東莞市
中華人民共和国 広東省 東莞市 | |
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略称:莞
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広東省中の東莞市の位置 | |
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簡体字 | 东莞 |
繁体字 | 東莞 |
拼音 | Dōngguǎn |
カタカナ転写 | トンクワン |
国家 | 中華人民共和国 |
省 | 広東 |
行政級別 | 地級市 |
政府所在地 | 南城区 |
建市 | 1985年9月 |
市委書記 | 徐建華 |
市長 | 袁宝成 |
面積 | |
総面積 | 2,465 km² |
人口 | |
総人口(2010) | 822 万人 |
経済 | |
GDP(2012) | 5,010 億元 |
一人あたりGDP | 60,947元 |
電話番号 | 769 |
郵便番号 | 523000 |
ナンバープレート | 粤S |
行政区画代碼 | 441900 |
市花 | ハクモクレン |
公式ウェブサイト: http://www.dg.gov.cn/ |
東莞市(とうかんし、中国語:东莞市、英語:Dongguan、歴史的表記 Tongkun[1])は中華人民共和国広東省中部にある地級市。28の鎮と行政の中心である区で構成される。
Contents
地理
東莞市の面積は2465平方キロメートルで、ほぼ日本の佐賀県に匹敵する。南北では50km、東西では70kmほどの広がりがある。人口は822万(2010年)。唐代の757年に、番禺(広州)の東にある、「莞草」(イグサ)の産地として「東莞」と名付けられた。
珠江デルタの北東部に位置し、古くから莞城鎮(現莞城区)と、珠江、東江などの水運の要地である虎門鎮を中心に街が形成されていたが、現在の市域の多くは赤土が広がる貧しい農村だった。しかし、1980年代末に改革開放政策が取られてからは、広州と深圳、香港の中間に位置することから、香港企業、台湾企業の委託加工先や工場建設の好適地として、衣料品、日用雑貨、玩具、電子製品、パソコンまで、重工業以外の各種工場が林立する工業地帯に変貌した。特に、パソコン部品は世界の供給拠点として重要な地位を占める。また、輸出に必要な包装用段ボールを製造するための製紙工業もさかんで、中国最大の工場群もある。
農業では稲作の他、野菜栽培が盛んで、香港、広州、深圳などへの重要な供給基地のひとつとなっている。
旧来東莞に住み、本籍を持つ住民の人口は2012年末現在で約180万人[2]であるが、広東語の下位方言である「東莞話」(とうかんわ)を話す地区と、樟木頭鎮、清渓鎮などの東莞市東部や深圳に近い丘陵地帯に点在する客家語を話す地区に別れる。しかし現在は、湖南省、四川省など、省外からの流入人口(2012年末時点で約650万人[2])が多く、標準語が広く通用している。
産業の発達に伴い出稼ぎ労働者が急増し、それに伴いそれら男性相手の売春女性が増加したため、2010年代に入り「性都」の異名を取るほど性風俗産業が発達した。一説にはその規模は同市のGDPの10%に相当する500億元(約8500億円)にも達すると言われる[2]。その中には周辺地域の高級官僚や関係者が関与しているものも確認されたため、2014年2月に関連施設の一斉摘発が行われ、1000人あまりが逮捕された[3]。この摘発により風俗産業は壊滅し、一般のサービス産業などの客足も落ち込むなど地域経済に大きな打撃が及んだ結果、数10万人が東莞市を去ったとする報道がなされた[4]。 これに対し、「出稼ぎ労働者の性的欲求をどう解消するのか」「女性側でさえ性的欲求のはけ口を求めている」という根本的な問題は全くの手付かずであり、「摘発は単なる一時しのぎにすぎない」との批判もある[2]。また、もともと東莞市はこの摘発より前から、ベトナム、カンボジア、バングラデシュなど、より人件費が安価な国に工場が移転するなど空洞化しており、これに風俗産業の摘発が重なり、経済に広範囲の打撃を受けている[3]。
歴史
新石器時代からの遺跡が見つかっており、古来、居住者がいたことが知られている。春秋戦国時代の百越の地であり、南越族が住んでいたと考えられる。紀元前214年、秦の始皇帝が全国を統一すると、南海郡番禺県に属した。後漢の順帝が番禺から増城県を分離させると、東莞も増城県に属した。331年、増城から分離され宝安県となった。757年に東莞と改名し、莞城に役所を置いた。1949年に中華人民共和国成立すると、東莞は東江行政区の管轄下に置かれた。1952年には粤中行政区に入り、1956年に恵陽専区に入った。1985年に国務院の批准によって珠江デルタ経済開発区に入り、同年9月には東莞県から東莞市に改称した。1988年1月に現在の地級市に昇格している。
