御坊南海バス
御坊南海バス(ごぼうなんかいバス)は、和歌山県のバス事業会社。南海電気鉄道の子会社。
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概要
乗合バス事業と貸切バス事業(観光バスなど)がある。特に、貸切バスには「NANKAI」のロゴが付けられているため、利用客から南海バス(大阪府・2代)に問い合わせられることがあるが、南海バスは既に貸切バス事業から撤退している。[1]なお、観光バスについては大阪府岸和田市にも営業所を持っている。
現在は和歌山県内の他の南海グループのバス路線と直接接続していない。また和歌山市駅に乗り入れていた当時より、スルッとKANSAI対応のカード類は元より、3・3・SUNフリーきっぷなど南海が企画したその他のフリーきっぷも利用出来なかった。現在でも磁気カードやICカードの類の利用は出来ず、今後の対応も未定。
2016年8月5日より、夜行高速バス「ドリーム和歌山号」に参入。
沿革
- 1974年(昭和49年) - 南海バス(和歌山県・初代、現在の南海バスとは無関係)と白浜急行バスが合併し、南海白浜急行バス設立。
- 1984年(昭和59年) 3月6日 - 南海白浜急行バスから分離設立。
- 1984年(昭和59年)10月1日 - 営業開始。
- 2009年(平成21年)9月30日 - 和歌山線(和歌山市駅 - 湯浅)廃止。
- 2016年(平成28年)8月5日 - 夜行高速バス「ドリーム和歌山号」に参入。
営業所
- 御坊本社営業所 - 和歌山県御坊市薗37
- 田辺営業所 - 和歌山県田辺市宝来町11-39
- 大阪営業所(観光バス) - 大阪府岸和田市木材町12-4
運行路線
高速バス
※2016年8月5日から参入
※2016年12月12日から運行経路および愛称を変更
※南海ウイングバス南部との共同運行
一般路線
※全て地域間幹線系統として、国・和歌山県の補助を受ける[2]。
- 日の岬パーク線
- 御坊駅 - 大浜通り - 和歌山病院前 - アメリカ村 - 海猫島
- 印南線
- 御坊駅 - 御坊南海バス前 - 学園前 - 印南町役場前
- 阿尾線
- 御坊南海バス前 - 御坊本町 - 紀伊内原駅 - 阿尾 - アメリカ村
- 真妻線(日裏線):平日は1日4本、日曜・祝日は1日2本
- 御坊南海バス前 - 稲原駅 - 古井 - 日裏
- 日高川線
- 御坊南海バス前 - 御坊駅 - 道成寺駅 - 高津尾 - 川原河(かわはらごう)
- 湯浅線:1日5本、日曜・祝日全便運休
- 済生会病院 - 湯浅駅 - 井関 - 権保橋
廃止路線・廃止区間
- 和歌山市駅 - 御坊南海バス前 (1988年頃廃止)
- 和歌山市駅・海南 - 美山愛徳荘 (2001年10月1日廃止)
- 阿尾線: 比井 - 温泉館前 (2003年5月1日廃止)
- 中津線: 高津尾 - 下田原 - 三十木 (2008年10月1日廃止)
- 寒川線: 川原河 - 寒川 (2008年10月1日廃止)
- 福井線: 川原河 - 福井 (2008年10月1日廃止)
- 上初湯川線: 川原河 - 上初湯川 (2008年10月1日廃止)
- 和歌山線: 和歌山市駅 - 紀三井寺 - 海南 - 箕島 - 星尾 - 湯浅 (2009年10月1日廃止)
- この路線は、かつて南海白浜急行バスが運営していた 和歌山 - 白浜線の名残であり、湯浅 - 御坊間の廃止以降は、他の路線とは接続しない離れ小島路線となっていた。
- 日の岬パーク線: アメリカ村 - 日の岬パーク(2009年10月1日廃止)
- 地元の要望を受け、2010年10月1日より アメリカ村 - 海猫島間を延長運行することになった[3]。
車両
2007年3月31日現在、路線バスとして19台のバス車両を保有する。うちノンステップバスは4台、低床バス(ここではノンステップバス、ワンステップバス、スロープ付きバスを指す)は6台[4]。また、2010年より日野・ポンチョを新規に購入している[5]。
