 |
■千里線 | 上り[注 1] | 吹田・山田・北千里方面 | |
4・5 | ■京都本線 | 下り | 十三・大阪(梅田)方面 |
■千里線 | 下り[注 2] | 天神橋筋六丁目・日本橋・天下茶屋方面 |
- 備考
- 信号機上では、外側の2号線と5号線が主本線となっている(一般的な阪急の各駅とは逆)。
- 京都本線と千里線は、進行方向ごとにホームを共有している。天神橋筋六丁目方より入る列車は、構造上2号線には進入できないため、原則として2号線が梅田方から、3号線が天神橋筋六丁目方からの列車が入線する。
- 1号線は欠番で、2号線の向かい(現在駅舎のある場所)にあった。古くは十三駅 - 当駅間が「十三線」と称する支線で、その頃に同線専用のホームとして存在していたが、1954年に撤去された[2]。
- 番号を修正していないのは、のりばが現行でも4つあり、案内に混乱が発生すること、平面交差(後述)による事故を防止するためとされている。1号線の廃止直後には、P-5形電車2両が事務所の代わりとして留置されていたこともある[2]。
配線図
↑ 吹田・北千里方面 | ||
← 梅田・十三方面 |
淡路駅構内配線略図 | → 河原町・嵐山方面 |
↓ 天神橋筋六丁目・天下茶屋方面 | ||
凡例 出典:川島令三、『東海道ライン 全線・全駅・全配線 第7巻 大阪エリア - 神戸駅』ISBN 978-479420498-1 12p、 講談社、2009年 ※ オーバークロスしている青線は城東貨物線 |
平面交差について
京都本線と千里線は、写真のように平面交差している。上下線共にホーム手前に複雑な分岐があり、駅構内では50km/h(または30km/h)以下の速度制限がかかる。当駅を唯一通過する通勤特急は、カーブが連続する上新庄駅 - 十三駅間でも特に速度を落とさなければならない場所となっており[注 3]、京都本線のダイヤ上の最大のネックでもある。
千里線の列車は、上下線共に早朝・深夜を除くほとんどの列車が京都本線の列車と到着時刻が近接している関係で、本線の列車を先に通すため、交差手前で信号待ちによる停車を余儀なくされている。
その一方で、上り同士・下り同士の普通の対面接続が終日行われている。このため、本線と千里線を跨いで移動する場合、乗車駅で直通列車に乗ることができなくても当駅で容易に乗り換えることができる[注 4]。なお、駅と路線の成り立ちの関係(#歴史を参照)から、京都本線と千里線が直交するのではなく、京都本線の十三駅から千里線の北千里駅へ向かう線路と、京都本線の河原町駅から千里線の天神橋筋六丁目駅へ向かう線路とがそれぞれ直線的な配線となっている。
- 阪急淡路駅上り方面平面交差.jpg
平面交差上り方面。左側が天下茶屋方面、右側が大阪(梅田)方面(2007年8月3日)
- 阪急淡路駅下り方面平面交差.jpg
平面交差下り方面。左側が北千里方面、右側が京都(河原町)方面(2007年8月3日)
- Awaji Sta. Senri line crossing over Kyoto Line.jpg
上り方面からの千里線列車が入線する様子。(2017年12月30日)
駅放送について
阪急電鉄の場合、通常、梅田ターミナル側を丸子由美が、神戸や宝塚、京都の各路線のターミナル側を片山光男が担当している。 しかし、淡路駅の場合、ホームが狭く、また、同時に入線するダイヤが多いため、外側主本線(2号線・5号線)を片山光男が、内側待避線(3号線・4号線)を丸子由美が担当している。 これは、阪急で唯一の例である。
利用状況
2016年(平成28年)度のある特定日の乗降人員は32,805人である。
各年度の1日平均乗降・乗車人員数は下表の通り。
年度 | 特定日 | 1日平均 乗車人員 |
出典 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
京都本線 | 千里線 | |||||
乗降人員 | 乗車人員 | 乗降人員 | 乗車人員 | |||
1990年 | 30,010 | 14,881 | 19,518 | 9,912 | 28,305 | [* 1] |
1991年 | - | - | 32,186 | |||
1992年 | 29,315 | 14,198 | 18,036 | 9,477 | 29,258 | [* 2] |
1993年 | - | - | 29,171 | |||
1994年 | - | - | 27,880 | |||
1995年 | 27,751 | 13,367 | 17,045 | 8,865 | 26,911 | [* 3] |
1996年 | 27,937 | 13,741 | 16,695 | 8,417 | 27,624 | [* 4] |
1997年 | 29,826 | 15,337 | 16,531 | 8,175 | 26,063 | [* 5] |
1998年 | 28,514 | 14,476 | 16,642 | 8,144 | 24,821 | [* 6] |
1999年 | - | - | 24,270 | |||
2000年 | 26,872 | 13,380 | 15,755 | 7,899 | 22,934 | [* 7] |
