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(あい、: love: amour

愛は人間の根源的感情として,全人類に普遍的であり,人格的な交わり,あるいは人格以外の価値との交わりを可能にする力である。ときに憎しみの対立概念とみなされることがあるが,根源的な生命的原理としては,それをも包括するものである。愛は歴史的に,地理的に,さらには交わりの形において諸相をとる。古代ギリシアにおける愛はエロスと呼ばれ,これは肉体的な愛からさらに真理へいたろうとする憧憬,衝動を含んでいる。キリスト教における愛すなわちアガペーは,人格的交わり (隣人愛) と神への愛を強調し,これを最高の価値として自己犠牲により到達されるとした。ルネサンスにおいて愛は再び人間謳歌の原動力ともみなされたが,これは愛の世俗化を意味するものともみられ,工業化の進む現代はその傾向をますます強めている。愛は人間の根源的感情であるところから,ヒンドゥー教でのカーマ,儒教における,仏教における慈悲などすべての文化圏にもみられる。また愛の現れ方は一様ではなく,性愛や友愛,愛国心,家族愛など交わりの諸相によって異なる。交わりの関係がかたよった場合には,異常性愛や憎しみに近い偏執的愛に変ることもあるが,これはもはや本来的な愛とはいえない。




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