津和野町
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解説
明治維新前には津和野藩亀井氏の城下町であり、山間の小さな盆地に広がる町並みは、「小京都」の代表格として知られているほか、津和野駅はSLやまぐち号の終着駅でもあり、山口市・萩とセットで訪れる観光客が多い。
また、在日米軍基地のある岩国市からも車で訪れることが出来るため、基地職員や米軍兵士などといった外国人観光客も比較的多く見られる。
幕末期以降の廃仏毀釈と、長崎から配流されてきたキリシタンへ、改宗の強要が実施された歴史(浦上四番崩れを参照)があるほか、文豪森鴎外の出生地としてもしられている。
2005年9月25日、隣接していた日原町と合併(新設合併)し、新たに津和野町となった。町役場は合併前の日原町役場に置かれることとなった。
毎年7月末に行われる祇園祭の中で、街中を練り歩く鷺舞は津和野の代名詞であり、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
なお、2015年(平成27年)4月24日、文化庁は日本遺産の最初の18件の一つとして「津和野今昔 ~百景図を歩く~」を選んだと発表した。
地理
- Historical castle town Tsuwano.Aerial photograph.1976.jpg
津和野城下町周辺。1976年撮影。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。
- Tsuwano zenkei.JPG
太鼓谷稲荷神社から見た津和野町
隣接している自治体
人口
津和野町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
歴史
- 1282年 - 鎌倉幕府の御家人、吉見頼行が着任。
- 1295年 - 三本松城(津和野城)築城。
- 1324年 - 三本松城が完成。
- 1601年 - 備前宇喜多氏出身の坂崎直盛が3万石で初代津和野藩主となる。
- 1617年 - 因州鹿野城主亀井政矩が4万3千石で入城。
- 1868年 - 長崎の浦上キリシタンが配流され、弾圧される。各藩の中でも津和野藩の拷問は特に陰惨を極め、外国公使の抗議や岩倉使節団などの理解により停止するまで続いた。(浦上四番崩れ)
行政区域の変遷
- 1869年(明治2年)旧暦8月2日(9月7日) - 幕府領が大森県の管轄となる。
- 1870年(明治3年)旧暦1月9日(2月9日) - 大森県の管轄地域が浜田県の管轄となる。
- 1871年(明治4年)旧暦6月25日(8月11日) - 津和野藩が廃藩。全域が浜田県の管轄となる。
- 1872年(明治5年) - 鹿足郡内に3ヶ村存在した「畑村」のうち2ヶ村が堤田村(現・津和野町池村)、幸地村(現・吉賀町)にそれぞれ改称。
- 1875年(明治8年) - 現在の町域にあたる下記の各村の統合が行われる。
- 豊稼村(中木屋村、石ヶ谷村が合併)
- 中川村(十王堂村、平野村、下山村が合併)
- 邑輝村(畑迫村、西谷村、市尾村[字木毛]が合併)
- 河村(野口村、脇本村が合併)
- 池村(野地村、堤田村、三渡村が合併)
- 富田村(小瀬村、大木村、二俣村、美濃郡鹿谷村が合併)
- 渓村(宿谷村、程彼村が合併)
- 滝元村(小直村、越原村、倉地村、木ノ頃村が合併)
- 耕田村(和田村、麓耕村が合併)
- 内美村(高野村、野中村が合併)
- 中曽野村(小野村、中組村、畑村が合併)
- 山下村(小山村、下組村が合併)
- 長福村(長野村、福谷村が合併)
- 中山村(奥ヶ野村、三歩市村が合併)
- 部栄村(横瀬村、市尾村[字木毛を除く]が合併)
- 田二穂村(喜時雨村、虹ヶ谷村、山入村、中原村[字向中原を除く]が合併)
- 高峰村(高田村、神田村、牧ヶ野村、鳥井村[字木尾谷を除く]、中原村[字向中原]が合併)
- 名賀村(徳次村、白井村、田代村、鳥井村[字木尾谷]が合併)
- 枕瀬村(枕瀬村、木ノ口村が合併)
- 直地村(直地村、野広村が合併)
