株券

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(1) 株主権を表章する有価証券。株券によって株主権 (株式) の流通が行なわれ,証券市場において売買取引の対象となる。株券は会社の成立または新株の発行によって株主権が発生したのちに発行されるものであるから,手形と違って設権証券ではない。また株券は要式証券であって,法定の事項を記載し,取締役がこれに署名することが必要である。株券には株主の氏名を記載しなければならない。

(2) 株券不所持制度 株券の紛失,盗難のため,第三者がその株券を善意取得し,その結果本来の株主が権利を失うことがある。そこで株券喪失の危険防止として,株主からの株券不所持の申し出により,(a) 会社が株券不発行の旨を株主名簿に記載してその株券を廃棄するか,(b) 該当する株券を銀行または信託会社に寄託する制度である。これは「昭和 41年改正商法」で,記名株式の譲渡方法が簡易化されたことに対応して初めて認められた日本独特の制度である。ただし,定款でこの制度を排除することができる。 (3) 株券振替決済制度 株式取引量の増大に伴う事務処理の能率化などを目的として,株券の現実の受け渡しの省略および株券の保管期間による口座振替による上場株式譲渡の制度が設けられ,実施されている (株券等の保管及び振替に関する法律)
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