延岡駅
延岡駅(のべおかえき)は、宮崎県延岡市幸町三丁目にある、九州旅客鉄道(JR九州)・日本貨物鉄道(JR貨物)日豊本線の駅である[1][2][3]。事務管コードは▲920554[4]。
高千穂鉄道高千穂線が乗り入れていたが、2005年(平成17年)に台風の被害により運休となり、休止を経て2007年(平成19年)に正式に廃止されている[1]。
Contents
歴史
- 1922年(大正11年)
- 1923年(大正12年)12月15日 - 宮崎本線が日豊本線に改称[5]。
- 1935年(昭和10年)2月20日 - 日ノ影線が日向岡元駅まで開通[7]。
- 1945年(昭和20年)
- 1972年(昭和47年)7月22日 - 日ノ影線が高千穂線に改称[7]。
- 1982年(昭和57年)3月 - 自動券売機稼働開始により近距離きっぷの硬券廃止。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 荷物の取り扱いを廃止[6]。この頃、出札(みどりの窓口)と改札(案内所)が統合された。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR九州・JR貨物が継承。旧案内所(改札事務室跡)がJR九州直営うどん店「弁慶」として開業。
- 1989年(平成元年)4月28日 - 高千穂線の運営がJR九州より高千穂鉄道に転換される[7]。
- 1990年(平成2年) - 硬券入場券の発売終了。
- 1992年(平成4年)2月 - 駅収入管理システム (POS) 端末(初代、非磁気券)稼働により、全ての硬券発売終了。この頃は基本的にマルスのみ発売であったが、(当時の)マルス運用時間から外れる深夜時間帯の夜行急行日南発着時のみ硬券の乗車券・急行券を発売していた。
- 1996年(平成8年)6月1日 - 宮崎総合鉄道事業部発足により、大分支社から鹿児島支社に移管。
- 2005年(平成17年)9月6日 - 台風14号で高千穂線が被災し全線運休。
- 2007年(平成19年)9月6日 - 高千穂線延岡 - 槇峰間廃線。
- 2009年(平成21年)6月1日 - 20フィートコンテナの取り扱いを開始[8]。
- 駅周辺の再開発事業が計画されている[9][10][11][12]。
- 2015年(平成27年)12月5日 - 駅舎改修と複合施設の新設工事に伴い、仮駅舎での営業開始。また、バリアフリーに対応したエレベータ付き跨線橋を新設[13]。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)4月13日 - 延岡市駅前複合施設「エンクロス」開館。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の合計2面3線のホームと留置線数本を有する地上駅で、ホーム間はエレベータ付きの跨線橋で結ばれている。
鉄筋コンクリート造りの駅本屋[1]は構内の西側にあり、単式ホームに接して設置されている。直営駅で、みどりの窓口とPOS端末機・液晶ディスプレイ式の小型発車標の設備を有する。延岡中学校(現・宮崎県立延岡高等学校)に通学した若山牧水が延岡を想って書いた詩が駅舎玄関の大きな柱に書かれており、駅名標のイラストは五ヶ瀬川を渡る鮎が描かれている。
現在は、出改札担当1人・助役1人の計2人(1日当たり)が宿直勤務に従事する。他に信号担当など日勤の設定もある。 現在の出札窓口数は1となっている。
駅舎
駅舎は1965年(昭和40年)に供用開始されたものであるが、延岡駅周辺整備事業(通称:駅まち)の進捗にともない、2015年12月5日からいったん仮駅舎へ移行し、耐震化・内装の全面変更など大規模な改修工事を行った上で2017年8月5日に再度供用開始した。その後、市民活動スペース、読書空間(TSUTAYA図書館)、カフェ機能等を備えた複合施設「エンクロス」を駅舎前方に建設し[17][18]、2018年4月13日にオープンした。「エンクロス」はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者となり運営する。