- 寺田村(寺田村、千原村が合併)
- 左鐙村(左鐙村、横道村が合併)
- 1876年(明治9年)
- 1879年(明治12年)1月12日 - 郡区町村編制法の島根県での施行により行政区画としての鹿足郡が発足。
- 1886年(明治19年) - 森村・後田村・町田村・中座村・鷲原村が「津和野」を冠称。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、鹿足郡のうち現在の町域にあたる以下の町村が発足。
- 津和野町(津和野森村・津和野後田村・津和野町田村・津和野中座村・津和野鷲原村が合併)
- 喜時雨村(高峰村、田二穂村、名賀村、内美村、部栄村、邑輝村、豊稼村[字笹ヶ谷]が合併)
- 木部村(中川村、長福村、中山村、山下村、吹野村、中曽野村、豊稼村[字笹ヶ谷を除く]が合併)
- 青原村(青原村、添谷村、富田村、柳村、渓村が合併)
- 日原村(日原村、枕瀬村、河村、池村、左鐙村、滝元村[字越原・小直]が合併)
- 須川村(須川村、相撲ヶ原村、滝谷村が合併)
- 小川村(直地村、耕田村、滝元村[字木ノ頃・倉地]、寺田村、商人村、笹山村が合併)
- 1890年(明治23年)2月18日 - 小川村の一部(大字滝元)が日原村に編入。
- 1891年(明治24年)5月31日 - 喜時雨村が改称して畑迫村となる。
- 1935年(昭和10年)2月11日 - 須川村が日原村に編入。
- 1946年(昭和21年)11月3日 - 日原村が町制施行して日原町となる。
- 1954年(昭和29年) 4月1日 - 日原町と青原村が合併し、改めて日原町が発足。
- 1955年(昭和30年)1月10日
- 2005年(平成17年)9月25日 - 日原町と合併し、改めて津和野町が発足。
行政
- 町長:下森 博之
- 議会:12名
- 共産党 1名
- 無所属 11名
産業
- 主な商業施設
- 主な企業
- キーレックス津和野工場
- ジェイエイ日原山菜加工場
- 石見紙工業
姉妹都市・提携都市
海外
- 姉妹都市
日本国内
- 提携都市
- その他
教育
小学校
中学校
高等学校
交通
鉄道
道路
バス
- 高速バス
- サラダエクスプレス・津和野エクスプレス(阪神バス・石見交通)
- 広益線(石見交通)
- 広島駅新幹線口・女学院前・合同庁舎前・広島バスセンター・十日市・己斐 - 加計BS - 吉和SA - 深谷PA - 六日市 - 立戸 - 七日市 - 石見田丸 - 柿木南口 - 木部谷 - 柿木温泉 - 柿木商工会館 - 白谷橋 - 原手 - 新畑 - 新左鐙橋 - 畳 - 日原共存病院 - 口屋橋 - 池村 - 青原駅 - 小瀬 - 下青原 - 三星 - 大滝 - 匹見口 - 大境・養護学校前 - 安富 - 花ヶ瀬 - 角井 - 飯田口 - 須子 - 労働会館 - 益田駅 - 益田市役所 - 市立図書館 - グラントワ前 - 石見交通本社 - 幸町 - 益田下市 - 益田本町 - 折戸 - 益田上市 - 堀川橋 - 益田医光寺
- 特急バス
- 一般路線バス
- 石見交通
- 益田医光寺 - 堀川橋 - 益田上市 - 折戸 - 益田本町 - 益田下市 - 幸町 - 石見交通本社 - グラントワ前 - 市立図書館 - 益田市役所 - 益田駅 - 労働会館 - 須子 - 飯田口 - 角井 - 花ヶ瀬 - 安富 - 大境・養護学校前 - 匹見口 - 横田駅 - 大滝 - 三星 - 下青原 - 小瀬 - 青原駅 - 日原道の駅 - 池村 - 口屋橋 - 日原 - 日原上市 - 日原共存病院 - 日原駅 - 野広橋 - 耕田 - 津和野駅 - 鴎外旧居 - 鷲原 - 津和野温泉
- 津和野駅 - 鴎外旧居 - 鷲原 - (津和野温泉) - 鷲原 - 横瀬 - 堀庭園 - 四本松 - 長野 - 奥ヶ野
- 防長交通
- 六日市交通
- 津和野町営バス
道の駅
名所・旧跡・観光スポット
- 殿町通り - 鯉が泳ぐ掘割がある。
- 太皷谷稲成神社
- 津和野神社
- 津和野城址 (国史跡・日本100名城)
- 森鴎外旧宅
