新温泉町
新温泉町(しんおんせんちょう)は、兵庫県の北部に位置する美方郡の町。但馬県民局の管轄地域で、2005年10月1日に浜坂町と温泉町が合併して発足した。
Contents
地理
新温泉町は兵庫県および近畿地方の最北西端に位置する町で、西は鳥取県に接し北は日本海に面している。海岸は山陰海岸国立公園に指定されているほか「但馬御火浦」の名称で国の名勝および天然記念物に指定され、また南部の山岳地帯は氷ノ山後山那岐山国定公園および但馬山岳県立自然公園に指定されている。景勝地が多く、集落は海岸および岸田川水系の河川を中心に広がり、南部の山間部には夢千代日記で有名な湯村温泉がある。町全体が日本海側気候で、豪雪地帯に指定されている。
隣接する自治体
人口
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、新温泉町の人口は8.32%減の16,014人であり、増減率は県下41市町村中、49行政区域中ともに最下位である。
新温泉町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
2014年(平成26年)5月8日に「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」が発表した2040年人口推計結果で、20歳から39歳までの若年女性の減少率が2010年(平成22年)比で70.0%となり、「消滅可能性都市」の1つとされた[1]。
歴史
- 慶長10年(1605年)、宮城頼久が二方郡一円を与えられ旧芦屋城の麓に芦屋陣屋を構える。
- 寛永4年(1627年)、頼久の子である宮城豊嗣が将軍家より加増され1万3千石となり陣屋を清富に移し清富藩を興す。
- 2005年10月1日、美方郡浜坂町、温泉町が合併して誕生、新温泉町となる。
行政
- 歴代町長
- 馬場雅人(2005年11月13日 - 2009年11月12日)[4]
- 岡本英樹(2009年11月13日 - 2017年11月12日)
公共機関
警察
- 美方警察署(旧・浜坂警察署)
交番・駐在所
- 浜坂駅前交番
- 久谷駐在所
- 栃谷駐在所
- 諸寄駐在所
- 居組駐在所
- 井土駐在所
- 湯交番
- 桐岡駐在所
- 千谷駐在所
消防
- 美方広域消防事務組合消防本部
司法
経済
産業
- 温泉
- 特産品
報道機関
金融機関
町内に窓口があるもののみ掲載。
教育
高等学校
- 兵庫県立浜坂高等学校
- 兵庫県立浜坂高等学校温泉校(2007年3月末をもって廃校)
中学校
- 新温泉町立浜坂中学校
- 新温泉町立夢が丘中学校(旧・温泉中学校)
小学校
- 新温泉町立浜坂東小学校
- 新温泉町立浜坂西小学校
- 新温泉町立浜坂南小学校
- 新温泉町立浜坂北小学校
- 新温泉町立温泉小学校
- 新温泉町立照来小学校
- 新温泉町立春来小学校-2010年3月末をもって廃校
- 新温泉町立熊谷小学校-2010年3月末をもって廃校
- 新温泉町立八田小学校 - 2012年3月末をもって廃校
- 新温泉町立奥八田小学校 - 2012年3月末をもって廃校
交通
空港
近隣に鳥取空港、但馬空港がある。かつては町内に湯村温泉ヘリポートがあったが2008年に廃止された。
鉄道路線
バス
道路
観光
名所・旧跡・観光スポット
- 清富陣屋跡(城跡) - 清富藩の政庁である陣屋跡
- 但馬御火浦(国の名勝および天然記念物) - 釣鐘洞門、旭洞門、下荒洞門、三尾大島など
- 但馬海岸遊覧船
- 浜坂海岸 - 浜坂県民サンビーチ、山陰海岸ジオパーク館
- 諸寄海岸 - 諸寄東西洞門、諸寄港、千賊断崖、諸寄海水浴場
- 居組海岸 - 居組県民サンビーチ、日本洞門、亀山洞門
- 湯村温泉
- 浜坂温泉郷
- 兵庫県立但馬牧場公園
- おもしろ昆虫化石館
- 上山高原 - 扇ノ山(標高1,310m)山麓に広がる高原。氷ノ山後山那岐山国定公園の区域
- 照来カルデラ
祭事・催事
- ゆむら夜桜まつり - 桜の開花時期。
- 浜坂みなとほたるいか祭り
- 麒麟獅子マラソン
