庶子
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庶子(しょし)
家族制度上の用語。古くは「そし」ともいった。律令制においては,庶子は,嫡子 (ちゃくし) に対応するものとして使用されている。したがって,それは,家相続人以外の男子,嫡妻の長子以外の男子,妾の男子の3様の意義を有している。第1の意義の庶子は,大宝,養老の制においては,嫡子に罪疾ある場合に,これに代って選定を受ける地位にあり,また,嫡子よりもいささか劣るが,財産相続権も認められていた。中世における庶子の意義は,律令制におけるそれと同じく多義であった。しかも,この頃においては,惣領支配下の家々の当主もまた庶子と称されたから,その意義はさらに複雑になった。家相続人以外の諸子を意味する庶子の地位は,単独相続が一般化し,かつ取立て嫡子のことも少くなった室町時代以降,すこぶる劣悪化し,江戸時代においては,いわゆる「冷や飯食い」といわれる家長の扶持人に下落した。民法の旧規定では父の認知した私生子を庶子といった。現行民法規定では庶子の名称は廃され,非嫡出子がこれにあたる。