路線バス車両は、その大半を日野製が占める。特にレインボーが主流車種である。南海系では珍しく、小型のレインボーRBも導入しているが、大阪府内の路線を運行する南海バスから譲渡されたリエッセの導入で廃車が進行している。
また、同社のレインボーは初期ボディの時代から角型2灯の前照灯を装備している。一部に丸型2灯の車両が存在するが、これは南海バスからの譲渡車である。他に、少数の三菱製バスが存在する。
初期のノンステップバスは、ノーステップバスと表記されている他、後期の車両と比較してロゴの形状にも変化がある。塗装は、南海グループでは他に南海りんかんバスにしか残されていない南海グループのバスの旧塗装、通称Nカラーを基本に、自社用にGのロゴを採用しマイナーチェンジを施したものを採用している。なお、南海バスからの譲渡車は、南海バス時代そのままの塗装を採用しているが、一部はGのロゴを挿入したハイブリッド塗装となっている。
かつては、緑に白帯の独自の塗装をしていたが、1988年頃より他の南海グループを追って現行のカラーリングに変更された。なお、この塗装は前述の2010年より導入された日野・ポンチョに20年ぶりに採用されることとなった。
貸切用のバス車両も、多数の日野車と、少数の三菱車という構成。一部に小型の貸切バスや、車内をサロン配置に転換可能なバスが存在している。なお、ホームページで貸切バスの設備等が紹介されている。
「南海バス」との関係
前述の通り、同社の源流である御坊市内の路線は、もともと南海電鉄との資本関係を持たない、初代「南海バス」によって運行されていた。後に同社は南海電鉄の資本下におさまり、南海白浜急行バスを経て、再分離後に以前とほぼ変わらない規模の「御坊南海バス」となった経緯がある。
南海電鉄より自動車運輸部門が切り離され、2代目「南海バス」が誕生したのは、御坊南海バス誕生から17年後の2001年となってからであった。しかしながら、以前より電鉄の自動車運輸部門は「南海バス」の愛称で呼ばれていた[6]。
御坊地区を走る同社と、大阪地区を走る南海バスは、直接的な路線の繋がりが存在しないながらも、現在においては共に南海グループの一員であり、排気ガス規制の厳しいエリアを走行する南海バスより、御坊南海バスへ中古車両を譲渡することも多いのは前述の通りである。また、既に存在しない南海バスの観光部門と、御坊南海バスの貸切バスは、類似した塗装を採用していた。
とは言え、両社は共に南海電気鉄道傘下の兄弟会社という間柄であり、南海バスが大阪府内に持つ2つのバス運営子会社(南海ウイングバス南部・南海ウイングバス金岡)と異なり、南海バスとの間に横断的な資本関係は無い。このような関係は南海グループの他の和歌山県内のバス会社(和歌山バスや南海りんかんバスなど)と南海バスとの関係でも同じであるが、同社の場合は南海電鉄の自動車運輸部門の各営業所から発足した会社ですら無く、従って過去に遡っても同一会社であったことは無い。
なお、現在でも御坊市内など御坊南海バスの走行エリアにおいては「南海バス」といえば御坊南海バスのことを示している。
2016年8月5日から、南海ウイングバス南部が運行している夜行高速バス「ドリーム和歌山号」に参入し、同社と共同運行をしている。
脚注
- ↑ 譲渡先のクリスタル観光バスは南海グループではない。現在は大阪バスグループの近畿観光バスへ再譲渡された。
- ↑ [1] 和歌山県が補助金を交付した県内のバス路線(平成27年度) (PDF)
- ↑ 御坊南海バス 日の岬パーク線の終点延長へ 日高新報 Web Hidaka
- ↑ 和歌山県内のバスの状況 平成19年3月31日現在 (PDF, 和歌山県企画部地域振興局総合交通政策課)
- ↑ 御坊南海バスが新しい路線バス購入 日高新報 Web Hidaka
- ↑ なお、電鉄直営時代のバス車体には「南海電鉄バス」と表記されていた。