新印象派
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新印象派(しんいんしょうは、neo-impressionism)とは、印象派の動きを受けて、19世紀末(1880年代前半頃)から20世紀初頭にかけて存在した絵画の一傾向。新印象主義とも呼ばれる。
ジョルジュ・スーラにより創始されたもので、科学性を重視し、印象派による光の捉え方(いわゆる色彩分割)を、より理論化し、点描法によって、光をとらえることができる、と考えた。具体的には、ゲーテやシュヴルールの色彩理論に大きく依拠しているといわれる(ゲーテの色彩論を参照)。
したがって、新印象派の作品の多くは、点描画である。
新印象派に属するとされる主たる画家
- ジョルジュ・スーラ(Georges Seurat)1859-1891
- ポール・シニャック(Paul Signac)1863-1935
- マクシミリアン・リュス(Maximilien Luce)1858-1941
- イポリット・プティジャン(Hippolyte Petitjean)1854-1929
- レオ・ゴーソン(Leo Gausson)1860-1944
- ヤン・トーロップ(Jan Toorop)1858-1928
- アンリ=エドモン・クロス(Henri-Edmond Cross)1856-1910
- テオ・ファン・レイセルベルヘ(Théo van Rysselberghe)1862-1926
- シャルル・アングラン(Charles Angrand)1854-1926
- カミーユ・ピサロ(Camille Pissarro)1830-1903
- ルイ・エイエ(Louis Hayet)1864-1940)
- アンリ・マルタン(Henri Martin)1860-1943
- ジャン・ペスケ(Jean Peské)1870-1949
- アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ(Henry Van de Velde)1863-1957
日本における新印象派関係の展覧会
- スーラと新印象派展1885-1905(2002年、高知県立美術館、宇都宮美術館、京都国立近代美術館、安田火災東郷青児美術館(損保ジャパン東郷青児美術館))
- 取り上げられた作家は、以下のとおり。
- Georges Seurat(ジョルジュ・スーラ、1859-1891)
- Paul Signac(ポール・シニャック、1863-1935)
- Camille Pissaro(カミーユ・ピサロ、1830-1903)
- Albert Dubois-Pillet(アルベール・デュボワ=ピエ、1846-1890)
- Charles Angrand(シャルル・アングラン、1854-1926)
- Lucien Pissaro(リュシアン・ピサロ、1863-1944)
- Maximilien Luce(マクシミリアン・リュース、1858-1941)
- Émile-Gustave Cavallo-Péduzzi(エミール=ギュスターヴ・カヴァッロ=ペドゥッツィ、1851-1917)
- Léo Gausson(レオ・ゴーソン、1860-1944)
- Louis Hayet(ルイ・アイエ、1864-1940)
- Vincent van Goch(フィンセント・ファン・ゴッホ、1853-1890)
- Henri Delavallée(アンリ・ドラヴァレー、1862-1943)
- Alfred-William Finch(アルフレッド=ウィリアム・フィンチ、1854-1930)
- Théo van Rysselberghe(テオ・ファン・レイセルベルヘ、1862-1926)
- Georges Lemmen(ジョルジュ・レメン、1865-1916)
- Jan Toorop(ヤン・トーロップ、1858-1928)
- Anna Boch(アンナ・ボック、1848-1936)
- Henry van de Velde(アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ、1863-1957)
- George Morren(ジョルジュ・モレン、1868-1941)
- Henri-Edmond Cross(アンリ=エドモン・クロス、1856-1910)
- Léon Pourtau(レオン・プルトー、1868-1898)
- Achille Laugé(アシール・ロージェ、1861-1944)
- Hippolyte Petitjean(イッポリート・プティジャン、1854-1929)
- 全23名
- 点描の画家たち展(1985年、国立西洋美術館、京都市美術館)
- 取り上げられた作家は、以下のとおり。
- I 新印象派の画家たち
- Louis Hayet(ルイ・アイエ、1864-1940)
- Charles Angrand(シャルル・アングラン、1854-1926)
