徳島自動車道
徳島自動車道(とくしまじどうしゃどう、TOKUSHIMA EXPRESSWAY)は、徳島県鳴門市の鳴門ジャンクション (JCT) を起点とし、愛媛県四国中央市の川之江東JCTに至る延長105.8キロメートル (km) の高速道路である。略称は徳島道(とくしまどう、TOKUSHIMA EXPWY)。
高速道路ナンバリングによる路線番号は、鳴門JCT - 徳島JCT(事業中)間が高松自動車道と松山自動車道(川之江JCT - 松山インターチェンジ (IC) 間)とともに「E11」が、徳島JCT(事業中) - 川之江東JCT間が高知自動車道(川之江JCT - 高知IC間)とともに「E32」が各区間割り振られている[1]。
Contents
概要
国土開発幹線自動車道の路線名は鳴門JCT - 徳島IC間は四国横断自動車道の一部で、徳島IC - 川之江東JCT間は四国縦貫自動車道の一部となっている。
2000年3月11日、徳島・愛媛県境である境目峠を貫く新境目トンネルを含む区間である井川池田IC - 川之江東JCTの開通によって四国四県の県庁所在地をX(エックス)の字に結ぶ通称エックスハイウェイが完成した。
ほぼ全線が吉野川に沿って走行しており、同じく吉野川沿いを走行する国道192号が吉野川の右岸(南側)を走行するのに対し、徳島道は三好市内を除いておおむね吉野川の左岸(北側)の山肌を縫うように走行している。
土成IC - 阿波PAには、6本連続のトンネルがある。車線数は暫定2車線の対面通行(将来は完成4車線にする予定)が95km続き、道路規格と設計速度は鳴門JCT - 脇町ICが第1種第2級で100 km/h、脇町IC - 川之江東JCTは第1種第3級で80 km/hである。 最高速度は70 km/hでありIC付近などを除き、全線が暫定2車線の対面通行であるが、一部区間ではゆずり車線(登坂車線)がある。
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である区間は既開通区間に存在する。
施設欄の背景色が■である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。 - スマートインターチェンジ (SIC) は背景色■で示す。
- 路線名の特記がないものは市道。
- バスストップ (BS) のうち、○/●は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
土成BSと美馬BSはインターチェンジ施設外に設置されているため△としている。 - 英略字は以下の項目を示す。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
7 | 鳴門JCT | E11 高松自動車道 | 300.0 | - | 徳島県 | 鳴門市 | |
1-1 | 松茂PA/SIC | 県道40号徳島空港線 | 302.5 | 松茂町 | |||
徳島JCT | E55 四国横断自動車道(事業中) | 308.5 | - | 2019年度開通予定[2] | 徳島市 | ||
1 | 徳島IC | 国道11号(吉野川バイパス) | 310.1 | キロポストは310.2KPまで | |||
- | 徳島TB | - | 3.1 | - | 2013年6月4日廃止[3] | ||
2 | 藍住IC | 県道1号徳島引田線 | 9.1 | 藍住町 | |||
- | 上板SA | - | 15.9 16.7 |
○ | 下り線 上り線 |
上板町 | |
3 | 土成IC | 国道318号 | 22.3 | △ | 阿波市 | ||
- | 阿波PA/SIC | - | 37.1 37.4 |
○ | SICは準備段階調査中[4] KPは上段 上り線、下段 下り線 | ||
4 | 脇町IC | 国道193号(香南脇道路(候補路線)[5]) | 41.2 | ○ | 美馬市 | ||
5 | 美馬IC | 国道438号 | 52.7 | △ | |||
- | 吉野川SA/SIC 三好BS |
県道266号昼間辻線(町道経由) | 68.5 | ○ | 吉野川ハイウェイオアシス併設 SICは6 - 22時でIC番号の標識は存在していない |
東みよし町 | |
6 | 井川池田IC | 国道32号(善通寺池田道路(候補路線)[5]) 国道192号 |
73.8 | 三好市 | |||
- | 池田PA | - | 86.8 | ||||