2018年2月、前月の延岡市長選挙で当選した読谷山洋司が「CCCへ支払う委託料(約1億3000万円)が高額であり費用対効果を検証するため」として開業を無期延期することを表明したが[19]、3月19日に市議会予算審査特別委員会において「延期は認めない」とする動議が可決され市長が受け入れたため、4月13日に全面開業した。施設内の総合待合スペースや改修された東西自由通路は当初の予定通り4月1日から供用開始されている。
仮駅舎移行時に同時に跨線橋も新設され、バリアフリーに対応したエレベータ付きの新跨線橋となった。
1 | ■日豊本線 | (上り) | 佐伯・大分・小倉・博多方面 |
---|---|---|---|
(下り) | 日向市・宮崎・宮崎空港方面 | ||
2 | ■日豊本線 | (下り) | 日向市・宮崎・宮崎空港方面 |
3 | ■日豊本線 | (下り) | 日向市・宮崎・宮崎空港方面 |
高千穂鉄道(廃止)
JRの駅舎に接する単式ホームの北延岡(西延岡)方にあった切欠きホーム1面1線を使用していた[20]。その南側に接して高千穂鉄道の小さな駅本屋が置かれ[20]、ホームへは駅外部およびJRのホームから駅本屋の改札を通じて出入りするようになっていた。JR駅出口にある高千穂鉄道のりば案内サインは高千穂線廃止後に「高千穂方面バス乗場」と書き換えられ、延岡駅前バスセンターの方向を指している。
JR貨物
JR九州の旅客駅の東側に位置し、コンテナを取り扱う設備として1面のコンテナホームとホームに接する荷役線1本がある。この荷役線は、駅の着発線とは南延岡駅方面へ伸びる引き上げ線を介して繋がっている。また、構内に営業窓口のJR貨物延岡営業所が入っている。かつては駅北側にある旭化成工場への専用線(レーヨン線・火薬線)があり、専用線においてもコンテナなどを取り扱っていた。
取り扱う貨物の種類
- コンテナ貨物 - JR規格の12ftコンテナ、20ft大型コンテナを取り扱う。
- 産業廃棄物・特別産業廃棄物の取扱許可を得ている。
貨物列車
貨物列車は、北九州貨物ターミナル駅と南延岡駅を結ぶ1日1往復と、当駅と北九州貨物ターミナル駅を結ぶ1日1往復の高速貨物列車が停車し、貨車の連結・解放作業を行う。このほか、臨時の専用貨物列車も設定されている[21]。
列車代替のトラック便は、佐土原オフレールステーションとの間に1日22往復が設定されている[22](以上はすべて2014年3月15日現在)。
利用状況
年度 | JR九州 | 高千穂鉄道 |
---|---|---|
1日平均 乗車人員 |
1日平均 乗車人員 | |
1995年 | 1,565 | 506 |
1996年 | 1,550 | 493 |
1997年 | 1,530 | 475 |
1998年 | 1,437 | 380 |
1999年 | 1,437 | 362 |
2000年 | 1,456 | 344 |
2001年 | 1,452 | 326 |
2002年 | 1,425 | 303 |
2003年 | 1,403 | 306 |
2004年 | 1,377 | 288 |
2005年 | 1,390 | 331 |
2006年 | 1,404 | |
2007年 | 1,415 | |
2008年 | 1,430 | |
2009年 | 1,367 | |
2010年 | 1,348 | |
2011年 | 1,338 | |
2012年 | 1,336 | |
2013年 | 1,323 | |
2014年 | 1,213 | |
2015年 | 1,198 | |
2016年 | 1,195 | |
2017年 | 1,166 |
駅周辺
城下町延岡と五ヶ瀬川を挟んで北側の対岸にある岡富村にできた当駅は開業以来延岡の玄関口として機能し、駅出口のある西側は延岡市街に連絡するのみならず、現在では中心街の北部を構成する。元々の「川中」に対し、「川北」地区と呼ばれている。駅から今山まで数百mの狭い平地に商業・サービス施設や低層マンション・アパートなどの住宅が混在する状況となっている。
