東京高速道路
東京高速道路(とうきょうこうそくどうろ、英語: Tokyo Expressway)は、東京都中央区にある一般自動車道である。また、東京高速道路株式会社は、この一般自動車道の運営と道路下の不動産賃貸を事業とする会社である。この一般自動車道については外部から東京高速道路株式会社線、会社線、KK線[1]とも呼ばれる。
概要
首都高速道路に直結し銀座の街の外周を囲むように走る約2キロメートル (km) の一般自動車道である。首都高速都心環状線の汐留ジャンクション (JCT) と京橋JCTとの間をバイパスするルートを形成しており、途中の西銀座JCTで首都高速八重洲線に接続している。 このうち、いずれも昭和通りに接する蓬莱橋 - 新京橋間が東京高速道路の管理区間であり、汐留JCTから汐留乗継所を経て昭和通りを跨ぐ橋梁までは首都高速八重洲線の一部(都道首都高速2号線[2])、京橋JCTから白魚橋乗継所を経て昭和通りを跨ぐ橋梁までは首都高速都心環状線の一部(都道首都高速8号線[3])である[4][1][5][6]。
道路の案内標識では「東京高速道路」の名称はほとんど使われない。末端全てが首都高速道路と直結し、事実上首都高速道路と一体化してネットワークを形成しているが[1]、この道路は、道路法に基づく自動車専用道路(旧:建設省所管)ではなく、道路運送法に基づく一般自動車道(旧:運輸省所管)であり、法律上は全く別の制度に基づく道路である。
また、通常の一般自動車道と異なり本道路区間内のみであれば無料で通行できる[4]。これは東京都が建設を許可する際に、公共の河川を利用することから無料化を条件としたためである[7]。ただし、高架道路の下をビルとして、 テナントからの賃貸料によって収入を得て道路を維持管理しているため、自動車道事業の業界団体である日本有料道路協会に加盟している[8]。
路線データ
後述の通り、正式な住所は未確定だが、日本有料道路協会のサイトでは以下の通り起終点住所が表記されていた[9]
- 起点:東京都中央区銀座8丁目(蓬莱橋)
- 終点:東京都中央区銀座1丁目(新京橋)
- 延長:2.0 km
「高速道路」という名を冠してはいるものの、指定最高速度は全線40 km/hである。
歴史
1951年(昭和26年)、戦後の銀座の復興と飽和点に達した自動車交通量の緩和を目的として設立[10]。銀座を囲む外堀、汐留川、京橋川を埋め立て、高架の自動車道路を建設し、その建設費と運営費をビル賃貸収益で回収するという現代のPFIにも通じる画期的な運営の仕組みを導入した[10][11]。部分開通は1959年であり、首都高速道路より長い歴史をもつ。全線開通は1966年である[12]。
年表
- 1951年(昭和26年)12月13日:会社設立[8]
- 1959年(昭和34年)6月:土橋 - 城辺橋間一方通行で供用開始[12]
- 1963年(昭和38年)12月:蓬莱橋 - 紺屋橋間相互通行で供用開始[12]
- 1964年(昭和39年)8月2日:首都高速八重洲線汐留JCT - 新橋間供用開始[13]。蓬莱橋にて首都高速羽田方面と連絡供用開始[12]
- 1966年(昭和41年)7月2日:蓬莱橋 - 新京橋間全線供用開始[12]。首都高速都心環状線京橋JCT供用開始[14]
- 1973年(昭和48年)2月15日:首都高速八重洲線西銀座JCT - 神田橋JCT供用開始[15]。西銀座JCT・乗継所設置[12]
出入口など
施設名 | 接続路線名 | 備考 |
---|---|---|
汐留乗継所 | (Y)八重洲線 汐留JCT方面 | |
新橋出入口 | 北池袋方面出入口 | |
土橋入口 | 北池袋方面への入口 | |
西銀座JCT/西銀座乗継所 | (Y)八重洲線 上り方面 | |
西銀座入口 | 新橋方面への入口 | |
新京橋出口 | 新橋方面からの出口 | |
東銀座出口 | 上野方面からの出口 首都高速としての出口番号は「33」 | |
白魚橋乗継所 | (C1)都心環状線京橋JCT方面 |
- 各乗継所は、首都高速道路の管理区間上にある。
通行規制
道路交通法による一部車両通行規制として、通行出来ない車両は以下の通り[4]。
- 軽車両
- ミニカー[16]
- 原動機付自転車
- 125cc以下の自動二輪車(125cc超であっても側車付きを除き2人乗りは不可[17])
- 特定中型自動車(総重量8t以上11t未満かつ最大積載量5t以上6.5t未満の貨物自動車と乗車定員11人~29人のマイクロバス)
- 大型自動車(大型貨物自動車と大型乗用自動車(いわゆる中型以上のバス))
首都高とKK線の乗り継ぎ
