気象衛星センター
気象衛星センター(きしょうえいせいセンター)は、気象庁本庁に付属する施設等機関の一つで、気象衛星からの観測データ受信及び気象衛星の運用を行う機関である。
Contents
概要
元々は、国際気象観測情報の送受信を行う気象通信所を起源とする。1968年にアメリカ海洋大気庁(略称:NOAA)の前身が打ち上げた極軌道気象衛星"ESSA-6号"の気象データ受信を開始。1977年4月1日付けで気象通信所を廃止して気象衛星センターに改組された。
気象衛星センターの主な業務は、極軌道及び静止軌道を周回する気象観測衛星のデータ受信を主たる任務とし、WMO条約に基づき日本で打ち上げ・運用を行う気象衛星の管理を行うことである。
沿革
- 1950年7月15日 - 気象通信所を埼玉県北足立郡大和田町(現:埼玉県新座市)から東京都北多摩郡清瀬村(現:東京都清瀬市)に移転。
- 1959年6月 - 数値解析予報システム (NAPS) を運用開始[1]
- 1968年8月20日 - アメリカ合衆国・極軌道気象衛星"ESSA-6号"の地球画像データ受信開始
- 1974年3月1日 - アメリカ海洋大気庁の極軌道気象衛星"NOAA-1号"の地球画像データ受信開始[2]。
- 1977年4月1日 - 気象通信所を廃止。静止気象衛星運用を目的として気象衛星センターを設置。
- 1977年9月8日 - 静止気象衛星「ひまわり」からの画像取得に成功
- 1983年7月1日 - 国際衛星雲気候計画(ISCCP)用のデータ提供開始
- 1984年6月1日 - 台風解析報(SAREP)業務開始
- 1988年1月1日 - 全球降水気候計画(GPCP)用データ提供開始
組織
- 総務部
- データ処理部
- 情報伝送部
一般見学
- 地方自治体などからの視察の場合には、事前予約で可能。
- 事前予約のいらない「特別公開」は、気象月間の最中に土曜・日曜を利用して実施。2008年度は、施設耐震工事によって足場が悪いため中止。
所在地
- 東京都清瀬市中清戸三丁目235
アクセス
スーパーコンピュータシステム
気象衛星や全国各地の計測装置から取得したデータを処理し、精度の高い予報を行うため、スーパーコンピュータシステム「数値解析予報システム」(NAPS; Numerical Analysis and Prediction System) を構築・運用している。
最新のシステムは Cray XC50 を主系システムとし、18ペタFLOPS(1秒間に1.8京8000兆回の浮動小数点演算が行える)の演算能力をもつ、日立製作所製のスーパーコンピュータシステム「第10世代数値解析予報システム」(NAPS10) である。2018年5月16日に日立製作所が構築・納入を発表、同年6月5日より運用開始。それまで使用していたスーパーコンピュータシステムからは6年ぶりの更新となり、主系システムの総理論演算性能で従来比21倍、システム全体で従来比10倍の処理能力をもつ。導入費用40億円、計画運用期間は2023年までの5年間で、年間12億円の運用コストを見込む。
本システムの導入により、降水短時間予報がそれまでの6時間先までから15時間先まで予報可能に、台風の風速や中心気圧はそれまでの3日先までから5日先まで予報可能になるなど、より長い期間の予報を高精度に行えるようになった[3][4]。
附属施設
関連項目
管理運営機関
運用担当
歴史
脚注
- ↑ 「気象予測」を支える 日立グループのスーパーコンピュータ技術 日立評論 2009年12月号
- ↑ 現在も極軌道衛星に関しては、気象観測を目的として公開されている衛星の受信を行っている。
- ↑ 天気予報、6月から早く詳しく 気象庁がスパコン更新|日本経済新聞
- ↑ 気象庁がスーパーコンピュータを刷新、性能は1.8京FLOPSで従来比21倍|IT Leaders
外部リンク
座標: 東経139度31分57秒北緯35.77667度 東経139.5325度