行政区画
東莞市は区(街道弁事所)と鎮で構成され、市轄区・県制度はない。以下の「片」は地理的な区分であり行政区ではない。
東莞市の地図 |
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- 城鎮片:1.莞城区、31.石竜鎮
- 水郷片:4.万江区、6.中堂鎮、8.望牛墩鎮、7.麻涌鎮、32.石碣鎮、5.高埗鎮、10.洪梅鎮
- 沿海片:13.虎門鎮、9.道滘鎮、12.厚街鎮、11.沙田鎮、14.長安鎮
- 丘陵片:2.東城区、28.寮歩鎮、15.大嶺山鎮、16.大朗鎮、17.黄江鎮
- 山区片:21.樟木頭鎮、19.鳳崗鎮、18.塘厦鎮、22.謝崗鎮、20.清渓鎮
- 埔田片:3.南城区、23.常平鎮、24.橋頭鎮、26.横瀝鎮、27.東坑鎮、25.企石鎮、30.石排鎮、29.茶山鎮
年表
交通
鉄道
- 広深鉄路と城際直通車 - 東莞駅、常平駅、樟木頭駅。広州駅より深圳駅、香港紅磡駅方面。
- 京九鉄路 - 常平駅、東莞東駅。北京西駅より深圳駅、香港紅磡駅方面。
- 広深港高速鉄路 - 虎門駅。広州南駅より深圳北駅方面。2018年頃に香港の西九龍駅へと伸びる予定。
- 莞恵都市間鉄道
地下鉄
2016年5月27日に東莞地下鉄2号線が部分開業した。
- 1号線 - 2022年開業予定
- 2号線 - 2016年5月27日に東莞火車駅 - 虎門火車駅が開業、現在は虎門火車駅 - 長安新区東駅を建設中。
- 3号線 - 2020年開業予定
- 4号線 - 2030年開業予定
水運
- 虎門から香港などに客船が出ている。香港まで47海里。
道路
- 高速道路
- 国道
バス
- 東莞城巴 - 2004年に東莞公汽、長安公汽、石龍公汽を統合。
- ターミナル - 万江汽車客運総站、南城汽車客運站、高埗汽車客運站、市汽車客運站、榴花汽車客運站、莞長汽車客運站の6個所。
- 空港快綫
- 香港行きツアーバス - 多数の旅行社がホテルなどを回って運行しており、片道ずつ利用可能。
観光
- 東莞可園 - 清代広東四大名園のひとつ。博厦にあり、官僚張敬修が築いた。
- 金鰲洲塔
- 東莞博物館
- 粤暉園
- 阿片戦争博物館、林則徐記念館 - 虎門鎮にあり、アヘンを処分した池などがある。
- 虎門砲台 - 虎門鎮
- 海戦記念館 - 虎門鎮
- 虎門大橋 - 虎門鎮
- 新華南MALL - 万江区
- 東莞飲食風俗博物館 - 万江区
- 虎英郊野公園
- 南社村古民家群 - 茶山鎮
- 東莞市科学技術博物館
- 東莞蠔崗遺址博物館
スポーツ
東莞市の東莞聯華サッカークラブが香港Aリーグで試合を行っている。東莞藍球中心(東風日産文体中心)は同市内最大のアリーナとしてバスケットボールやコンサートなどの催しなどが行われている。
テレビ
- 東莞電視台(東莞テレビ) - 第1チャンネル、第2チャンネル
食文化
もともとは広東料理、客家料理が食べられている地域であるが、省内でも独特の料理が生まれている。長安の盆菜、大嶺山のガチョウ焼きなど地域性の強いものや、竜舟飯、シマアオジの素揚げ、イトメの煮もの、鯪魚丸のように珠江デルタに共通するもの、咸湯圓やヨモギ餅、各種の米の加工品のように客家料理の一部と共通するものなどがある。ザボンの麦芽糖漬け、甘いソーセージ、味噌などの特色のある食品もある。
東莞に本社を持つ企業
中華人民共和国成立以降の首長等
- 県長、市長 - 葉耀、李近維、佟星、黎桂康、劉志庚、李毓全
- 県、市共産党委員会書記 - 欧陽徳、李近維、佟星、劉志庚
出身者
関連項目
外部リンク
脚注
- ↑ 『廣東政區及郵政式廣東地名一覽』、1947年
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 潜入取材で暴露“性の都”東莞市の実態 - 日経ビジネス・2014年2月17日
- ↑ 3.0 3.1 Clare Jim; Yimou Lee (2014年4月6日). “アングル:中国の「性都」摘発で損失8000億円、製造業拠点に追い打ち”. Reuters . 2014閲覧.
- ↑ “性都大摘発で経済損失1000億円以上! 周辺産業、地銀も完全崩壊か”. ZAKZAK (産経新聞社). (2014年3月13日) . 2014閲覧.