NHK出版
株式会社NHK出版(エヌエイチケイしゅっぱん、NHK Publishing, Inc.)は、1931年(昭和6年)に設立された日本の出版社である。日本放送協会 (NHK) の関連会社で、2010年までの旧社名は日本放送出版協会(にっぽんほうそうしゅっぱんきょうかい)であった。
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概要
1931年6月、同月開局のNHKラジオ第2放送で放送される教育番組用のテキストを出版するためにメトロ出版社の事業を引き継ぎ設立された。NHKの演奏所移転に合わせて、愛宕山→内幸町→渋谷と本社移転を変遷している。現在では、NHKで放送される番組を補完するテキストや書籍を多数扱うほか、『NHKブックス』『NHK出版新書』シリーズをはじめ、オリジナルの一般書・教養書・実用書を数多く刊行している。
タイムリーな翻訳書にも定評があり、世界的にもベストセラーとなった哲学を扱った『ソフィーの世界』、発売前に全ページを無料(FREE)でネット公開して話題となった『FREE』、『THINK SIMPLE』、『ゼロ・トゥ・ワン』などのビジネス書、『脳を鍛えるには運動しかない!』、『BORN TO RUN 走るために生まれた』、『ワープする宇宙~5次元時空の謎を解く』、『モリー先生との火曜日』など科学・教養・ノンフィクションなど幅広い分野のタイトルを刊行している。
また、NHK番組での各種音楽の著作権を管理する業務(音楽出版)も行っている。また、書籍以外にも、ラジオ番組連動型のデジタルコンテンツや、NHK Eテレの番組テキストと連動した「テキスト関連アイテム」(「きょうの料理ビギナーズ」関連の調理器具、「すてきにハンドメイド」関連のハンドメイド商品など)の通信販売も行っている。
2011年1月1日、従来は通称・略称であったNHK出版に正式社名を変更した。社名変更の理由について、創業80周年を機に「生活文化提案企業」として社会的な役割を認識し、知るって楽しいをキーワードにより豊かな社会を築くためとして社名変更に至った、と説明している[1]。
経営財務状況
同社の「第86期事業報告」[2]によれば、総資産約191億7千万円のうち約127億4千万円が利益剰余金となっている。利益剰余金は「現金及び預金」約49億9千万円、「投資その他資産」約63億2千万円などの形で保有されている。流動比率(流動資産/流動負債×100)は302%と高く、実質的にほぼ完全な無借金経営である。1株50円に対して6円の配当(配当率12%)が行われている。
刊行される書籍
刊行される書籍のうち、NHKの番組に関連する書籍は、NHK EテレおよびNHKラジオ第2の番組の番組テキストと、それ以外の書籍(NHKのテレビ番組・ラジオ番組の関連書籍)に分類される。
なお、後者に関しては、NHK出版以外の出版社から販売されるものも多い。一例としては、NHKサービスセンターが扱う『NHKウイークリーステラ』別冊(主に『大相撲中継』『ラジオ深夜便』『連続テレビ小説』関連)、主婦と生活社が扱う『ガッテン!』関連書籍、更には、NHKスペシャルや各種教養・教育番組の関連書籍が、新潮社、文藝春秋社、KADOKAWAなど一般の出版社から広く発行されている。
番組テキストは番組放送期間中の発売が原則になるため、NHK Eテレで放送されている再放送枠『Eテレセレクション』において、「現在、このテキストは発売しておりません。」という断り書きテロップが書かれることもある。
テレビ番組テキスト・雑誌
- 家庭テキスト
- 『きょうの料理』(月刊)
- 『きょうの料理ビギナーズ』(月刊)
- 『すてきにハンドメイド』(月刊):旧「おしゃれ工房」「婦人百科」
- 『きょうの健康』(月刊)
- 『趣味の園芸』(月刊):ウェブサイト『みんなの趣味の園芸』も展開
- 『趣味の園芸 やさいの時間』(隔月刊)
- 趣味・教養テキスト
- 『趣味どきっ!』シリーズ:テキストはワンテーマムック(「仏像拝観」シリーズなど)。趣味Do楽シリーズの後身。
- 『100分de名著』(月刊)
- 『まる得マガジン』(月刊):テキスト雑誌はワンテーマムック
- 『囲碁講座』(月刊)
- 『将棋講座』(月刊)
- 『NHK俳句』(月刊)
- 『NHK短歌』(月刊)
- 『みんなの手話』(年2回刊)
- 『社会福祉セミナー』(年2回刊):さまざまな福祉番組を扱う福祉総合雑誌。
- 『みんなのうた』(隔月刊)
- 語学番組テキスト
- 定番の「基礎英語」シリーズは、定番の中学生向けの1、2、3を刊行しているほか、小学生向けに「プレキソ英語」、大人向けの「おとなの基礎英語」「しごとの基礎英語」も新設されたことがあった。現在は小学生向けには「基礎英語ゼロ」、大人向けの「おもてなしの基礎英語」を刊行。
- そのほか英語は月刊誌だけでも『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』『入門ビジネス英語』『実践ビジネス英語』『ラジオ英会話』『英会話タイムトライアル』など。
- 英語以外の語学テキストでは、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、中国語、ハングル講座、ロシア語、アラビア語、ポルトガル語の番組テキストを発行。
- 教育番組
その他の書籍・ムック
- NHK大河ドラマガイド
- NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説
- 『命のビザを繫いだ男 ~小辻節三とユダヤ難民』(山田純大著)
- 『ITビジネスの原理(尾原和啓著)
- 『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』(ケヴィン・ケリー著・服部桂訳)
- 『天、共に在り~アフガニスタン三十年の闘い』(中村哲著)
- 『NHK日本語発音アクセント新辞典(NHK放送文化研究所編)
- NHK年鑑(毎年秋に発行。この1年の放送界全体の動きを記録するもの)
- プロフェッショナル 仕事の流儀
- プロジェクトX〜挑戦者たち〜
- 冬のソナタ(小説版)
- NHK出版新書(社名変更に伴い2011年に生活人新書から名称変更)
- NHKブックス
- NHK「100分de名著」ブックス
- 通信制高等学校向けの学習書(補助教材)も発行。
その他、料理・園芸・健康・語学・趣味分野の実用書籍・ムックも多い。
休刊したテキスト・書籍・雑誌
- テキスト
- NHK市民大学/NHK人間大学/ NHK人間講座
- ひとりでできるもん!(1993年4月号〜2004年3月号)
- 英語であそぼ(1990年4月号〜2005年3月号)
- 食彩浪漫(2003年4月〜2010年3月号)
- おしゃれ工房(〜2010年3月号)(旧:婦人百科)
- 趣味の園芸ビギナーズ(季刊)
- リビング ナウ
- 日本の伝統芸能
- 高校講座シリーズ
- 中学生の勉強室
- そろばん教室
- 雑誌
- 電波科学(1933年〜1985年3月号)→エレクトロニクスライフ(1985年4月号〜1996年3月号)→パソコンライフ(1996年4月号〜1997年3月号)
- 生活ほっとモーニング
- 放送文化(~2011年秋号・月刊や季刊の違いはあったものの、NHKを中心に放送業界に関する話題を掲載していた)
- H2O
- ERIO
- サラリーマンライフ/Weeks/Be-Common
- おかあさんの勉強室
- 書籍
- ホビーテックシリーズ
脚注
- ↑ 社名変更のお知らせ
- ↑ 第86期事業報告(自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) (PDF) - 株式会社NHK出版
関連項目
外部リンク