日立国際電気
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株式会社日立国際電気(ひたちこくさいでんき、英: Hitachi Kokusai Electric Inc.)は、日本の大手電気機器メーカー。
同社は、日立グループ内にて無線通信機器や放送・映像機器の製造販売を手がけていた、国際電気・日立電子・八木アンテナの3社が、2000年10月1日付で、旧国際電気を存続会社として合併して誕生した(八木アンテナはその後同社の100%子会社として分社化)。
旧国際電気は、国際無線電信・国際無線電話・国際海底線電話の設備建設保守を業務とする特殊会社として国策により設立された、国際電気通信(株)の狛江工場を源流とする。
Contents
主な事業内容
主に無線通信システム、放送映像システムが主力。かつては音声タイプの携帯電話やポケットベルも製造していた(旧国際電気にて)。現在でもNTTドコモ向けなどに、FOMA通信モジュール(UM02-KO)などを製造している。
- 無線通信システム
移動体通信用インフラ、防災行政無線システム、交通・運輸向け無線システム、構内無線システム、消防無線システム、各種無線機器、ワイヤレスブロードバンド、無線パケット通信機、航空管制用無線電話装置、航空機・船舶搭載機器 - 情報処理システム
証券・金融ソリューションシステム、株価通報システム、マルチメディア情報表示システム - 放送システム
ファイルベース映像報道編集・記録・送出システム、伝送・送信システム、中大電力送信機、受信システム、放送カメラ、エリアワンセグシステム、家庭用テレビ受信機器、共同受信用機器、CATV用設備・機器 - 監視システム・画像処理
広域ネットワーク監視システム、プラント監視システム、セキュリティー監視システム、産業用カメラ
※子会社取り扱い事業を含む
過去の事業
かつて営んでいた成膜プロセスソリューション事業は、2018年6月1日より親会社の株式会社KOKUSAI ELECTRICが継承している。
- 事業内容
- 半導体製造装置
バッチサーマルプロセス装置、バッチ高温アニール装置、バッチEpi-SiGe・Epi-Si装置、200mmウェーハ対応バッチサーマルプロセス装置、シリコンエピタキシャル成長装置、枚葉プラズマ窒化・酸化装置、枚葉アッシング装置
- 半導体製造装置
- 事業所(工場)
- 主なグループ会社
- (株)国際電気セミコンダクターサービス(富山県富山市)- 半導体製造装置の保守サービスほか。
- Kokusai Electric Korea Co., Ltd.(韓国)- 韓国半導体メーカー向け製造装置の製造、販売、保守、据付を手がける。
沿革
前述したように日立グループの同業3社が合併して成立した会社である。
旧国際電気
無線通信機器や情報処理装置、そして半導体製造システムを手がけていた。
- 1940年 国際電気通信が東京都狛江町に自家用通信機工場(狛江工場)を開設[1]。
- 1948年 国際電気通信の逓信省への業務移管に伴い、狛江工場を電元工業(現 新電元工業)として分離。
- 1949年 電元工業から狛江工場が独立して国際電気株式会社を設立。
- 1954年 日本初の列車誘導無線装置を阪神電気鉄道(株)に納入。
- 1957年 日本電信電話公社に日本最初の誘導無線方式公衆用列車無線電話装置を納入。
- 1961年 東証1部上場。国産初の業務用電子レンジを発売[2]。
- 1963年 日本初の純国産拡散炉開発。
- 1967年 狛江工場から、東京都西多摩郡羽村町に開設した羽村工場(2013年10月閉鎖)へ移転。
- 1985年 山梨県富士吉田市に富士吉田工場を開設(2002年3月閉鎖)。
- 1989年 富山県婦負郡八尾町に富山工場を開設。同年、仙台市泉区に仙台研究所を開設。(後の八木記念情報通信システム研究所。2003年12月閉鎖)
- 1989年 大韓民国天安市に現地法人 KOKUSAI ELECTRIC KOREA CO.LTD を設立。
- 1996年 千歳市に千歳工場開設(2003年12月閉鎖)。
旧日立電子
無線通信機器や放送・映像機器を手がけていた。
- 1948年 芝電気株式会社設立。(商標:シバデン)
- 1955年 昭和電子株式会社設立。
- 1956年 テレビカメラの国産化に成功。
- 1958年 アナログコンピュータがベルギー万博でグランプリを受賞。小金井工場を新設。
- 1958年 国産初の放送用VTRを完成。
- 1961年 芝電気、東証・大証2部上場。昭和電子株式会社が日立電子株式会社に社名変更。
- 1964年 東京オリンピックにVTR独占供給、カメラ、中継機も大活躍。
- 1967年 芝電気の製造会社として東北シバデン株式会社設立。(後に日立電子仙台工場→日立国際電気仙台事業所→東北電子エンジニアリング→日立国際電気仙台分工場を経て、現在の五洋電子仙台工場)
- 1973年 芝電気と(旧)日立電子が合併(存続会社は芝電気)し、新生・日立電子が発足。
- 1975年 山梨県北巨摩郡小淵沢町(現・北杜市)に小淵沢工場を開設(2001年12月閉鎖)。
- 1978年 家庭用ビデオカメラ(発売元は日立家電販売)を開発。但し1980年発売の国産初の固体化カメラは日立製作所の製品。[3]
旧八木アンテナ
- 1952年 八木アンテナ株式会社設立。
- 1957年 国産第1号8段スーパーターンスタイルアンテナ開発(北海道放送に納入)。
- 1959年 複合アンテナ開発(特許取得)。
- 1960年 埼玉県大宮市(現・さいたま市大宮区)に大宮工場を新設。
- 1962年 東証2部上場。
合併後
- 2000年10月1日 国際電気を存続会社として、日立電子・八木アンテナが合併し現社名に。
