旭川空港
旭川空港(あさひかわくうこう、英: Asahikawa Airport)は、北海道旭川市及び上川郡東神楽町にまたがる特定地方管理空港。
概要
北海道第2の都市旭川市中心部から南東約16km(バスで約35分)の田園地帯に囲まれた丘陵地帯に位置する[1]。旭川を中心とした道北の経済、文化、観光の拠点である。空港の東側には、日本最大の国立公園である大雪山連峰と、これに続く十勝岳連峰の山々がある。
1966年6月に1,200mの滑走路を持つ[1]第三種空港として供用を開始。1980年、第二種空港に格上げ。以降2度の滑走路延長を行い、現在の滑走路は2,500m×60mの長さとなっている[2]。滑走路の方向は16/34で、滑走路全体に渡り平行誘導路を有する。着陸帯の幅は300mであり[1]、計器着陸に対応している。計器着陸装置(ILS)は、滑走路34にカテゴリIが設置されている[1]。
管理者の旭川市による除雪体制が充実しており、新千歳空港のように大雪で閉鎖されることがほとんどない。冬でも就航率が高く、2008年 - 2012年の5年間で降雪による欠航はわずか5便のみである[3](ただし旭川空港の発着便は1日10~15便程度しかなく新千歳空港とは比べ物にならない)。一方で年間約1億5000万円にものぼる除雪費がほぼそのまま空港収支の赤字となっており、財務面での負担となっている[3]。
2006年に初の定期国際線となる、韓国・ソウル便が就航[1]。近年は台湾の北海道ブームにより、2005年と2006年には300便を超える国際チャーター便が運航され、以降もなお年間150便程度が運航されている。
年間利用客数は、国内949,645人、国際160,492人(2014年度)[4]。2008年度の旅客数実績では、道内で唯一需要予測を上回った[5]。
2015年12月5日の北海道新聞朝刊で、国際線ターミナルの改築を含む整備計画が報じられた。国際線を受け入れる能力が限界に達したための措置。2017年10月3日には、増改築の起工式が行われた。2018年10月末の完成、19年9月のグランドオープンの予定[6]。
沿革
- 1966年6月 - 滑走路1200m×30mで開港[1]。
- 1980年 - 第二種空港(B)に指定される[2]。
- 1981年5月 - 滑走路延長工事のため、空港を一時供用中止[1]。
- 1982年2月 - 滑走路1640m×45mで空港再開[1]。
- 1982年11月 - 滑走路を2000mに延長[1]。
- 1997年2月 - 滑走路を2500mに延長[1]。
- 1998年 - 平行誘導路完成。
- 2000年5月 - 現ターミナルビル供用開始[1]。
- 2006年6月 - 定期国際線(韓国・ソウル便)就航[1]。
施設
空港ターミナルビルは、東神楽町の滑走路東側に1棟あり、内部を国内線・国際線で分けて使用している。ボーディングブリッジは4基を備える(うち1番スポットは内際切り替えに対応)。旭川空港ビル株式会社が運営している。地上3階建て。
- 1階 - 航空会社カウンター、到着ロビー、総合案内
- 2階 - 国内線出発ロビー、国際線出発ロビー、ホールディングルーム、ショッピングモール、ビジネスラウンジ「空」、有料待合室
- 3階 - 展望デッキ(無料)、展望ロビー、レストラン
- 有料駐車場 - 約1120台
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ターミナルビル、北側から撮影
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管制塔
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国際線出発口
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ラウンジ「空」
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エプロン
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上空からの旭川空港。背後にそびえる山は十勝連峰
拠点・焦点都市としている航空会社
この空港をハブ空港(拠点都市)としている航空会社は無い。
就航路線
航空会社が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便(コードシェア便)
国内線
航空会社 | 就航地 |
---|---|
