棒
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棒(ぼう)は、細長い円柱など柱形の道具や部品の総称。手で持つなどして自由に動かせるものを呼ぶことが多い。棒と呼ばれるものには竿、杖、スティック 、バー、ワンド、ロッド、ポールなどが含まれる。地面に立てて固定された長大なものは棒ではなく柱と呼ばれる。
棒とその用途
打撃
手でつかんで何かを叩くのに使われる。
武器
単純な棒から、複雑な構造や機構(鋲、伸縮、電撃など)を備えたものまである。
- 棍棒 - 武器に使われる重みのある棒。
- 警棒 - 警察官や警備員などが使う棍棒。
- 金棒 - 鉄製の大きな棍棒。鬼が持つと伝えられることで有名。
- ゲバ棒 - 左翼団体の武力闘争で使われる武器。木の角材が広く使われる。
- 如意棒 - 孫悟空が持っていたと伝えられる武器。
- 狼牙棒 - モーニングスターに似た中国の武器。
- ムンチャン - 120cmほどのまっすぐな棒。杖のように使われるインドの武器。
- オッタ - 象牙に似ている曲がった棍棒。剣のように使われるインドの武器。
スポーツ・武術
- 棒術 - 長さ六尺(1.8メートル)の長い木の棒を使う武術。単に棒とも言う。
- 野球 - バットを使う。古くは「棒球」と呼ばれていた。中国語では今もこう呼ぶ。
- スポーツチャンバラ - 空気で膨らませた「エアーソフト剣」を使う。「棒」と呼ばれるもののほか、さまざまな種類がある。
支え
何かを載せたりぶら下げたりする棒。この用途の場合、動かせないものを棒と呼ぶ例もある。
- 鉄棒・平行棒 - 棒を水平に張った体操器具。
- 天秤棒 - 肩に担いで荷物をぶら下げて運ぶ棒。
- 心張り棒 - 戸や窓が開かないように押さえる棒。
- 棒高跳 - 陸上競技の1種目。ポールで体を支えて跳ぶ高さを競う。
- 棒のぼり - 地面に立てた棒を上る運動。
指示
棒の位置や動きで指示を伝える。
食品
棒状の固まりは、持ちやすく口に入れやすいため、食品によく採用される。
その他
- 棒倒し - 相手チームの立てた棒を倒しあうゲーム。
- 燃料棒 - 核燃料を棒状に加工したもの。
- 制御棒 - 原子炉の炉心に出し入れして出力を制御する棒。
- 麺棒 - 麺生地などを薄く延ばすために転がす棒。
- 棒渦巻銀河 - 中心に棒状の星の集まりがある銀河系。
図画の棒
まっすぐな線や細長い長方形が、棒と呼ばれる。「棒が1本あったとさ」は絵描き歌でよく聞かれるフレーズである。
- 棒グラフ - 長方形の高さで数量を表すグラフ。線グラフとは別。
- 球棒モデル - 分子構造を棒と球で図示する方法。
- 棒足 - 1日(あるいは他の一定期間)の株価変動を棒の長さで表すグラフ。
- 棒人間 - 体や手足を棒線だけで描かれた人間のイラスト。
- 丨 - 漢字の部首の1つ(康熙字典214部首の2番目)で、俗に棒と呼ぶ。
慣用句・派生
- 棒読み - 棒がまっすぐで変化がないことから、単調で感情の抑揚がない声の演技。声についての「大根役者」。単に棒とも言う。
- 棒に振る - 棒手振(天秤棒を振って品物を売り歩く商人)がいくら努力してもなかなか店を持てないことから、努力が無駄になること。
- 棒引き - 帳簿の金額に棒線を引いて取り消しすことから、借金の帳消しを意味する。
- 犬も歩けば棒にあたる - 物事を行えば災い(あるいは幸い)が起こりうるということわざ。
- 棒棒鶏 - 鶏肉料理の一つ。肉を棒で叩いてやわらかくしたことから。
- 相棒 - 2人組で籠や畚の棒の前後を担ぐことから、2人組の相手の意味。
- 用心棒 - 護身のための武器の棒から、ボディーガードのこと。
- 棒銀 - 銀をまっすぐ進める将棋の戦法。棒金もある。
- 棒芯 - 建築現場の技能集団のリーダー。語源は英語のboatswain(甲板長)と言われる。