この地は元々今山八幡宮(大師)の門前町として栄えてきた。そのためかいくつか製菓業者が存在するなどの特徴がある。駅近傍にはシティホテル1軒・ビジネスホテルが4軒、酒場を含む飲食店がいくつか立地し、旭化成出張客に代表される長距離旅客が多いことをよく反映している。西方約200mのところには「山下新天街」というアーケード商店街が南北に伸びているが駅からは見えにくい。閉店している店も見かけられる幸町商店街を経て南方約500m程度進めば五ヶ瀬川を渡る橋が掛かっており、川中地区の歓楽街に接続する。
北方約700m先にはかつて大量の雇用を創出していた旭化成の旧レーヨン工場があり、その周辺はアーケード商店街となっているもののこちらも衰退傾向にある。このレーヨンとベンベルグの両工場に挟まれるように市街が存在しており、それぞれ北・南端のランドマークにもなっており今でも地元では単に「レーヨン」で通じるほどである。
東側は新興住宅街「日の出町」が広がる。駅前には定刻になると噴水が舞う憩いの広場が設けてある。また延岡は旭化成陸上部に代表されるように陸上競技が盛んな町であるため、当地出身の選手達の手形や足形などが展示してある。
- Imayama Buddhist Statue 01.JPG
今山大師
- Yamashita Shintengai Nobeoka Japan 200807.jpg
山下新天街
- Cocoretta Nobeoka 200807.jpg
官民共同の再開発・ココレッタ延岡
西側
- 駅前広場
- 宮崎交通延岡駅前バスセンター
- 延岡信用金庫
- 大分銀行延岡支店
- ビジネスホテルくどう
- ココレッタ延岡
- ビジネスホテル延岡
- シティホテルプラザ延岡
- 延岡グリーンホテル
- 延岡駅前郵便局
- 米屋旅館
- 延岡ライトハウス点字図書館
- 今山八幡宮(今山八幡神社)
- 今山公園
- 今山大師
- 延岡市立岡富小学校
- 延岡市立旭小学校
- 延岡市立旭中学校
- 延岡共立病院
- 延岡城(城山公園)
- 内藤記念館
東側
改札を出て延岡駅バス停前(延岡駅交番左)の跨線橋を渡ると駅東側(日の出町側)へ抜けることができる。
バス路線
当駅発着の一般路線バスはすべて宮崎交通が運行する。
延岡駅周辺整備事業に伴い、2018年4月1日より駅前にバス乗り場が整備され、延岡駅発着・経由の全路線がこのバス乗り場に発着するようになった[24]。延岡 - 高千穂間を除く一般路線バスは市内線・郊外線・まちなか循環バスのいずれもエンクロス前から出発し、高速バス・特急バス・延岡 - 高千穂間のバスはその向かいから出発する[25]。
これ以前は、駅舎の横に郊外線や高速バスが発着する延岡駅前バスセンター、駅前広場上に市内線が発着する「延岡駅」バス停があった。1999年(平成11年)に駅前広場が完成した際、新たに「延岡駅」バス停ができ、市内線が発着するようになった。それ以前の市内線は駅前に入らず、徒歩約1分の旧国道10号線上にある「延岡駅前」バス停が駅の最寄バス停であった。延岡駅前バスセンターと延岡駅バス停は統合されず、駅最寄でなくなった延岡駅前バス停も改称されることもなかったため、延岡駅を名乗るバス停が3つ並存していた。駅前バス乗り場の整備とともに延岡駅前バスセンターは廃止され、同時に延岡駅前バス停も「萩町」に改称されたため、この状態は解消した。
一般路線バス
- 北方・日之影・高千穂方面:西延岡・北方支所・日之影・青雲橋・高千穂
- しろやま支援学校・大貫神社・合同庁舎・すみれ団地・九州保健福祉大学
- 門川・日向市方面:安賀多4丁目 - (一ヶ岡・旭ヶ丘) - 土々呂 - 門川本町 - 江良中央通 - イオンタウン日向・宮ノ上
- 安賀多4丁目(イオン延岡) - 南延岡 - 一ヶ岡 - 土々呂 - 赤水 - 外浦
- 安賀多4丁目(イオン延岡) - 南延岡・平田東九州病院・一ヶ岡
- 川島・東海・川口
- 安賀多4丁目(イオン延岡) - 南延岡 - 片田団地
- 今山
- 安賀多4丁目(イオン延岡) - 南延岡 - 緑ヶ丘 - 雷管工場
- 桜ヶ丘
- 安賀多2丁目 - 出北 - 文化センター - 方財(ほうざい)
- 鹿狩瀬 - 桑平 - 宮長 - 祝子川温泉