- 西周旧宅
- 高岡兄弟生誕地 (高岡直吉、熊雄兄弟)
- 小藤文次郎生誕地
- 永明寺
- 光明寺
- 堀庭園
- 鷲原八幡宮
- 乙女峠マリア聖堂
- 乙女峠 - 日本の峠100選
- 千人塚
- 津和野街道跡
- 日原天文台
- 安蔵寺山の大ミズナラ(森の巨人たち百選)
- 津和野カトリック教会
- 津和野町立安野光雅美術館
- 津和野町立桑原史成写真美術館
- 津和野葛飾北斎美術館
- 杜塾美術館
- 津和野美術館
- 津和野今昔館
- 森鴎外記念館
- 津和野町民俗資料館
- 津和野町郷土館
- アンティックドール美術館
- 弥栄神社
- 夫婦滝
- 千八尋の滝
年中行事
- 元旦祭
- 初午大祭 (太鼓谷稲成神社) 2月最初の午の日
- つわのSL健康マラソン 3月中旬
- 鷲原八幡宮大祭(小笠原流流鏑馬神事) 4月第二日曜日
- 乙女峠祭 5月3日
- 太皷谷稲成神社春季大祭 5月15日
- ほたる祭 6月上旬
- 弥栄神社輪くぐり 6月30日
- 祇園祭 (鷺舞神事・子鷺踊り) 7月20日、27日
- 柳詣り (新丁・幸盛堂)8月10日
- 鮎祭 8月中旬
- 盆踊り大会 8月15日
- 柳天満宮例祭(柳神楽)11月2日
- 太皷谷稲成神社秋季大祭 11月15日
- 松林山天満宮大祭(やっこ道中) 11月23日
出身人物
- 坂崎直盛 - 津和野藩初代藩主。備前国出身。宇喜多氏の一族。
- 亀井政矩 - 津和野藩亀井氏初代当主。
- 亀井茲監 - 津和野藩最後の藩公。幕末明治維新期の宗教(神祇)行政官。
- 亀井茲常 - 亀井久興の祖父、神祇行政・東宮侍従。
- 亀井茲建 - 東北開発総裁、亀井久興の父。
- 亀井久興 - 衆議院議員(国民新党幹事長)
- 亀井亜紀子 - 参議院議員(亀井久興の長女)
- 桑原史成 - 報道写真家。
- 西周 - 幕末明治維新期の西洋法学者、啓蒙家、教育者。貴族院議員
- 森鴎外 - 明治・大正期の文豪、陸軍軍医、官僚。帝室博物館総長、帝国美術院初代院長
- 三木竹二 - 明治期を代表する劇評家。実兄が森鴎外
- 小金井喜美子 - 明治期を代表する女性翻訳家。長兄が森鴎外
- 岡熊臣 - 幕末明治維新期の国学者
- 大庭政世 - 日本初の厚生連病院の設置者
- 大国隆正 - 幕末明治維新期の国学者
- 堀田仁助 - 幕末期の幕府天文方測量学者
- 福羽美静 - 幕末明治維新期の国学者
- 福羽逸人 - 明治期の農学者
- 山辺丈夫(文夫) - 明治時代の実業家(紡績業)
- 小藤文次郎 - 明治から昭和にかけての地球科学者
- 伊沢蘭奢 - 明治・大正の新劇女優
- 中村吉蔵 - 明治から昭和にかけての劇作家
- 伊藤佐喜雄 - 日本浪漫派の作家。伊沢蘭奢は実母。
- 中尾彰 - 洋画家。絵本・童画作家。詩人。
- 安野光雅 - 画家、絵本作家
- 三東洋 - プロ野球阪神タイガースの元投手。同町出身の初のプロ野球選手。
- ロバート・M・フリン - 教育者・神父
- 神代種亮 - 校正家
- 大塚康生 - アニメーター
- 高岡直吉 - 明治期の県知事・政治家
- 高岡熊雄 - 北海道帝国大学総長
- 挽田藤助 - 挽田流剣術最後の宗家、津和野藩幕末期の剣術指南役
- 中田瑞穂 - 脳外科学者。
- 舛成孝二 - アニメ監督、映画監督及び演出家・脚本家、スタジオゑびすに所属。
- 萩野浩基 - 元衆議院議員・参議院議員、東北福祉大学学長、済善寺元住職・東堂、社会福祉学者
- 江上敬子 - お笑い芸人(ニッチェ (お笑いコンビ))・マセキ芸能社
津和野を舞台にした作品
- 小説
- 森鴎外「ヰタ・セクスアリス」1909年
- 有馬頼義「脱出」 - 紙人形作家である当町出身の河津匂子をモデルとしたもの。
- 塩見佐恵子「津和野」 - 河津匂子をモデルとしたもの。
- 三浦浩「津和野物語」文藝春秋、1987年
- 内田康夫「津和野殺人事件」カッパ・ノベルス、1984年
- 永井隆「乙女峠‐津和野の殉教者物語」1952年
- 西村京太郎「萩・津和野に消えた女」双葉文庫、1997年
