朝日新聞社杯競輪祭
テンプレート:自転車レース 朝日新聞社杯競輪祭(あさひしんぶんしゃはいけいりんさい)は、小倉競輪場(現在は北九州メディアドームにある)で競輪が創設されたことを記念して行われるGI競走である。競輪ファン・及びメディア(冠スポンサーである朝日新聞系列を除く)では「競輪祭」「小倉競輪祭」と通称される。
概要
本大会は、当年のKEIRINグランプリへの出場権を賭けた、最後のGI競走である。また、GP/GI競走では唯一本大会のみ開催地が固定されている(他の競走は開催地持ち回り)。
小倉競輪場ではほぼ通年でナイター競走(愛称:スペースナイトレース)が実施されているが、場外発売においてはナイター競走の発売体制が全国的には不十分であることから、競輪祭期間中は他のGI同様に昼間開催で行われている。ただ、2018年度の第60回大会よりGI初のナイター競走とし、併せて6日間制の復活、ガールズケイリンの同時開催(ガールズケイリンコレクションのような特別競走ではないが、同年のガールズグランプリ出場選手を最終決定とするトライアルレース[1])の実施も決定した[2]。
特別優秀競走は「ダイヤモンドレース」の名称で実施されている。
賞金
以下は、近年の決勝戦における各着順の賞金額。( )内は副賞(1〜3着に授与)を含んだ金額。
大会(年) | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 | 7着 | 8着 | 9着 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第58回(2016年)[3] | 2,800万円(2,890万円) | 1,440万円(1,480万円) | 940万円(964万円) | 680万円 | 560万円 | 470万円 | 380万円 | 350万円 | 330万円 |
第59回(2017年)[4] | 2,800万円(2,890万円[5]) | 1,440万円(1,480万円[5]) | 940万円(964万円[5]) |
歴史
1951年11月21 - 26日に第1回「競輪祭」が開催された。第1回の競輪祭を開催した時には既に各競輪場でも「競輪祭」のタイトルは使われていたが、小倉競輪場が競輪発祥の地である事を意識して当時の通商産業省が他競輪場では「競輪祭」のタイトルを使わぬよう通達を出した[6]。その後は競輪創設より節目となる年に合わせて数年おきに開催されていたが、1963年より毎年の開催に移行された。
かつては「全日本新人王戦」と、「全日本競輪王戦」との別開催による2本立てトーナメントで行われ、1978年までは、前半(前節)3日間が新人王戦、後半(後節)3日間が競輪王戦という日程を組んでいた。そのため、新人王戦の優勝者には競輪王戦への出場資格が与えられ、1963年に高原永伍が新人王(当時は新鋭王戦)と競輪王を連続優勝している例もある。1979年より、初日から4日目までは新人王戦と競輪王戦の番組を混在させる形を取り、5、6日目は競輪王戦出場メンバーのみの戦いとなった。KPK制度導入により、1983年4月にS級が設けられて以降、しばらくは新人王戦に出場できる選手はS級に限定されていたものの、後にS級特進条件が厳しくなったことから、A級選手も一部参加できる「S・Aトーナメント」化されたが、1998年に、当時A級選手だった齋藤登志信が優勝したことに対する制度上の批判が上がったことや、1999年に4日間開催に移行したことから、新人王戦は事前に選抜されたメンバー9人による1R一発勝負の方式となった。
2001年度からの競輪の番組制度改革に伴い新人王戦はヤンググランプリに移行し競輪祭からは外されたことで、新人王戦に出場する選手が競輪王戦には出場できず競輪王戦において強力な若手の先行選手が少なくなる状況が解消された。また、競輪祭の開催時期が1月に変更(開催は2002年)され、この開催時期の変更と同時に、朝日新聞社から社杯が授与されるようになり、それに伴い開催名称が競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦に変更された。
2009年度より開催時期が再び11月に戻されることになったため、2009年は1月(2008年度扱い・第50回大会)[7]と11月20日 - 11月23日(第51回大会)とで、2回開催された。また、大会の正式名称をその第51回大会より現在の名称に改称した[8]。
