根尾川
地理
岐阜県と福井県との境・能郷白山を水源とする根尾西谷川と、左門岳を水源とする根尾東谷川が、旧・根尾村の中心地であった樽見地区で合流して根尾川となる。根尾川の源流というべき起点は、根尾西谷川の本巣市根尾大字黒津字コハ谷678番地と定められている。本巣市から揖斐郡揖斐川町、大野町を流れ、大野町下座倉付近で揖斐川に合流する。
かつては、大野町以北は根尾川、大野町以南では藪川と呼ばれていたが、旧・建設省(現・国土交通省)が一級河川の指定の際、根尾川に統一した。今でも年配者ほど藪川の名を用いる。
根尾川にほぼ並行して樽見鉄道が走っており、織部駅から樽見駅にかけての間は根尾川の流れを見ることができるポイントが多い。流域はアユ釣りが盛んであり、観光梁(やな)が多くある。
根尾川が削った上流部の谷を根尾谷と呼ぶ。旧・根尾村には濃尾地震の震源断層である根尾谷断層があり、その際の横ずれや断層崖などの変動地形が保存されている。
根尾東谷川上流の上大須には中部電力の奥美濃水力発電所があり、150万キロワットの出力は中電の水力発電所として最大の規模である。
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名鉄揖斐線(政田~下方)と根尾川(2004年1月)
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根尾谷断層
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上大須ダム
(根尾東谷川)
流域の自治体
主な橋
かつての橋
- 名鉄揖斐線 薮川橋梁[1]
(現在は撤去されており、川のコンクリート護岸が新しくなっているところから位置を推測できるのみ)
主な支流
- 根尾東谷川
- 能郷谷
- 管瀬川
- 三水川
もう1つの根尾川
岐阜県内には「もう一つの根尾川」が存在する。 岐阜市西改田を水源とし、岐阜市一日市場で伊自良川(長良川の支流)に合流する川であるが、この川は1530年以前の根尾川の川筋にあたる。
1530年(享禄3年)、根尾川に大洪水が起こり、現在の本巣市山口にて根尾川が土砂で埋まってしまい、水の流れが決壊した堤防から西へと向かい、現在の根尾川になったという。流域は席田用水へ改修され、中流部で真桑用水下流部(真桑用水上流部は席田用水上流と供用)・糸貫川を分ける。下流部は改修が少ないため、現在も「根尾川」あるいは「古根尾川」と呼ばれている。
脚注
- ↑ 鈴木裕「線路と保線」、『鉄道ピクトリアル』第624巻、電気車研究会、1996年7月、 51頁。