- 池田敏雄「キリシタンの精鋭‐津和野乙女峠の受難者たち」1972年
- 中町信「萩・津和野殺人事件」ゲイブンシャ文庫、1995年
- 中町信「津和野の殺人者」講談社ノベルス、1991年
- 深谷忠記「萩・津和野殺人ライン」カドカワノベルズ、1992年
- 山口香「萩・津和野殺人事件」天山ノベルス、1990年
- 金久保茂樹「津和野、夜泣き人形伝説殺人事件」ジョイ・ノベルス、2007年
- 福原カズ子「母子草‐津和野にて」1994年
- 遠藤周作「女の一生〈1部〉キクの場合」朝日新聞社、1982年
- 遠藤周作「女の一生〈2部〉サチ子の場合」朝日新聞社、1982年
- 映画
- 「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」1974年8月 マドンナ:吉永小百合
- アニメ映画
- 「宇宙ショーへようこそ」2010年6月26日 配給:アニプレックス 監督:舛成孝二(当町出身)
- ドラマ
- 「危機一髪の女」日本テレビ、1982年5月18日
- 「山口線『貴婦人号』SL殺人トリック」テレビ朝日、1982年12月11日
- 「小京都連続殺人事件」日本テレビ、1989年1月24日
- 「萩・津和野に消えた女」TBS、1994年10月17日
- 「裸の大将(75) オロチに巻かれてサア大変」関西テレビ、1995年7月2日
- 「女優X 伊沢蘭奢の生涯」TBS、1996年12月27日
- 「早乙女千春の添乗報告書5 萩・津和野湯けむりツアー殺人事件」TBS、1997年9月22日
- 「萩・津和野殺人ライン」TBS、1998年7月27日
- 「鉄道警察官・清村公三郎4 SL貴婦人 殺意の小京都」BSジャパン、2007年7月8日
- 「津和野殺人事件」TBS、2008年9月28日
- 「水戸黄門 第21部7話」TBS
- 「水戸黄門 第23部21話」TBS
- 「水戸黄門 第36部15話」TBS
- 「水戸黄門外伝 かげろう忍法帖 闇に蝶が舞う(津和野)」TBS
- 歌
料理
- うずめ飯
- つわぶき飯
- 津和野寿司
- いなり寿司
- 刺身こんにゃく
- 酒蔵鍋
- 柚子味噌
- 鯖料理
- 鮎料理
- 芋煮
- シュニッツェル丼 - 姉妹都市ベルリン市ミッテ区があるドイツの料理であるシュニッツェルと津和野特産の葉わさびをコラボレーションさせた丼(来ら丼[コラドン])
その他
- 市外局番は、0856(70~89)である。
- 0856(70~89)エリア
- 津和野町・吉賀町
- 郵便物の集配は、以下の郵便局が行っている。
- 日原郵便局:699-52xx
- 津和野郵便局:699-56xx
- 警察署:津和野警察署が管轄。
- マスメディア:サンネットにちはらを吉賀町と一部事務組合で運営。
- 水の郷百選:山陰の小京都 史跡と鯉とロマンの町
- 幻の間欠泉:1997年、温泉掘削のボーリングにより間欠泉の噴出が始まり、諏訪の間欠泉を抜く55mもの噴出高を誇り「日本一の間欠泉」「世界でも2位の間欠泉」ともてはやされた。38度の温泉が炭酸の圧力によって吹き上げるメカニズムであった。しかし塩分が含まれており周囲の田畑に塩被害が出たために、風のない昼間に限ってバルブを開放していた。ところがさらにその後、砒素も含まれることが判明し、事業中止が決定。幻の間欠泉となった。その跡地は現在は公園となっている。
合併後の住所表記
- 旧町の以下の住所表記は同一のものとなる。
- 島根県鹿足郡津和野町商人 → 島根県鹿足郡津和野町商人
- 島根県鹿足郡日原町商人 → 島根県鹿足郡津和野町商人
関連項目
- 美しい日本の歩きたくなるみち500選
- ツワブキ - 津和野という地名の由来、「つわぶきの野」から来ている。
外部リンク
- 津和野町
- 津和野町観光協会 ゆーうにしんさい-ようこそ 山陰の小京都へ
- 津和野町日本遺産センター
- にちはら総合研究所
- 津和野商工会
- 津和野町・日原町合併協議会(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業)
典拠レコード: