弥彦山
弥彦山(やひこやま)は、新潟県の西蒲原郡弥彦村と長岡市[1]との境界にある標高634mの山である。
Contents
概要
越後平野の日本海沿いに連なり、弥彦山塊、弥彦山脈と呼ばれる山並みの主峰。北は角田山(482m)、南は国上山(313m)に連なる。弥彦山自身も、北に位置する多宝山(634m)との双耳峰である。一連の山と共に佐渡弥彦米山国定公園に指定されている。
新潟県の広い地域から見ることができ、弥彦神社の祭神・天香山命を祀った山として、古くから人々の崇敬を集め、山全体が弥彦神社の神域となっている。英彦山、雪彦山と共に日本三彦山と呼ばれる。
海岸よりいきなり突き出した山容をしており、かの深田久弥も著書日本百名山の後書きにて「名山には違いないが絶対的な標高が足りなかった」と述べたように、標高の割に非常に秀麗な山容をしている。
地質的には安山岩、玄武岩、流紋岩など種々の火山岩が分布し、海岸側には枕状溶岩も見られるが、海底火山が隆起した物なのかそれとも別の成り立ちなのか、研究は殆どされていない現状である。
登山
登山道は中部北陸自然歩道のコースとなっており[2]、北側は弥彦神社の参道[3]、南側は雨乞山近くの八枚沢[4]に登山口がある。地元の小学生でも登る山であるが、途中に岩場などの難所もある。山稜には『弥彦山スカイライン』(新潟県道561号弥彦岩室線、冬期間は閉鎖)が通り、また、東側には麓から山頂付近まで弥彦山ロープウェイも架けられており[5]容易にアクセスが可能である。ロープウェイの駅には売店、レストハウス、遊園地があり、周辺には弥彦神社の奧社(御神廟)がある[6]。山頂からは日本海や越後平野を一望することができ、佐渡島に沈む夕日は秀逸である。
放送局の送信所
弥彦山は新潟県のほぼ中央に位置しているため、ここから送信することで新潟県の平野部をほぼカバーすることができる。 そのため、新潟県内のNHK、民放各社のテレビ・FMラジオ送信所、防災無線などの中継所が山頂にアンテナを設置している[7]。
各種送信所があることから、電波障害防止のため、地元の日本アマチュア無線連盟新潟県支部では、1970年代より弥彦山でのアマチュア無線の運用自粛を呼びかけている。
送信エリアは、新潟市・燕市・長岡市など越後平野を広くカバーしている。しかし、県内の一部の地域には山間部も多く弥彦山からの電波が届かない地域もある。 また、スピルオーバーが原因で秋田県内でデジタル混信が発生したため、秋田県の送信所である大森山公園に置かれている親局の一部で大幅なチャンネル変更に追い込まれた。
地上デジタルテレビ放送
ID | 放送局名 | コール サイン |
チャンネル | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域 内世帯数 |
開局年月日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | NHK新潟総合 | JOQK-DTV | 15ch | 3kW | 26kW | 新潟県 | 62万2468世帯 | 2006年4月1日 |
2 | NHK新潟Eテレ | JOQB-DTV | 13ch | 全国放送 | ||||
4 | TeNYテレビ新潟 | JOPI-DTV | 26ch | 30kW | 新潟県 | 2006年10月1日 | ||
5 | UX新潟テレビ21 | JOUX-DTV | 23ch | 27kW | ||||
6 | BSN新潟放送 | JODR-DTV | 17ch | 29kW | 2006年4月1日 | |||
8 | NST新潟総合テレビ | JONH-DTV | 19ch | 30kW |
地上アナログテレビ放送
放送局名 | コールサイン | チャンネル | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 開局年月日 | 閉局年月日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
BSN新潟放送 | JODR-TV | 5ch | 映像5kW /音声1.25kW |
映像37kW /音声9.3kW |
新潟県 | 不明 | 1958年12月24日 | 2011年7月24日 |
NHK新潟総合 | JOQK-TV | 8ch | 1958年12月1日 | |||||
NHK新潟Eテレ | JOQB-TV | 12ch | 全国放送 | 1962年11月1日 | ||||
UX新潟テレビ21 | JOUX-TV | 21ch | 映像30kW /音声7.5kW |
映像290kW /音声71kW |