- 安賀多4丁目 - 県病院 - 延岡高校 - 三輪
- 和田越 - 差木野 - 長井 - 熊田
- 西延岡 - 新川 - 古野 - 行縢山
- 浦城港 - 須美江 - 熊野江 - 古江 - 宮野浦
- イオン多々良 - 野田町 - すみれ団地 - 市役所前 - 南延岡
- 柚の木田 - 星雲高校 - 大武町 - 延岡営業所
- レーヨン・南延岡
- まちなか循環バス(内回り・外回り)
高速・特急バス
- ひむか号:東九州道 - 宮崎(JR九州バスと共同運行)
- たかちほ号:高千穂 - 五ヶ瀬 - 高森 - 阿蘇くまもと空港 - 熊本(九州産交バスと共同運行)
- ごかせ号:山都町 - 美里町 - 福岡(西日本鉄道と共同運行)
- 福岡(夜行、西鉄高速バスと共同運行)
- ひなたライナー:神戸三宮駅・大阪駅・京都駅(夜行、近鉄バスが運行)
隣の駅
- 九州旅客鉄道(JR九州)
- 日豊本線
- 特急「にちりん」・「にちりんシーガイア」停車駅、「ひゅうが」始発・終着駅
かつて存在した路線
- 高千穂鉄道
- 高千穂線
- 延岡駅 - 西延岡駅
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 引用エラー: 無効な
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タグです。 「貨物
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 『停車場変遷大事典』1、229頁。
- ↑ 6.0 6.1 『停車場変遷大事典』2、757頁。
- ↑ 7.0 7.1 7.2 『停車場変遷大事典』1、232頁。
- ↑ “10トン積載新規獲得へ JR貨物、延岡駅で大型コンテナ運送開始”. 宮崎日日新聞. (2009年6月2日)
- ↑ 延岡駅周辺整備基本計画 概要版
- ↑ 新生のべおかプロジェクト
- ↑ 延岡駅周辺整備デザイン監修者審査講評文
- ↑ まちデザイン──延岡から考える
- ↑ 広報のべおか2015年12月号(No.881) (PDF) 裏表紙 - 延岡市
- ↑ JR延岡駅 駅舎リニューアル 来月5日から営業開始 /宮崎 - 毎日新聞(2017年7月26日、9月19日閲覧)
- ↑ 【9 月 25 日(月)以降の運転計画】日豊本線・豊肥本線の運転計画について(お知らせ)- 九州旅客鉄道(2017年9月25日発表、同日閲覧。同日オリジナル (PDF) をアーカイブ化)
- ↑ 日豊線3カ月ぶり全線復旧 大分、台風の不通区間再開 - 産経新聞、2017年12月18日
- ↑ 中心市街地活性化「JR延岡駅周辺はこう変わります」 - 延岡市ホームページ
- ↑ 延岡駅周辺整備の進捗状況 - 延岡市ホームページ
- ↑ “延岡駅前複合商業施設「エンクロス」開業延期-開業直前、新市長の方針で”. 都市商業研究所 (2018年2月22日). . 2018閲覧.
- ↑ 20.0 20.1 鈴木文彦「ローカル線の実態と問題を現地に見る61 高千穂鉄道」、『鉄道ジャーナル』第31巻第3号、鉄道ジャーナル社、1997年3月、 76-83頁。
- ↑ 『貨物時刻表 平成26年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2014年、 106頁。
- ↑ 『貨物時刻表 平成26年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2014年、 149頁。
- ↑ “駅別乗車人員上位300駅(2017年度) (PDF)”. 九州旅客鉄道. . 2017閲覧.
- ↑ 2018年4月1日(日)から延岡駅のバス乗り場を変更致します。 - 宮崎交通、2018年3月7日
- ↑ 平成30年4月1日 ダイヤ改正 延岡地区 (PDF) - 宮崎交通
参考文献
- 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』1・2、JTB、1998年。ISBN 4-533-02980-9。
関連項目
外部リンク
- 延岡駅(駅情報) - 九州旅客鉄道