決勝戦のテレビ中継は、主催者に朝日新聞社が含まれていることから、2009年 - 2012年は九州朝日放送制作により、自転車を題材にした特番ドキュメンタリーに内包するという形[9]でテレビ朝日系列の放送局のうち一部地域にて放送されたが、テレビ朝日系列局が所在しても同地域内の独立放送局や他系列局での放送となることがあった[10](これまではテレビ西日本( - 1990年まで)、TXN九州→TVQ九州(1991年 - )発で放送されたが、一部でネットされない局などもあった)。 なお、2013年以降はテレビ東京系列で放送されている。
2005年(1月・第46回)[11]から2012年までの開催では、選手とは別に、各競輪場で実況を担当するアナウンサーのファン投票も行われ、その上位4名が競輪祭の実況を1日ずつ担当するという試みがなされていた(ただし各日の前半レースは弥永正宏が担当する年もあった)[12]。
2018年からはナイター競走に移行。6日間開催を復活させ、一次予選はポイント制とし、ポイント獲得上位者が二次予選へ進出できるよう番組を変更[13]。但し出場正選手は従来通り108名とし、全日12レースを行う(うち初日から三日目は4レースがガールズケイリン)[2]。
出場選手選抜方法
朝日新聞社杯競輪祭の出場選手は、各競輪場の記念競走の決勝で好成績を残した勝負強い選手が選抜される。毎回若干変更・修正されるものの、概ね以下の資格順位により正選手108名、補欠選手8名を選抜する。
- 選考期間…平均競走得点:当年3月〜8月(6ヶ月)・4日制GIII成績:前年9月〜当年8月(12ヶ月)、選考月…9月、最低出走回数…24出走[14]
- S級S班在籍者
- 過去3回以上優勝した者(開催時S級1班所属が条件)
- 4日制GIII(記念競輪およびトラック支援競輪)[15]の決勝での1〜3位の回数上位者
1位の回数が同数の場合は2位の回数の多い選手を、2位の回数が同数の場合は3位の回数の多い選手を順次選抜する
3位の回数が同数の場合は平均競走得点上位者を優先して選抜する - 残余がある場合は、平均競走得点上位者を順次選抜する
なお、補欠選手は正選手を除く選手のうち4日制GIIIの決勝での1〜3位の回数上位者からさらに順次選抜される。残余があれば、平均競走得点上位者からの選抜となる。
また、正選手のうち、S級S班在籍者と4日制GIIIの決勝での1〜3位の回数上位者の合計27名については、特別選抜予選に出走できる。
勝ち上がり方式
優秀 | 初日 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 最終日 |
---|---|---|---|---|---|---|
DMD(1) | 準決勝(3) | |||||
一次予1(8) | 一次予1(4) | 二次予A(3) | 決勝(1) | |||
一次予2(4) | 一次予2(8) | 二次予B(3) | ||||
敗者戦 | - | - | - | (5) | (9) | (11) |
女子 | 予1(4) | 予2(4) | 決勝(2) | |||
敗者戦(2) |
従来どおり正選手108名。
- 1-3日目
- 「一次予選」 各選手2回出走し、合計ポイント1〜9位が「ダイヤモンドレース」進出。10〜36位が「二次予選A」へ、37〜63位が「二次予選B」へ。
- 4日目
- 「二次予選B」 各レース1〜2着6名が「準決勝」進出。
- 「二次予選A」 各レース1〜4着12名が「準決勝」進出。
- 「ダイヤモンドレース」 二次特別選抜予選として、最終レースに行われる。失格にならない限り、9名全員が「準決勝」進出。
- 5日目
- 「準決勝」 後半3レース。各レース1〜3着9名が「決勝」進出。
- 6日目(最終日)
- 「決勝」 最終レース。上位3着は表彰式で表彰台に上がることができる。また、優勝者には優勝インタビューやウイニングランなどが執り行われる。
- 2017年以前、4日間制時代
かつては6日間開催のトーナメント制であったが、1999年度より2017年度までは、4日間のシリーズで行われていた。
初日〜4日目すべて12レース[20]。
優秀 | 初日 | 2日目 | 3日目 | 最終日 |
---|---|---|---|---|
DMD(1) | 準決勝(3) | |||
特選予選(3) | 二次予選(6) | 決勝(1) | ||
一次予選(9) | ||||
敗者戦 | - | (5) | (9) | (11) |
- 初日
- 「一次予選」 合計9レース行われ、各レース1〜4着36名が「二次予選」進出。
- 「特別選抜予選」 一次予選の後に合計3レース行われ、各レース1〜3着9名は無条件で2日目の「ダイヤモンドレース」と、3日目の「準決勝」進出権利が同時に得られる。4〜9着18名は「二次予選」進出。