2001年 | 25,400 | 12,652 | 15,631 | 7,724 | 22,436 | [* 8] |
2002年 | 24,691 | 12,361 | 14,737 | 7,185 | 21,625 | [* 9] |
2003年 | 24,330 | 12,160 | 14,299 | 6,886 | 21,369 | [* 10] |
2004年 | 23,341 | 11,645 | 12,706 | 5,387 | 20,958 | [* 11] |
2005年 | 23,705 | 11,794 | 13,796 | 6,624 | 18,973 | [* 12] |
2006年 | 22,815 | 11,380 | 13,365 | 6,324 | 19,943 | [* 13] |
2007年 | 23,558 | 11,718 | 13,542 | 6,381 | 19,927 | [* 14] |
2008年 | 22,967 | 11,471 | 13,426 | 6,282 | 20,432 | [* 15] |
2009年 | 22,270 | 11,029 | 13,191 | 6,031 | 19,036 | [* 16] |
2010年 | 22,759 | 11,363 | 12,771 | 5,637 | 18,536 | [* 17] |
2011年 | 22,768 | 11,362 | 12,647 | 5,508 | 19,060 | [* 18] |
2012年 | 21,322 | 10,540 | 11,967 | 5,217 | 18,632 | [* 19] |
2013年 | 21,152 | 10,453 | 11,597 | 5,011 | 17,800 | [* 20] |
2014年 | 21,116 | 10,417 | 11,613 | 4,987 | 17,560 | [* 21] |
2015年 | 21,722 | 10,850 | 11,889 | 4,999 | 17,500 | [* 22] |
2016年 | 21,123 | 10,485 | 11,682 | 4,900 | 17,789 | [* 23] |
駅周辺
東西共に駅前は商店街で、その周辺に住宅街が形成されている。
- 淡路本町商店街
- 東淡路商店街(土地区画整理事業により2013年3月現在移転改築中)
- アカシヤ 淡路店(本社を併設)
- 阪急オアシス 淡路店(阪急ファミリーストアから業態転換)
- 東淀川区役所出張所
- 大阪市立東淀川図書館
- クレオ大阪北(大阪市立男女共同参画センター北部館)
- 淀川キリスト教病院 老人福祉施設(旧本病院)[注 5]
- 東淀川区老人福祉センター
- 淡路地域福祉・生活支援センター
- 東淀川東淡路郵便局
- 東淀川菅原七郵便局
- 東淡路南公園(徒歩5分。国鉄EH10形電気機関車61号機が静態保存されている。EH10形の保存機としては唯一である。)
阪急京都線・千里線連続立体交差事業
阪急京都本線3.3km(崇禅寺駅付近 - 上新庄駅付近)と阪急千里線3.8km(柴島駅付近 - 吹田駅付近)を高架にして、当駅における京都線と千里線の平面交差を解消し、17箇所の踏切を除去する事業[3]である。事業主体は大阪市で、2008年(平成20年)9月から工事に着手している。2024年度末に高架切替予定[4]。
新駅舎は4階建てで、現在の駅より若干南東側に移動する。駅の構造は、2階が改札とコンコース、3階が上りホーム、4階が下りホームとなる予定である[5]。これにより、京都本線と千里線は立体交差化され、ダイヤ上のネックも解消される予定である。駅は既存の2つの路線の他、駅のすぐ北側で高架になっているJRの城東貨物線(将来のおおさか東線)[注 6]と立体交差する必要があるため、駅舎は近年に同様の構造で高架化された京急蒲田駅の24mを超える約30mの高さになる。
主たる区間において、既存線を仮線に移動した土地に高架線を構築するのではなく、既存線を跨ぐ構造の「直上高架方式」が採られている[6]。
この事業に関連して、大阪市では駅の主に東側周辺で土地区画整理事業を進めている[7]。これは駅周辺に密集した老朽木造建物や狭い道路が多く防災上問題があったため、駅の高架事業を機に周辺を区画整理し、駅前に相応しい街と道路を整備するものである。
JRとの関係
現在、すぐ北側を走る城東貨物線が、2018年(平成30年)度に旅客線化され、おおさか東線(延伸部)として開業する予定である。同線にも当駅近くにJR淡路駅が設けられ、阪急とJRの乗り換え駅になる。
阪急新大阪連絡線
関西の新幹線のターミナル駅である新大阪駅に乗り入れていない阪急は、当駅や神戸本線の神崎川駅・十三駅から新大阪駅にアクセスする『阪急新大阪連絡線』を構想し、免許を取得していた。しかし、当駅や神崎川駅からの区間については2002年(平成14年)12月6日に免許を失効させた。
ただ、地元住民から新大阪へのアクセス改善を望む声が多かったため、阪急バスが2006年5月から当駅と新大阪駅を結ぶコミュニティバス『あいバス』を運行していたが[8]、「利用者の増加が見込めない状況にある」ことを理由として2008年3月31日で廃止された。
