河瀬直美
河瀬 直美(かわせ なおみ、1969年5月30日 - )は、日本の映画監督。奈良県出身・在住。
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経歴
奈良県奈良市紀寺町出身。身長167cm。奈良市立一条高等学校卒業。中学時代にバスケットボールを始め、高校在学中はバスケットボール部キャプテンとして国体出場経験を持つ。大阪写真専門学校映画科卒業。平城遷都1300年記念事業協会評議員。なら国際映画祭実行委員会会長を務める。
大阪写真専門学校卒業後、同校の講師を務めながら、8mm作品『につつまれて(山形国際ドキュメンタリー映画祭国際批評家連盟賞受賞)』や『かたつもり(山形国際ドキュメンタリー映画祭奨励賞受賞)』を制作し注目を集める。実父と生き別れ実母とも離別し、母方の祖母の姉に育てられた自らの特殊な境遇から制作された作品の独自性が評価されたものだった。
1997年、初の35mm作品であると同時に最初の商業作品として制作された『萌の朱雀』にて、第50回カンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を史上最年少(27歳)で受賞。また芸術選奨新人賞受賞。その直後に同作品のプロデューサーを務めた仙頭武則と結婚し、活動も「仙頭直美」名義となったが、のちに離婚したことにより姓を河瀬に戻した。再婚後の2004年に第1子(長男)を出産。
2007年、第60回カンヌ国際映画祭にて『殯の森』がグランプリを受賞。また、同賞を受け、奈良県民栄誉賞を受賞。なお、同作品はNHKエンタープライズが製作協力した関係で、劇場公開前の2007年5月29日(グランプリ受賞の2日後)にNHK BS-hiの『ハイビジョン特集』にて放送された。また、この年の10月に行われた山形国際ドキュメンタリー映画祭のインターナショナル・コンペティション部門で『垂乳女』が特別賞を受賞した。
2009年、第62回カンヌ国際映画祭で、映画祭に貢献した監督に贈られる「金の馬車賞」を、女性、アジア人として初めて受賞した。
2013年、第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門の審査員に選出。日本人では、1996年にデザイナーの石岡瑛子が務めて以来、17年ぶり。映画監督では初。
2014年、第12回ウラジオストク国際映画祭にて『2つ目の窓』がグランプリ(Best Feature Award)を受賞[1]。
2015年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエ章を、日本人女性映画監督として初めて受章[2]。同年、『あん』が第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門のオープニング作品に決まる[3]。
2016年、第69回カンヌ国際映画祭の短編コンペティション部門と、学生作品を対象としたシネフォンダシオン部門の審査委員長に就任[4]。
主な受賞歴
- 第50回カンヌ国際映画祭 カメラ・ドール(新人監督賞)
- 第26回ロッテルダム国際映画祭 国際批評家連盟賞
- ベルギー王立フィルム・アーカイヴ
- 第21回山路ふみ子映画賞 福祉賞
- 第12回高崎映画祭 若手監督グランプリ
- 第47回芸術選奨 文部大臣新人賞
- 第53回ロカルノ国際映画祭 国際批評家連盟賞・ヨーロッパ国際芸術映画連盟賞
- 第3回ブエノスアイレス国際映画祭 最優秀撮影監督賞
- 第60回カンヌ国際映画祭 グランプリ(審査員特別大賞)
- 奈良県民栄誉賞
- エストニア/タリンブラックナイツ国際映画祭 NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)
- マケドニア国際映画祭 観客賞・市長賞
- 第22回高崎映画祭 最優秀監督賞
- Time for Peace Asian Film Award
- 第62回カンヌ国際映画祭 金の馬車賞
- 第12回ウラジオストク国際映画祭 グランプリ
- フランス芸術文化勲章 シュヴァリエ章
- 第60回バリャドリード国際映画祭 最優秀監督賞
- 2015年度全国映連賞 監督賞
主な監督作品
- につつまれて(1992年)
- 白い月(1993年)
- かたつもり(1994年)
- 天、見たけ(1995年)
- 陽は傾ぶき(1996年)
- 萌の朱雀(1997年)
- 杣人物語(1997年)
- 万華鏡(1999年)
- 火垂(2000年)
- きゃからばあ(2001年)
- 追臆のダンス(2002年)
- 沙羅双樹(2003年)
- 影-Shadow(2004年)
- 垂乳女〜TARACHIME〜(2006年)
- 殯の森(2007年)
- 七夜待(2008年)
- 狛-Koma(2009年)
- 美しき日本・奈良 (日本アーカイブス)(2010年 - )
- 玄牝 -げんぴん-(2010年)
- 朱花の月(2011年)
- 塵 (2012年)
- 2つ目の窓(2014年)
- あん(2015年)
- 光(2017年)[5]
- パラレルワールド(2017年)
- Vision(2018年)
インターネットムービー
- 主人公は君だ!(2007年)
- つながりゆくもの(2009年)
- Nippon Archives「美しき日本」(2010年)
- Miu Miuショートフィルムプロジェクト・女性たちの物語「SEED」(2016年)[6]
ミュージック・ビデオ
- JUDY AND MARY「PEACE -strings version-」(2001年)
- 宇多田ヒカル「桜流し」(2012年)
- 秦基博「水彩の月」(2015年)
主な出演作品
映画
- ラブ&ポップ(1998年、監督:庵野秀明) - ナレーション
- デストロイ・ヴィシャス(2011年、監督:島田角栄) - 喫茶店主人 役
- 冴え冴えてなほ滑稽な月(2013年、監督:島田角栄) - SMの女王 役
テレビドラマ
- 山田孝之のカンヌ映画祭 第6話・7話(2017年、監督:山下敦弘・松江哲明) - 本人役
テレビ番組
- TBS『いのちの響』(1997年11月2日)
- NHK教育『ETV2001 「逆境からの出発」(3)-生きたいから撮る~映画監督・河瀬直美-』(2001年5月23日)
- 毎日放送『真珠の小箱』(2001年6月3日)
- NHK『クローズアップ現代』(2007年6月5日)
- テレビ朝日『ナツメのオミミ』(2012年5月26日)
- TBS『情熱大陸』(2015年8月2日)
ラジオ番組
脚注
- ↑ 河瀬直美『2つ目の窓』がウラジオストク国際映画祭グランプリ!(2014年9月24日、シネマトゥデイ)
- ↑ 河瀬直美監督、芸術文化勲章を初受章!瞳うるませ決意新た(2015年1月8日、映画.com)
- ↑ “河瀬直美監督「あん」カンヌ映画祭・ある視点部門オープニング作品に決定”. 映画.com (2015年4月25日). . 2015閲覧.
- ↑ “河瀬直美監督、カンヌ短編部門などの審査委員長就任”. 日刊スポーツ. (2016年3月16日) . 2016閲覧.
- ↑ “永瀬正敏×河瀬直美監督「あん」コンビ再び!「光」でカンヌ映画祭パルム・ドール狙う”. 映画.com. (2016年10月31日) . 2016閲覧.
- ↑ “河瀬直美×安藤サクラ×サカナクション、ショートフィルム「SEED」公開”. 映画ナタリー (2016年2月17日). . 2016閲覧.
外部リンク
- Hanami Web - Kawase Naomi
- 河瀬直美公式サイト
- [1] - allcinema
- 河瀬直美 (日本映画データベース)
- 河瀬直美インタビュー
- 日本アーカイブス 美しき日本・奈良
- UNDER THE TREES(α-station タイムテーブル)