- 2日目
- 「二次予選」 合計6レース行われ、各レース1〜3着18名が「準決勝」進出。
- 「ダイヤモンドレース」 二次特別選抜予選として、最終レースに行われる。失格にならない限り、9名全員が「準決勝」進出。
- 3日目
- 「準決勝」 後半3レース。各レース1〜3着9名が「決勝」進出。
- 4日目(最終日)
- 「決勝」 最終レース。上位3着は表彰式で表彰台に上がることができる。また、優勝者には優勝インタビューやウイニングランなどが執り行われる。
- 「特別優秀」 「決勝」前の合計2レース。「準決勝」各レース4〜6着9名と、二次予選敗退選手による3日目「特選」各レース1〜3着9名の18名により行われる。
その他、2日目以降に予選敗退者を対象とした「特一般」(2日目)、「一般」、「選抜」、「特選」(3日目以降)が開催される。
過去の優勝者
全日本競輪王戦および全日本新人王戦の優勝者について記述する。なお第5 - 8回に開催された新人王戦は「新鋭王座」戦[21]として実施。
女子優勝者
回 | 競輪王決勝日 | 優勝者 | 府県 |
---|---|---|---|
1 | 1951年11月26日 | 木本登美子 | |
2 | 1953年11月30日 | 立川玉子 | テンプレート:岡山 |
3 | 1955年11月24日 | 田中和子 | テンプレート:奈良 |
今後の開催予定
脚注
- ↑ 2017年までの「ガールズグランプリ」は、基本的に当年1月 - 9月における賞金獲得上位者が選出されていた。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 “平成30年度 朝日新聞社杯競輪祭の見直しについて”. keirin.jp (2017年10月10日). . 2017閲覧.
- ↑ 第58回朝日新聞社杯競輪祭(GⅠ)(SK3) 副賞を含まない金額
- ↑ 朝日新聞社杯競輪祭(GⅠ)(SK3) 副賞を含まない金額
- ↑ 5.0 5.1 5.2 日刊スポーツ大阪本社版2017年11月26日12面
- ↑ ●競輪祭は小倉だけではなかった!?
- ↑ 平成21年度特別競輪等の開催場等について
- ↑ 平成21年度特別競輪等の一部開催名称の決定及びSSカップ(仮称)の20年度前倒し開催の決定について
- ↑ 締め切り前のオッズ表示や展開予想などは一切行っておらず、レースに関しては発走直前〜着順確定の間だけ放送。
- ↑ 2012年度のネット局は、BS日テレ(日本テレビ系のBS放送)、テレビ神奈川、テレビ埼玉、チバテレビ、とちぎテレビ、群馬テレビ(以上JAITS)、メ〜テレ、朝日放送(以上テレビ朝日系列)、テレビ高知、熊本放送(以上TBS系列)
- ↑ 若生武則の 『第46回競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦(GI)レポート』 2日目編
- ↑ 第47回競輪祭 実況者投票 小倉アスリートファンサイト
- ↑ 競輪における予選でのポイント制は、2005年から2008年にかけて行われたオールスター競輪以来(オールスター競輪では2009年以降はポイント制は廃止し勝ち上がり戦に変更されている)。
- ↑ 2014年の第56回朝日新聞社杯競輪祭のみ、一部選手を対象に18出走へと急遽変更された。
- ↑ 朝日新聞社杯競輪祭(GI)の出場選手選抜方法の一部改正について - KEIRIN.JP・2016年12月14日(2017年より3日制のトラック支援競輪は選考から除外される)
- ↑ 平成30年度朝日新聞社杯競輪祭に係る概定番組について
- ↑ ガールズグランプリ2018 トライアルレース(FII)参加選手数及び選抜方法
- ↑ 2人の優勝者がガールズGPへ 競輪祭など番組変更 - 日刊スポーツ、2018年1月26日
- ↑ 平成29年度寛仁親王牌・競輪祭・全日本選抜【GI】概定番組変更について - KEIRIN.JP、2017年8月24日(平成29年度寬仁親王牌世界選手権記念トーナメント・朝日新聞社杯競輪祭・読売新聞社杯全日本選選抜【GI】概定番組)
- ↑ 2016年大会までは、4日目(最終日)のみ全11レースしか設定されないため、3日目「一般」各レース7〜9着9名が最終日を待たずに強制的に(失格はなくても)途中帰郷(「お帰り」)させられていた[19]。
- ↑ 月刊競輪Web 2012年年間記録集 (PDF) の29ページ
外部リンク
- 小倉競輪場(競輪祭とは)
- 歴代優勝者を写真や映像で紹介している
- 朝日新聞社杯競輪祭 競輪資料室|KEIRIN.JP