森正武
森 正武(もり まさたけ、1937年8月26日 - 2017年2月24日[1][2])は日本の数学者、工学博士。京都大学名誉教授、筑波大学名誉教授。京都大学数理解析研究所元所長。専門は数値解析、応用数学。
略歴
1937年に東京で生まれる。1961年に東京大学工学部応用物理学科を卒業後、東京大学大学院数物系研究科修士課程・博士課程へ進学し、1965年に中退する。同年に東京大学工学部助手となり、1967年に工学博士号を取得した。1970年に京都大学数理解析研究所助教授となり、1979年に筑波大学電子・情報工学系教授に就任した。1987年に同大学電子・情報工学系長および評議員を経て、1989年-1997年に東京大学大学院工学系研究科教授を務める。1997年から京都大学数理解析研究所教授となり、1998年に同研究所所長および同大学評議員を歴任した。2001年に筑波大学名誉教授および京都大学名誉教授を授与される。同年から東京電機大学理工学部数理科学科教授を務めた。
この間に、1974年-1975年にニューヨーク大学クーラント研究所研究員、1997年に大連理工大学客座教授となる。
家族
父は株式會社北辰電機製作所、のち精密機器会社創業の技術士の森武保(機械除銹更生液剤、風向風速自画器、長期巻雨量計の発明など)。祖父は数学教育者,嘉納塾の後藤胤保(「算術教授の実際(尋常小学 第1-6学年)」等)。
社会活動
1998年-1999年に日本応用数理学会会長を務め、国内で日本数学会、日本物理学会、情報処理学会、日本計算工学会の各会員として、国外では SIAM (Society for Industrial and Applied Mathematics) で活動した。また、財団法人数学オリンピック財団理事、財団法人数理科学振興会評議員、政府調達苦情検討委員会専門委員、日本学術会議数学研究連絡委員会委員を歴任した。さらに、国際学術雑誌の編集者や海外の学会等での講演も行っており、国際的に知名の数学者である。
受賞・講演歴
- 1990年:ICM招待講演
- 1994年:日本応用数理学会論文賞
- 1997年:石川賞
叙位・叙勲
主著
- 『数値解析』(共立出版、1973年/第2版、2002年)
- 『曲線と曲面』(教育出版、1974年)
- 『数値解析と複素関数論』(筑摩書房、1975年)
- 『有限要素法とその応用』(岩波書店、1983年)
- 『The Finite Element Method and Its Applications』(Macmillan, 1986年)
- 『FORTRAN77 数値計算プログラミング』(岩波書店、1986年)
- 『FORTRAN77 図形処理プログラミング』(岩波書店、1991年)
その他に論文、共著、翻訳書など複数ある。
脚注
- ↑ 森正武氏死去(京都大名誉教授・数値解析学) 時事ドットコム 2017年3月1日付
- ↑ 森正武氏死去 京都大名誉教授 京都新聞 2017年3月2日付
- ↑ 『官報』6992号、平成29年4月5日
外部リンク
- J-GLOBAL:森正武 - 科学技術振興機構.2010年5月21日閲覧。
- 森正武先生追悼特集(1):森正武先生を偲んで
- 森正武先生追悼特集(2):森正武先生を偲ぶ
- 森正武先生追悼特集(3):偲ぶ言葉
- 森正武先生追悼特集(4):森正武先生の思い出を語る