結果として、当駅 - 新大阪駅間を直接結ぶ役割は、2018年度に開業予定のJRおおさか東線が正式に担う運びとなっている。
隣の駅
- 阪急電鉄
- ■京都本線
- ■千里線
- ■準急(堺筋準急)
- 天神橋筋六丁目駅 (K11) - 淡路駅 (HK-63) - 上新庄駅(京都本線)(HK-64)
- ■普通
- 括弧内の英数字は駅番号を示す。
- 春・秋の行楽シーズンには、京都本線十三方面からの直通特急「あたご」「とげつ」、千里線と京都本線を直通する直通特急「ほづ」も運行され、当駅に停車する。停車駅等の詳細は阪急京都本線を参照のこと。
- ■準急(堺筋準急)
脚注
注釈
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 生田誠 『阪急京都線・千里線 街と駅の1世紀』 彩流社〈懐かしい沿線写真で訪ねる〉、2013年、4-6・14-15頁。ISBN 978-4-7791-1726-8。
- ↑ 2.0 2.1 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「hankyuworld4
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 阪急電鉄京都線・千里線(淡路駅付近)連続立体交差事業
- ↑ “阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業の事業期間の見直しについて”. 大阪市 (2015年10月13日). . 2015閲覧.
- ↑ 阪急京都線・千里線連続立体交差事業パンフレット3 (PDF, 563.78 KiB)
- ↑ 阪急京都線・千里線連続立体交差事業パンフレット4 (PDF, 789.95 KiB)
- ↑ 淡路駅周辺地区土地区画整理事業
- ↑ 「あいバス」が5月13日に運行を開始します (PDF)
利用状況の出典
- 私鉄の統計データ
- 大阪府統計年鑑
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成3年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成5年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成8年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成9年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成10年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成11年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成13年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成14年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成15年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成16年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成17年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成18年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成19年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成20年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成21年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成22年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成23年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成24年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成25年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成26年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成27年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成28年) (PDF)
- ↑ 大阪府統計年鑑(平成29年) (PDF)
関連項目
外部リンク
- 淡路駅(阪急電鉄)
- 阪急電鉄京都線・千里線(淡路駅付近)連続立体交差事業
- 大阪市市政 都市計画道路のパンフレット(阪急京都線・千里線連続立体交差事業のパンフレットが閲覧可能)