日高川
日高川(ひだかがわ)は、和歌山県中部を流れる二級水系の本流。総延長では熊野川、紀ノ川に次いで和歌山県を流れる河川の中で3番目であるが、県内だけの長さに限れば最長となる。なお、日本一長い二級河川である(2008年10月現在)。流域は奈良県吉野郡十津川村の一部が含まれるため、内陸8県に6水系しか流れない二級水系の一つである。安珍・清姫伝説の舞台としても有名である。
地理
護摩壇山に源を発し、山間部を大きく蛇行。途中椿山ダムを経て、丹生ノ川、寒川(そうがわ)、初湯川(うぶゆがわ)、江川などの支流と合流しつつ、田辺市北部、日高川町、御坊市の河口部にある日高港を経て太平洋に注ぐ。
田辺市龍神村内では龍神温泉がすぐそばに湧き出しており、旅館が立ち並んでいる。
清流であり、流域には蛍の生息地が点在する。上流部およびその支流ではアマゴなどの渓流釣りが盛んである。また中下流部では鮎釣りが盛んで、稚魚の放流も行われている。
河口付近では、山がちな和歌山県にあって県下第二位の面積を成す日高川平野を形成しており、花卉栽培が盛んである。 また河口部の干潟ではハマボウの群生が見られる。
流域の自治体
歴史
県下の他の河川同様、上流では古来より林業が盛んで、木材運搬のため筏流しが行われてきた。
急流で蛇行が多く、また夏季の雨量が多いため、しばしば流域に水害をもたらしてきた。 中でも1953年(昭和28年)7月18日の水害(7.18水害と呼ばれる)は死者行方不明者289名という大被害をもたらした。 治水などのため、1989年(平成元年)に旧美山村(現日高川町初湯川)地内に県内最大の多目的ダムである椿山ダムが建設された。
トピック
御坊市を走る紀州鉄道にかつて日高川駅があった。日高川河口近くの右岸に位置していたが、1989年(平成元年)3月31日限りで西御坊駅 - 日高川駅間が廃止となり、廃駅となった。