7 | 川之江東JCT | E32 高知自動車道 | 95.3 | - | キロポストは95.5KPまで | 愛媛県 | 四国中央市 |
- 鳴門JCT - 徳島IC間のキロポストは300KPを基準に設置されている。
- キロポストは徳島ICでリセットされ、0KP自体は存在せず0.1KPから設置されている。また、310.2KPから0.1KPの間の距離は0.2 kmある。
歴史
- 1994年(平成6年)3月17日 : 藍住IC - 脇町IC間が開通。
- 1995年(平成7年)8月9日 : 徳島IC - 藍住IC間が開通し上板SAが供用開始。
- 1997年(平成9年)12月3日 : 脇町IC - 美馬IC間が開通し阿波PAが供用開始。
- 1999年(平成11年)3月30日 : 美馬IC - 井川池田IC間が開通。
- 2000年(平成12年)3月11日 : 井川池田IC - 川之江東JCT間が開通し[6]、これにより高知自動車道と接続しエックスハイウェイが完成する[7]。
- 2004年(平成16年)10月31日 : 吉野川SAで吉野川ハイウェイオアシススマートIC社会実験が開始。
- 2006年(平成18年)10月1日 : 吉野川スマートICが恒久化し本格供用を開始。
- 2013年(平成25年)6月4日 : 徳島TBを廃止。これにより徳島IC料金所を新設し供用開始。
- 2015年(平成27年)3月14日 : 鳴門JCT - 徳島IC間が開通し[8]、これにより全線開通。
路線状況
車線・最高速度・料金
ほぼ全線で暫定2車線となっているが、一部区間では4車線となっている。
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 | 料金 |
---|---|---|---|
鳴門JCT - 川之江東JCT | 2=1+1 (暫定2車線) |
70 km/h | 有料 |
4車線化に向けた動き
徳島自動車道は、2016年現在でほぼ全線が暫定2車線区間となっており、4車線化されているのはインターチェンジ周辺などの11区間の14.7 km(整備率は約15 %)に限られているため、徳島県や沿線自治体等は渋滞緩和や安全対策として、早期4車線化を国土交通省や西日本高速道路株式会社へ要望している[9]。
現在は、西日本高速道路株式会社が主体となって藍住IC - 脇町IC間、美馬IC - 吉野川SA(または井川池田IC)間における拡幅の計画が立てられているが[9]、高松自動車道で全線4車線化が決定するも、予算が計上されず施工が止まっていた[注釈 1]。拡幅には通行量1日1万台が目処とされているなかで、1日約7千台にとどまっており、完全4車線化の見通しについては不透明である。
なお、2016年8月25日に西日本高速道路株式会社 四国支社は、脇町IC - 土成IC間において、阿波PA付近を中心とした区間7.5 kmに付加車線を設置することを明らかにした。脇町IC - 土成IC間の前後にある付加車線を含めた10.2 kmを4車線化し、おおむね5年程度を目標に供用開始を目指している[10]。
主なトンネルと橋
区間 | 構造物名 | 長さ | |
---|---|---|---|
上り線 | 下り線 | ||
松茂PA - 徳島IC | 今切川橋 | 1,180 m | |
徳島IC - 藍住IC | 徳島高架橋 | [11]1,272 m | |
徳命高架橋 | [11]1,693 m | ||
藍住IC - 上板SA | 東中富高架橋 | 564 m | |
土成IC - 阿波PA | 水田第1トンネル | 540 m | |
切幡トンネル | 700 m | ||
上喜来高架橋 | [11]696 m | ||
脇町IC - 美馬IC | 野村谷川橋 | [12]528.5 m | |
美馬IC - 吉野川SA | 河内谷川橋 | [11]525 m | |
太刀野トンネル | 2,400 m | ||
宮の岡橋 | [11]548 m | ||
吉野川SA - 井川池田IC | 吉野川橋 | [11][注釈 2]853 m | |
井川池田IC - 池田PA | 池田トンネル | 1,280 m | |
新山トンネル | 890 m | ||
池田へそっ湖大橋 | [11]705 m | ||
白地トンネル | 2,890 m | ||
池田PA - 川之江東JCT | 新境目トンネル | 2,790 m | |
下川トンネル | 880 m | ||
下川川橋 | 780 m | 763 m |
トンネルの数
