榎木孝明

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榎木 孝明(えのき たかあき、1956年1月5日 - )は、日本俳優水彩画家鹿児島県伊佐郡菱刈町(現:伊佐市)出身。

来歴・人物

彼の実家である榎木家は寛政の頃には大地主であり、小触(こぶれ:藩からの命令を村落に伝える役目)をしていた。しかし、孝明の祖父の代に山師からの金鉱山開発の儲け話に乗ってしまい、金を得る事が無いまま全財産を失い菱刈を出る。ちなみに、菱刈鉱山は祖父が掘った坑道の100m下にある。孝明の父、孝志は吉松に住んでいた兄を頼り、師範学校に通うも、榎木家の稼ぎ頭同腹の長男が結核で死亡した為、卒業を待たずに代用教員になる。更に徴兵されて台湾に渡るが、そこで結核に倒れ、回復するも兵器の修理要員となり前線に出ることなく終戦を迎えた。ちなみに、孝志が最初に配属された部隊はフィリピンで大勢の犠牲者を出しており、台湾に居る間に榎木家の男子は結核や戦場で孝志の父の前妻の次男を除いて死亡した。戦後は吉松で教員になり、赴任先の学校で台湾で自分を看病していて恋仲になった女性の姉と出会い、彼女の方から好意を寄せられ、彼女の血判付きの恋文を、居候先であった先述の腹違いの兄の嫁が宛て先を確認せずに封を切ってしまった上に、それを孝志本人の手に渡す前に親戚近所に触れ回った事もあって、孝志は彼女と結婚することになった、という。孝明が生まれた後に孝志は菱刈に土地を買い、そこに移住した[1]

幼少の頃は、独りで絵を書くのが好きな目立たない大人しい泣き虫だった。しかし、そんな息子の軟弱さを許せない父親から厳しく鍛えられたという。その一環として習った示現流は達人の域。流派の教えは芸能界に入ってからも生きており、「どんな仕事でも決して手抜きはしない。言い訳はしない。たとえ自分が悪くなくても全て自分が引き受けよう。たとえ損をしても後からくる得が大きい」という心構えで仕事に臨むという。

鹿児島県立大口高等学校を卒業後、絵が好きだったことから進学した武蔵野美術大学に在学中、アルバイトで経験した芝居に没頭した。20歳の時に父が肺癌で急死。1978年劇団四季の研究生になり大学を3年次で中退[2]。四季の同期には声優の速水奨がいた。1984年連続テレビ小説ロマンス』でテレビデビューを果たし、以来舞台やテレビ、映画、ラジオ等様々な分野で活躍している。

北海道美瑛町大分県九重町鹿児島市アートギャラリーを持ち、画集を出版するほか、日本各地のみならずインドネパール等の国を旅をして数々の絵を手がけている。

映画『アダン』出演の際、五十嵐匠監督よりあばらが見えるほどの減量を相談され、15キロも減量したことがある。

特技は上述のとおり古武術。現場では共演者・スタッフを気功にて一瞬のうちにひっくり返してみせるというお茶目な一面もあり、絵画個展のファンクラブ会員限定の茶話会でも、実技を行ったことがある。テレビ番組で介護に古武術の体術を応用した「古武術介護」を実演したこともある(インターネットでも画像による解説を行っている[1])。

1995年から、フジテレビ系ドラマ『浅見光彦シリーズ』に主役の浅見光彦役として出演する[3]。この浅見光彦役は周囲から当たり役であると評されたといい[3]、同シリーズの原作者である内田康夫も榎木を「新作を書くたび、榎木くんの顔が浮かんで邪魔をする」と高く評価した[3]。2002年に年齢を理由として榎木自ら浅見光彦役から退くことを表明した際(後任の浅見光彦役は中村俊介)、内田の希望により2003年からは光彦の兄で警察庁刑事局長である浅見陽一郎役として、引き続き同シリーズに出演している[3]

2015年6月18日、フジテレビの情報番組『とくダネ!』の中で、30日間の不食を公表。体重を80Kgから71Kgに落とした様子を、自身のフェイスブックで「不食ノート」として公表した[4]

出演

テレビドラマ

映画

Webドラマ

舞台

ラジオ

ドキュメンタリー

  • ソ連領シルクロード冒険(1991年、フジテレビ)
  • 南米パンタナール3000キロ(1992年、フジテレビ)
  • 感動エクスプレス 心よみがえるインド(1992年、フジテレビ)
  • チベット夢呼吸(1993年、フジテレビ)
  • 榎木孝明の大冒険!(1994年、フジテレビ)
  • ヒマラヤ5000年 時空の花園(1998年、テレビ朝日)
  • 榎木孝明の薬草マンダラ紀行(1999年、富山テレビ製作・フジテレビ系放映)
  • 榎木孝明が描く風景 日本の世界遺産(2004年 - 2007年、BSジャパン
  • 趣味悠々・おくのほそ道を歩こう(2007年、NHK)
  • 榎木孝明が歩く神々と民の里 戸隠(2009年、テレビ信州)
  • 経済ドキュメンタリードラマ ルビコンの決断(2010年、テレビ東京)
  • いい旅・夢気分 (2011年・2012年7月11日、テレビ東京) ※2012年の回は夫婦で箱根を旅行
  • にっぽん原風景紀行(2011年10月、BSジャパン

CM

セル版

書籍

  • 鷹の道
  • チベットの碧
  • スールー漂海
  • 水と緑と光の大地
  • ヒマラヤ物語
  • 空の詩
  • 風の人
  • 風の瞳
  • 光と闇の交差点
  • 旅の面影
  • 心は風のままに(イラスト+エッセイ集)
  • 東京散歩
  • 東京賛歌
  • 風の旅、心の旅
  • 自分への旅
  • いい加減なスケッチのすすめ(水彩画集+教則本)
  • ギリシャの風に吹かれて(水彩画+写真集)
  • ロケ地の情景 日本の世界遺産
  • もっといい加減なスケッチの旅(水彩画集+教則本)※『いい加減なスケッチのすすめ』の続刊
  • 宇宙一切を救うアセンション・プロセス(エハン・デラヴィとの共著)
  • 30日間、食べることやめてみました(2015年10月14日、マキノ出版[9]

CDアルバム

  • 空飛ぶ鯨(朗読・歌つき)

脚注・出典

  1. ファミリーヒストリー 2015年2月20日放送分
  2. 講談社刊『MORE No.107(1990年8月号)』「インタビュー 榎木孝明」より
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 「私の職務経歴書 第16回 俳優 榎木孝明 の場合」 - 宅ふぁいる便 『私の職務経歴書』
  4. 「不食」榎木孝明、30日ぶり食べた!大満足の晩餐”. スポーツ報知 (2015年6月19日). . 2015閲覧.
  5. “榎木孝明、住友の初代総理事役に「現代人よりも腹が据わっている」”. SANSPO.COM (株式会社 産経デジタル). (2015年11月10日). http://www.sanspo.com/geino/news/20151110/geo15111005020009-n1.html . 2015閲覧. 
  6. ホーム > 作品情報 > 映画「スクール・オブ・ナーシング」”. 映画.com. . 2016閲覧.
  7. “キャスト”. 映画「セーラー服と機関銃 -卒業-」公式サイト. http://sk-movie.jp/cast/ . 2016閲覧. 
  8. 光る壁画_脚本詳細データ_脚本データベース_一般社団法人 日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアムラジオドラマ資源:1984年
  9. 榎木孝明“不食本”出版 動機明かす「常識に挑戦したかった」”. スポニチアネックス (2015年11月25日). . 2015閲覧.

外部リンク

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