日本航空 | 東京国際空港、大阪国際空港 (8月のみ運航) |
全日本空輸 [7] | 中部国際空港、関西国際空港 (6月 - 9月のみ運航) |
AIRDO ・ 全日本空輸 | 東京国際空港 |
かつての定期就航路線
就航空港 | 旅客数 | 国内線順位 |
---|---|---|
東京国際空港 | 約81万人 | 上位34位 |
国際線
- (季)とついている路線は季節運航便
航空会社 | 就航地 |
---|---|
中国東方航空 | 上海/浦東(季)、北京/首都(季) |
春秋航空 | 上海/浦東(季) |
エバー航空 | 台北/桃園(季) |
アシアナ航空 | ソウル/仁川(季) |
ティーウェイ航空 | ソウル/仁川(季) |
タイガーエア台湾 | 台北/桃園 |
アクセス
旭川市中心部まで約15km、富良野市まで約40km。旭川駅までバスで約35分。
その他
ターミナルビル2階にはJALUX・全日空商事などの土産物屋が並び、北海道の有名菓子や海産物がひと通り揃っている。免税店も設けられている。かつては丸井今井(2009年7月の旭川店閉店に伴い撤退)、西武百貨店(2016年9月の旭川店閉店に先立ち、同年6月末撤退)が出店していた。2016年7月には同空港初のドラッグストアとしてサッポロドラッグストアーが進出している[9]。土産物屋は「ロテル・ド・北倶楽部」、「ひよこのお昼ねプリン」など地元・旭川の菓子店の商品が取り扱われている。じゃがポックル、花畑牧場生キャラメルなどの商品もある。なお、旭川空港の空弁には「たこまき」と「ジンむす」がある。
空の日を記念して毎年、旭川空港まつりが行われる。その際には駐車場が無料になる。また、旭川市は北海道のスキー発祥地であるため、スキーを伝えたレルヒ大佐の銅像が駐車場の横に建っている。空港の南東側は「就実の丘」と呼ばれる航空機撮影や丘陵風景の撮影ポイントである。ターミナルの横にある芝生の公園「グリーンポート」からは空港が一望でき、空港が開いているときは自由に立入りができる。東神楽町のアメダス設置地点でもある。
かつてはコミューター航空会社の北海道エアシステムが就航していたが、2013年1月に函館 - 旭川線を廃止したのを最後に撤退。また格安航空会社(LCC)としては、スカイマークが2008年4月に参入したが、搭乗率の低迷を理由に2014年3月に撤退した[10]。
脚注
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 “旭川空港”. 北海道の空港. 国土交通省北海道開発局. . 2015-9-17閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 “旭川空港”. 管内空港の現況. 国土交通省東京航空局. . 2015-9-17閲覧.
- ↑ 3.0 3.1 “雪ニモ負ケズ 旭川空港”. 北海道新聞. (2013年1月31日)
- ↑ “管内空港の利用状況概況集計表(平成26年度速報値)” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省東京航空局
- ↑ “旅客数実績 道内10空港 予測下回る 釧路、帯広は5割以下”. 北海道新聞. (2010年3月9日). オリジナルの2010年3月12日時点によるアーカイブ。
- ↑ 関係者が工事の無事祈念 旭川空港国際線ビル増改築で起工式 北海道建設新聞社(2017年10月4日)2017年10月4日閲覧
- ↑ ANAウイングスの機材・乗務員で運航する便あり
- ↑ “平成26年度の航空輸送統計の概況について” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省総合政策局, (2015年7月3日)上位50位までを記載
- ↑ 本日、サツドラがOPENしました! - 旭川空港ターミナル・2016年7月27日
- ↑ “スカイマーク、熊本・旭川から撤退!路線再編で5路線を運休に 3月29日で”. ジョルダンニュース (2014年2月3日). . 2015-9-17閲覧.
関連項目
- 旭川飛行場 - 陸上自衛隊旭川駐屯地内にある800mの滑走路。旭川空港開港前は民間にも供されていた。
- 北海道の関与団体の一覧 - 旭川空港ビル株式会社は北海道の「関与団体」として指定されている。
- グリーンポート - 空港ターミナルに隣接した位置にある公園。
外部リンク
- 旭川空港ターミナル
- 旭川空港利用拡大期成会
- 旭川空港 - 国土交通省 北海道開発局 港湾空港部