- 湯村温泉まつり - 6月第1日曜日。
- 全日本かくれんぼ大会 - 6月。
- 川下大祭 - 7月中旬。但馬三大祭。
- 荒湯天狗まつり - 7月。
- び〜ちふぇすた - 8月。
- 湯村の火祭り - 8月24日。
- 但馬 “牛まつり” - 9月第4日曜日。
- 歌長太神楽 - 10月1日。
- 浜坂みなとカニ祭り - 11月中旬。
その他施設
- 夢ホール - 600席の多目的コンサートホール
地域放送
- ケーブルテレビ
- 新温泉町ケーブルテレビ夢ネット - 合併前の温泉町が設立したもので、旧・温泉町地域のみが放送エリアである。
- 新温泉町全域をサービスエリアとする構想があった。これに対して対象地域住民の反対署名75パーセント。これをうけ町議会は条例改正を否決。県に提出した補助金交付の申請は受理されず構想は頓挫した。[6]
出身有名人
- 有本松太郎(実業家) - 皆生温泉の基盤を築いた。
- 宮城頼久(戦国武将)
- 宮城豊嗣(清富藩初代藩主)
- 加藤文太郎(登山家)
- 前田純孝(歌人)
- 檀れい(女優)
- 竹中要(遺伝学の権威)
- 篠原無然(教育者)
- 蓮台山(力士)
名称問題
町名については合併後に検討される予定となっており、変更される可能性があったが以下のとおり変更しないこととなった。
浜坂町と温泉町では、2005年4月1日の合併を目指して協議を重ね概ねスムーズに進展していた。だが新町名を巡り、旧町名の除外を求める浜坂町と旧町名を含めて検討すべきと主張する温泉町で対立があり、協議会での議論は平行線をたどり2004年6月16日、事態打開のために町長・議長会に一任し温泉町側の意見を全面採用して町名を「温泉町」にすることが決まった。
ところが浜坂町議会はそれに反発し、合併関連予算の否決、町議会議長の辞職など混乱に陥った。温泉町側は決定事項として再考には応じず、10月2日に調印が行われたが浜坂町では10月18日に議会が廃置分合(合併)議案を否決するなど混乱はさらに拡大、2005年4月1日の合併は不可能となり11月15日、当時の中村浜坂町長が辞職した。12月26日投開票された浜坂町長選挙では町名再考を訴えた陰山町長が当選、しかし浜坂町側の動きに温泉町側は態度を硬化させ、その後も議論は平行線をたどった。
ただし、財政面や地方自治についての長期的な将来展望の観点などから現実的に見て将来的な自治体合併は不可避であるという認識はあり、そのことから双方が譲歩を見せ、旧合併特例法期限の直前の2005年3月19日に「名称は新温泉町とする。ただし合併後も検討する」とすることを合併協議会で合意に至り、3月26日に両町議会が関連議案を可決し3月29日県への申請を行い、合併が成立に至っている。
2012年1月17日、岡本英樹町長は現町名「新温泉」の維持を表明した。これにより、合併協定書にある「名称は、新温泉町とする。ただし、合併後検討する」というただし書きをめぐる問題は、この表明をもって終結した。[7][8]
行政
産業団体
観光団体
脚注
- ↑ 久保聡、神足俊輔、丸井康充(2014年5月9日). “人口推計:県内2040年、21市区町「消滅可能性」 若年女性、新温泉で7割減”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ↑ “新温泉町長選/新温泉町議選 町長選、西村さん初当選 現職の3選阻む”. 毎日新聞. (2017年10月30日) . 2018閲覧.
- ↑ “新温泉町長 温泉課新設を表明「町名にふさわしく」”. 毎日新聞. (2017年11月14日) . 2018閲覧.
- ↑ 新温泉町長選挙 選挙結果 - 選挙ドットコム
- ↑ 福岡県筑紫野市にも同名の温泉がある。詳しくは二日市温泉 (筑紫野市)を参照の事。
- ↑ 日本海新聞但馬版 2008年10月4日より。
- ↑ 「現町名維持を決定 新温泉町の町名変更問題」(日本海新聞 2012年1月18日付)
- ↑ 「町民の皆さまへ 町名は現行のままとします」(広報しんおんせん 2012年2月号)