- 2001年 アキタ電子(現・アキタ電子システムズ)の持ち株全てを日立製作所に売却し、電子部品事業より撤退。同年、小淵沢事業所を閉鎖。仙台事業所を分社化し東北電子エンジニアリングを設立。
- 2002年 富士吉田事業所を閉鎖。
- 2003年 千歳事業所と、八木記念情報通信システム研究所(仙台市内に存在した)を閉鎖。
- 2004年 八木アンテナ事業部を分社化。
- 2006年 本社を秋葉原UDXビルに移転。富山工場に生産棟を新設。小金井工場に事務・設計棟を新設。
- 2009年3月 日立製作所の株式公開買付けにより出資比率が約52%に達し、同社の子会社となる。
- 2010年 東北電子エンジニアリングを吸収合併し仙台分工場を設立。
- 2013年4月 仙台分工場を子会社・五洋電子に移管。事業集約により八木アンテナなど一部子会社が消滅。
- 2013年10月 小金井工場の生産棟を改築。旧国際電気の主力工場であった羽村工場を閉鎖しその機能を小金井工場に集約。旧八木アンテナ大宮工場の機能も同工場に集約[4]。小金井工場を東京事業所へ改称。
- 2016年10月 本社を東京都港区西新橋の日立愛宕別館に移転。
- 2017年4月 米国プライベート・エクイティ・ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が株式公開買付け(TOB)を発表した。しかし、市場価格が買付け価格を上回る状態が続いたことから、KKRはTOBを見送った[5]。
- 2017年10月 KKR傘下のHKEホールディングスはTOB価格を従来の2503円から2900円に引き上げ、TOBを再開した[6]。一方、米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントも株式購入を進め、当局への報告書において8.59%の株式を保有していることが判明した[7]。
- 2017年12月15日 TOB成立によりKKR傘下のHKEホールディングスは普通株式25.55%(2624万2364株)を取得[8]。
- 2018年3月9日 東京証券取引所上場廃止
- 2018年3月14日 株式併合を行い、株主が日立製作所及びHKEホールディングス株式会社のみとなる[9]。
- 2018年5月31日 日立製作所の保有全株式を自己株式として取得[10]。子会社の株式会社日立国際八木ソリューションズが、国際電気テクノサービス株式会社及び株式会社エッチエスサービスを吸収合併して、株式会社HYSエンジニアリングサービスに商号変更[11]。
- 2018年6月1日 成膜プロセスソリューション事業をHKEホールディングス株式会社に吸収分割。同社は株式会社KOKUSAI ELECTRICに商号変更[10][12]。
- 2018年6月4日 株式会社KOKUSAI ELECTRICが保有する当社株式を、日立製作所へ20%、日本産業パートナーズ傘下のHVJホールディングスへ20%、それぞれ譲渡する予定[10]。
事業所
主なグループ会社
- (株)HYSエンジニアリングサービス(東京都小平市)- 通信・放送・映像・情報機器/システムの保守・修理・運用支援・設置工事、計測機器の保守・修理、アンテナの設計・開発・販売など。
- (株)五洋電子(秋田県潟上市、宮城県柴田郡柴田町)- 映像・無線ネットワーク部門の生産を担っている。
- Hitachi Kokusai Linear Equipamentos Eletrônicos S/A(ブラジル)- 南米における地上デジタル放送機器事業を手がける。
他、北米・欧州・アジア各地にグループ会社が存在している。
過去存在したグループ会社
- (株)国際電気テクノサービス(東京都小平市)- 保険、商事、ビルメンテナンス、技術、情報、人材派遣、物流サービス事業。
- (株)エッチエスサービス(東京都新宿区)- 電気工事、各種無線機、ビデオ機器の設計、製造、販売、据付工事、保守。
脚注
- ↑ 狛江市市民活動情報・生活情報誌わっこ、狛江市生活活性化
- ↑ 沿革 - 日立国際電気 会社情報
- ↑ “トランジスタ技術 2005年2月号 P116”. . 2018年5月13日閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 グループ会社の再編について - 日立国際電気 ニュースリリース
- ↑ HKEホールディングス合同会社による当社株式に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
- ↑ HKEホールディングス合同会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
- ↑ Elliott again ups Hitachi Kokusai stake, KKR raises offer price Reuters 2017年10月12日
- ↑ HKEホールディングス合同会社による当社株券に対する公開買付けの結果並びに主要株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
- ↑ 株式併合及び定款の一部変更に関する臨時株主総会開催のお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
- ↑ 10.0 10.1 10.2 上場廃止後の経営体制に関するお知らせ - 日立国際電気 ニュースリリース
- ↑ 映像・通信ソリューション事業のグループ会社の再編について - 日立国際電気 ニュースリリース
- ↑ 映像・通信技術と放送技術とを強みとした新たな体制で営業を開始 - 日立国際電気 お知らせ