首都高速道路を走行中にこの道路に入ると、有料区間である首都高速道路から無料区間であるKK線に一旦出ることになるが、汐留、西銀座、白魚橋に設けられた乗継所では、有料区間から無料区間に流出する乗継所で受け取った乗継券を、10分以内に有料区間に再流入する際に示すと、首都高の通行料金を再度支払う必要が無い[18]。
2013年12月15日の首都高速八重洲線の長期通行止め解除以降、乗継時間が30分から10分に短縮された[19]。ETC搭載車 の場合は、有料区間から無料区間に流出する乗継所150 m手前でETCの通信が行われ、有料区間に再流入する際はETCレーンを通行することで乗継券が不要となる。従ってETC搭載車が乗継所で停止する必要はない。
不動産賃貸事業
道路の高架下をテナントビルとして不動産賃貸事業を行っている。高架下のビルは14棟、10万m2の貸室スペースを有し[11]、店舗(銀座ナイン、銀座コリドー街、銀座ファイブ、西銀座デパート、銀座インズなど)やオフィス、駐車場として活用されている[20]。なお、本社事務所も銀座インズ3号館2階に入居している[21]。
前述のとおり、本道路は河川を埋め立てて建設されたが、その一部は千代田区と中央区、および港区と中央区の境界となっていた。しかし事前に境界確定の取決めを経ずに埋め立てられたため、現在でもこの道路の土地の行政上の所属は決まっていない。この為、各テナントは、郵便物や荷物等を送付させる場合、店舗出入口側の向側の地番に、“先”という地番外地名を通称で付けている[22]。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 “首都高ドライバーズサイト KK線のご利用について”. 首都高速道路. . 2017-8-27閲覧.
- ↑ “道路資産保有及び貸付状況 都道首都高速2号線 (PDF)”. 独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構. . 2018-2-17閲覧.
- ↑ “道路資産保有及び貸付状況 都道首都高速8号線 (PDF)”. 独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構. . 2018-2-17閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 4.2 “自動車道事業”. 東京高速道路. . 2017-8-27閲覧.
- ↑ “首都高ドライバーズサイト JCT・複雑なルート案内 汐留”. . 2014閲覧.
- ↑ “首都高ドライバーズサイト JCT・複雑なルート案内 京橋”. . 2014閲覧.
- ↑ 講談社 図解・首都高速の科学 川辺謙一著 P61
- ↑ 8.0 8.1 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「TKD profile
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ “日本有料道路協会 東京高速道路”. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2014閲覧.
- ↑ 10.0 10.1 堀江興「東京の高速道路計画の成立経緯」、『土木計画学研究・論文集』第13巻、土木学会、1996年、 1-22頁、 doi:10.2208/journalip.13.1。
- ↑ 11.0 11.1 “会社情報”. 東京高速道路. . 2017-8-27閲覧.
- ↑ 12.0 12.1 12.2 12.3 12.4 12.5 “沿革”. 東京高速道路. . 2017-8-27閲覧.
- ↑ “首都高ドライバーズサイト 首都高の歴史 1964年”. . 2014閲覧.
- ↑ “首都高ドライバーズサイト 首都高の歴史 1966年”. . 2014閲覧.
- ↑ “首都高ドライバーズサイト 首都高の歴史 1973年”. . 2014閲覧.
- ↑ 道路交通法上は普通自動車
- ↑ “首都高速道路における自動二輪車の二人乗り規制について”. 警視庁. . 2017-8-27閲覧.
- ↑ “乗り継ぎでのご利用について”. 首都高速道路. . 2017-8-27閲覧.
- ↑ “KK線の乗継時間の変更について(12月15日(日)午前8時より)”. 首都高速道路株式会社 (2013年12月2日). . 2013閲覧.
- ↑ “不動産賃貸事業”. 東京高速道路. . 2017-8-27閲覧.
- ↑ “アクセスマップ”. 東京高速道路. . 2017-8-27閲覧.
- ↑ “TBSラジオ 森本毅郎・スタンバイ 2011年10月27日(木)”. . 2014閲覧.