- Cavallo-Péduzzi(カヴァッロ=ペドゥッツィ、1851-1917)
- Henri-Edmond Cross(アンリ=エドモン・クロス、1856-1910)本名ドラクロワ(Henri Edmond Joseph Delacroix)
- Léo Gausson(レオ・ゴーソン、1860-1944)
- Paul Signac(ポール・シニャック、1863-1935)
- Georges Seurat(ジョルジュ・スーラ、1859-1891)
- Albert Dubois-Pillet(アルベール・デュボワ=ピエ、1846-1890)
- Henri Delavallée(アンリ・ドラヴァレー、1862-1943)
- Lucien Pissaro(リュシアン・ピサロ、1863-1944)
- Hippolyte Petitjean(イッポリート・プティジャン、1854-1929)
- Henri Person(アンリ・ペルソン、1876-1926)
- Henri Martin(アンリ・マルタン、1860-1943)
- Maximilien Luce(マクシミリアン・リュース、1858-1941)
- Henri Le Sidaner(アンリ・ル・シダネル、1862-1932)
- Achille Laugé(アシール・ロージェ、1861-1944)
- Ernest Laurent(エルネスト・ローラン、1859-1929)
- II 同時代のフランスの画家たち
- Maurice Denis(モーリス・ドニ、1870-1943)
- Camille Pissaro(カミーユ・ピサロ、1830-1903)
- Aristide Maillol(アリスティード・マイヨール、1861-1944)
- Claude Monet(クロード・モネ、1840-1926)
- Georges Lacombe(ジョルジュ・ラコンブ、1868-1916)
- Auguste Renoir(オーギュスト・ルノワール、1841-1919)
- III オランダ・ベルギーの新印象派の画家たち
- Johannes Thorn-Prikker
- Jan Toorop(ヤン・トーロップ、1858-1928)
- Henry van de Velde(ヘンリ・ファン・デ・フェルデ、1863-1957)
- Alfred Finch(アルフレッド・フィンチ、1854-1930)
- George Morren(ジョルジュ・モレン、1868-1941)
- Théo van Rysselberghe(テオ・ファン・レイセルベルヘ、1862-1926)
- Georges Lemmen(ジョルジュ・レメン、1865-1916)
- IV イタリアの分割技法の画家たち
- Giovanni Giacometti(ジョヴァンニ・ジャコメッティ、1868-1933)
- Giovanni Segantini(ジョヴァンニ・セガンティーニ、1858-1899)
- Giacomo Balla(ジャコモ・バッラ、1871-1958)
- Gaetano Previati(ガエタノ・プレヴィアーティ、1852-1920)
- Giuseppe Pellizza da Volpedo(ジョゼッペ・ペリッツァ・ダ・ヴォルペード、1868-1907)
- Umberto Boccioni(ウンベルト・ボッチョーニ、1882-1916)
- V フォーヴィスム・キュビスムの世代の画家たち
- Louis Valtat(ルイ・ヴァルタ、1869-1952)
- Auguste Herbin(オーギュスト・エルバン、1882-1960)
- Vassily Kandinsky(ワシリー・カンディンスキー、1866-1944)
- Arthur Segal(アルトゥール・セガル、1875-1944)
- Francis Picabia(フランシス・ピカビア、1879-1953)
- Jean Puy(ジャン・ピュイ、1876-1960)
- Henri Matisse(アンリ・マティス、1869-1954)
- Jean Metzinger(ジャン・メッツアンジェ、1883-1956)
- André Lhote(アンドレ・ロート、1885-1962)
- Christian Rohlfs(クリスティアン・ロールフス、1849-1938)
- 参考出品 スーラとシニャックの水彩・素描・版画
- 全46名
日本版文献
- 池上忠治編 「後期印象派時代 世界美術大全集西洋編第23巻」 小学館、1993年 大著
- 中山公男監修「後期印象派と世紀末の魅力」 同朋舎出版、1996年
- 「NHKオルセー美術館4 後期印象派 楽園への旅立ち」 日本放送出版協会、1990年
- 高階秀爾ほか編「スーラと新印象派」<世界の名画9> 中央公論社 新装版1995年
- 「印象派と後期印象派」<国内で見られる西洋の名画2> 日本文教出版、大著