新潟県 | 1983年10月1日 | ||
TeNYテレビ新潟 | JOPI-TV | 29ch | 映像300kW /音声75kW |
1981年4月1日 | ||||
NST新潟総合テレビ | JONH-TV | 35ch | 1968年12月16日 | |||||
※NHK新潟総合は開局当初から1962年3月31日までは、2chで放送されていた。 |
FMラジオ放送
放送局名 | コールサイン | 周波数 | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 開局年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
FM新潟 | JOXU-FM | 77.5MHz | 1kW | 5.2kW | 新潟県 | 約-世帯 | 1987年10月1日 | なし |
FM PORT | JOWV-FM | 79.0MHz | 4.9kW | 51万9014世帯 | 2000年12月20日 | |||
NHK新潟FM | JOQK-FM | 82.3MHz | 5.6kW | 約-世帯 | 1964年7月1日 | |||
BSN新潟放送 | - | 92.7MHz | 3.3kW | 67万6672世帯 | 2015年11月1日[8] | FM補完中継局[9] |
マルチメディア放送
放送局名 | 周波数 | 空中線電力 | ERP | 放送区域 | 放送区域内世帯数 | 開局日 |
---|---|---|---|---|---|---|
ジャパン・モバイルキャスティング 「NOTTV」 |
214.714286MHz | 12.5kW | -kW | 下越地方・中越地方の平野部、上越市と佐渡市の一部[10] | 約69万世帯[10] | 2013年9月27日 |
送信所施設について
FM新潟は、NHKの設備と共同使用している。またUX(NT21)は、開局当初からTeNY(TNN)の鉄塔を共同使用していたが、地上デジタル放送開始を機に鉄塔・UHF送信アンテナをBSNの施設との共同使用に変更した(送信局舎は、開局時より単独)。
その他
- 弥彦山スカイラインにて、実写版頭文字Dの撮影がされた。
- 標高634mは東京スカイツリーと同じ高さであり、現地案内板や弥彦観光協会のサイトでは大々的にPRしている[11]。
- かつて山系の東側は低湿地であり、慢性的な水害に悩まされたことから、山系を横断する大規模なトンネル放水路(樋曽山放水路、新樋曽山放水路、新々樋曽山放水路、矢川放水路、国頭放水路)が多数設置されている。
- 弥彦山頂上駐車場と弥彦山ロープウェイ山頂駅のりばの間にはクライミングカーと呼ばれる斜行エレベーターが運行されている[5][12]。
- 弥彦山頂上駐車場[12]には「パノラマタワー」と呼ばれる展望塔があり[5]、ここから越後平野や佐渡ヶ島などを360度見渡すことができる。この塔は新潟市にある「レインボータワー」と同じ形状をしている。なお、新潟市のレインボータワーは既に廃業しているが、こちらのパノラマタワーは現在も営業している。
周辺の山
脚注
- ↑ 旧三島郡寺泊町
- ↑ “中部北陸自然歩道A-7 彌彦神社をたずねるみち ルート図 (PDF)”. 弥彦村. . 2018閲覧.
- ↑ “弥彦山・弥彦神社登山口”. 新潟県観光協会. . 2018閲覧.
- ↑ “弥彦山・八枚沢登山口・中部北陸自然歩道”. 新潟県観光協会. . 2018閲覧.
- ↑ 5.0 5.1 5.2 “弥彦山ロープウェイ”. 弥彦観光索道株式会社. . 2018閲覧.
- ↑ “御神廟”. 彌彦神社. . 2018閲覧.
- ↑ アンテナ建設の時には、「信仰の対象である山に、アンテナは相応しくない」との反対意見もあった。
- ↑ 株式会社新潟放送の災害対策用FM補完中継局に免許を付与 - 総務省信越総合通信局・2015年10月20日リリース
- ↑ 株式会社新潟放送の災害対策用FM補完中継局に予備免許-信越初のFM補完中継局に対する予備免許- - 総務省信越総合通信局・2015年7月15日リリース
- ↑ 10.0 10.1 携帯端末向けマルチメディア放送局の予備免許を交付(新潟中継局) - 総務省信越総合通信局(2013年5月31日プレスリリース)
- ↑ “東京スカイツリーの高さは 弥彦山と同じ634m”. 弥彦観光協会. . 2018閲覧.
- ↑ 12.0 12.1 “大展望をたのしもう ~弥彦山マップ~”. 弥彦観光索道株式会社. . 2016閲覧.
関連項目
- 越国
- NHK赤塚ラジオ放送所(中波放送送信所)
- BSN新潟放送(同上)
- 弥彦山ロープウェイ