本朝文粋
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『本朝文粋』(ほんちょうもんずい)は平安時代中期の漢詩文集。14巻。藤原明衡撰。平安時代初期から中期の漢詩文427編を分類し収める。
概説
成立年代は康平年間と推定されている。本書編纂の為に多くの公文書の記述使用が覗い知れるため、明衡が文章博士や東宮博士の要職に就いた晩年期の編纂であろうというのがその根拠。
書名は宋の姚鉉(ようげん、zh)の『唐文粋』(zh)に依ったか。
『文選』に倣い39に分類しているが、日本独自の仏教関連の願文や、文章・和歌等もあり、わが国社会情勢に適したものに改めようとした意図が感じられる。
主な作者は、大江匡衡・大江朝綱・菅原文時・紀長谷雄・菅原道真・源順・大江以言・兼明親王・都良香・紀斉名など。
多くは四六駢儷文であり、また日本初の文使用編纂書であり公文書が多数含まれている事から、故実典例として参考にされたが、江戸時代に至り駢儷文が否定されるようになると省みられなくなった。
版本
- 刊本
- (吉川弘文館、1999年) ISBN 4-642-00332-0
- (吉川弘文館、2007年OD版) ISBN 978-4-642-04031-0
- 注釈
- 小島憲之 校注『懐風藻 文華秀麗集 本朝文粋』(岩波書店日本古典文学大系69、1964年)
- 柿村重松『本朝文粹註釋』上、下(冨山房、1982年) ISBN 4-572-00751-9
- 大曽根章介、金原理、後藤昭雄 校注『本朝文粹』(岩波書店新日本古典文学大系27、1992年) ISBN 4-00-240027-1
関連研究書籍
- 大曾根章介『王朝漢文学論攷 『本朝文粋』の研究』(岩波書店、1994年) ISBN 4-00-000253-8
- 土井洋一・中尾真樹 編『本朝文粋の研究 校本篇・漢字索引篇』全三冊(勉誠出版、1999年) ISBN 4-585-10042-3
- 後藤昭雄『本朝文粹抄』(勉誠出版、2006年) ISBN 4-585-05367-0
- 後藤昭雄『[http: /www.bensey.co.jp/book/2092.html 本朝文粹抄二]』(勉誠出版、2009年) ISBN 978-4-585-05407-8