区間 | 上り線 | 下り線 |
---|---|---|
鳴門JCT - 土成IC | 0 | |
土成IC - 阿波PA | [注釈 3]6 | |
阿波PA - 美馬IC | 0 | |
美馬IC - 吉野川SA | 1 | |
吉野川SA - 井川池田IC | 0 | |
井川池田IC - 池田PA | 3 | |
池田PA - 川之江東JCT | 2 | |
合計 | 12 |
- 全線で暫定2車線の対面通行であるため、上下線で1本のトンネルとなっている。
道路管理者
- 西日本高速道路株式会社 四国支社
- 徳島管理事務所 : 鳴門JCT - 井川池田IC
- 香川管理事務所 : 井川池田IC - 川之江東JCT
ハイウェイラジオ
- 太刀野(美馬IC - 吉野川SA)
交通量
24時間交通量(台) 道路交通センサス
区間 | 平成17年(2005年)度 | 平成22年(2010年)度 | 平成27年(2015年)度 |
---|---|---|---|
鳴門JCT - 松茂PASIC | 調査当時未開通 | 5,707 | |
松茂PASIC - 徳島IC | 5,259 | ||
徳島IC - 藍住IC | 5,502 | 5,710 | 7,057 |
藍住IC - 土成IC | 7,901 | 8,382 | 9,207 |
土成IC - 脇町IC | 7,863 | 8,475 | 9,119 |
脇町IC - 美馬IC | 6,731 | 7,413 | 8,178 |
美馬IC - 吉野川SASIC | 5,696 | 6,368 | 7,118 |
吉野川SASIC - 井川池田IC | 5,617 | 6,183 | 6,905 |
井川池田IC - 川之江東JCT | 4,905 | 5,518 | 6,283 |
(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
2010年度の調査では、全線を平均した交通量は6,864台。最も交通量が多い区間は藍住IC - 脇町IC間で、8,000台を超えている。2005年調査と比較した交通量は全線を通して増加しているが、混雑度は1.0を下回っており、混雑することは全線を通してほとんどない。また、暫定2車線の影響で最高速度は全線で70 km/hであるが、実際の旅行速度は昼間12時間で全区間で70 km/hを超えており、最大81 km/hで流れている区間もある。
地理
通過する自治体
接続する高速道路
脚注
注釈
出典
- ↑ “高速道路ナンバリング一覧”. 国道交通省. . 2017閲覧.
- ↑ “四国横断自動車道 側道整備事業・周辺対策事業”. 徳島市. . 2018閲覧.
- ↑ “徳島自動車道 徳島本線の料金所位置を変更いたします ― 平成25年6月4日(火曜) 朝6時00分より 現在工事中の徳島インターチェンジ料金所を運用開始いたします ―”. 西日本高速道路株式会社 (2013年5月23日). . 2018閲覧.
- ↑ “スマートインターチェンジの新規事業化・準備段階調査について (PDF)”. 国土交通省 道路局. p. 7 (2015年6月30日). . 2018閲覧.
- ↑ 5.0 5.1 “地域高規格道路”. 国土交通省 四国地方整備局. . 2018閲覧.
- ↑ “来年3月に高速道路5区間が開通、総延長6615kmに”. レスポンス. 株式会社イード (1999年12月17日). . 2018閲覧.
- ↑ “高知自動車道 これまで果たした役割の振り返り (PDF)”. 西日本高速道路株式会社. p. 1. . 2018閲覧.
- ↑ “徳島自動車道(鳴門(なると)JCT〜徳島(とくしま)IC間)が平成27年3月14日(土曜)に開通します”. 西日本高速道路株式会社 (2015年1月27日). . 2018閲覧.
- ↑ 9.0 9.1 “徳島道、追い越し車線10キロ追加 全線4車線化へ前進”. 一般社団法人 徳島新聞社 (2009年5月13日). . 2018閲覧.
- ↑ “【徳島】西日本高速 徳島道阿波PA付近を4車線化”. 地方建設専門紙の会 (2016年9月2日). . 2018閲覧.
- ↑ 11.0 11.1 11.2 11.3 11.4 11.5 11.6 “【徳島県】橋梁点検結果 (PDF)”. 国土交通省 四国地方整備局 徳島河川国道事務所. pp. 4-5 (2017年3月31日). . 2018閲覧.
- ↑ “橋年表”. 株式会社 錢高組. . 2018閲覧.