平 (いわき市)
平 たいら | |
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地方 | 東北地方 |
都道府県 | 福島県 |
自治体 | いわき市 |
旧自治体 | 平市 |
世帯数 |
38,545世帯 |
総人口 |
98,077人 (住民基本台帳、2012年4月1日現在) |
隣接地区 | 内郷地区、常磐地区、小名浜地区、四倉地区、小川地区、好間地区、三和地区 |
東経140度53分15.65秒北緯37.0504194度 東経140.8876806度 | |
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いわき市の平(たいら)とは、現在の福島県いわき市の中北部で、夏井川流域に位置する旧城下町である。1966年10月の大規模合併前には、平市(たいらし)という市であった。旧磐前郡(1896年より石城郡)。
戦国時代(16世紀初頭)ごろから岩城氏の本拠地として「平」という地名が見られるようになる。江戸時代には磐城平(いわきたいら)と「磐城」を冠していたが、1889年4月に町制を敷いた際には「平」とされた。
このページでは、1966年の合併前の平市の内容と、合併後のいわき市平地区の両方を併載する。
Contents
概要
福島県浜通りの南部に位置する旧城下町である。平安時代末期から戦国時代までは岩城氏の本拠地として、江戸時代には磐城平藩の城下町として盛えた。廃藩置県当初の1872年1月9日から1876年8月20日までは、現在の浜通りを範囲とする磐前県の県庁所在地であった。
現在でもいわき市の中心地区であり、また浜通り地方の最大の商業地区を形成している。
浜通りから茨城県・宮城県・中通りの三方を結ぶ交通拠点であるが、明治維新以降は常磐線など茨城県からの交通網が早く整備されたため、南の茨城県北東部(日立市、水戸など)との繋がりが最も深い。
地理
太平洋に面していることもあり、気候は年間通して温暖で、冬でも雪は少ない。
地名の由来
「平」の由来には諸説がある。
一つは、岩城則道が本拠地を構えた時に、妻の徳姫(とくひめ。藤原清衡の娘)がかつて居住していた平泉に因んで、中心部を「平」と称して、郊外を「白水」と称したという説である[1]。
もう一つは、阿武隈高地と太平洋に挟まれた地域の中でも、平坦な地形が比較的広かった点に由来する説である。
旧国名の陸奥国を頭に付ける際には、「陸奥磐城平」「奥州磐城平」というように、徳川時代の名称であった「磐城平」で呼称されることが多い。尚、「いわ」の字が「岩」から「磐」に変更された時期は、鳥居忠政が入府した時である[2]。
歴史
平市 | |
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廃止日 | 1966年10月1日 |
廃止理由 |
新設合併 磐城市・内郷市・常磐市・平市・勿来市・石城郡小川町・遠野町・四倉町・川前村・田人村・三和村・好間村・双葉郡久之浜町・大久村 → いわき市 |
現在の自治体 | いわき市 |
廃止時点のデータ | |
地方 | 東北地方 |
都道府県 | 福島県 |
面積 | 109.88km2. |
総人口 |
70,921人 (1965年10月1日、国勢調査) |
隣接自治体 | 内郷市、常磐市、磐城市、四倉町、小川町、好間村、三和村 |
平市役所 | |
所在地 | 福島県平市字堂根町1-4 |
外部リンク | いわき市役所 |
古代
- 国造が分立した7世紀前半には、現在のいわき市平地区は、石城国造の所管であった。
- 奈良時代当初の718年から728年までは、令制国では陸奥国ではなく石城国に属していた。しかし、728年には陸奥国に編入された。
- 平安時代初期の桓武天皇政権下では、現在の常磐バイパス北口付近に大國魂神社が設立された。
好嶋西荘の中心・岩城氏の本拠地
- 11世紀後半:前九年戦争と後三年戦争では源氏勢が通過し、これをきっかけに飯野八幡宮が建設された。
- 12世紀:岩城氏が一帯で勢力をふるい、郊外に白水阿弥陀堂を建立した。好嶋荘が立荘されると西方(西荘)の政所が飯野郷[3]に置かれた。
- 足利時代には、現在の平白土地区に白土城が建設され、岩城氏の本拠地となった。
- 15世紀の中頃に、岩城氏の本拠地が白土城から西3.5kmに位置する大館に移った。
- 16世紀初頭に、「平」が史料に現れるようになるが、当時[4]は大館周辺の地名だった。
磐城平藩の城下町
- 1602年:岩城氏が改易され、後に亀田に移転させられた。代わって鳥居忠政が磐城平藩を樹立すると、名前が「磐城平」に変更され、藩政時代には徳川譜代大名が治める城下町となった。
- 磐城平城下では、文化として「じゃんがら念仏踊り」が創作された。又、安藤氏が藩主だった時代には、現在の飯野八幡宮の近くに藩校施政堂が設立された。
- 1868年:戊辰戦争によって磐城平城が焼失した。
戊辰戦争後
- 1869年1月19日:明治政府によって陸奥国が分割され、磐城平は磐城国に入れられる。
- 1871年8月29日:廃藩置県によって磐城平藩は平県となり、磐城平は平県の県庁所在地となる。
- 1872年1月9日:平県と中村県(旧中村藩)が合併して磐前県が成立し、引き続き県庁所在地になる。
- 1876年8月21日:磐前県・福島県 (中通り)・若松県 (会津)が合併して現在の福島県が成立し、これ以後は福島県に属する。
- 1889年4月1日:町村制施行に伴い、平町が単独町制施行して磐前郡平町となる。
- 1896年4月1日:郡の合併により石城郡平町となる。
- 1897年2月25日:常磐線平駅(現いわき駅)開業。
- 1937年6月1日:平町が平窪村と合併して平市となる。
- 1945年3月~7月:平空襲により被災。
- 1949年6月30日:平事件が勃発。
- 1950年:4月1日に飯野村、5月15日に神谷村を編入。
- 1954年10月1日:豊間町、夏井村、高久村、草野村を編入。
- 1955年2月11日:赤井村の一部を編入。
- 1966年10月1日:磐城市・内郷市・常磐市・勿来市・小川町・遠野町・久之浜町・四倉町・大久村・川前村・田人村・三和村・好間村と合併し、いわき市の一部となる。旧平町域(大字なしの地域)はいわき市平となり、その他の大字には「平」の冠称がつけられる。
官公署・行政
いわき市の機関
- いわき市役所(本庁舎)
警察・消防
国の機関
福島県の機関
- 福島県いわき合同庁舎
行政区エリア
- 愛谷町
一町目
塩
下の町
下荒川
下高久
下山口
下神谷
下川原
下大越
下平窪
下片寄
釜ノ内
鎌田
鎌田町
吉野谷
吉野谷南作
久保町
旧城跡
橋下
郷ケ丘
九品寺町
鯨岡
月見町
権現塚
研町
絹谷原高野
古鍛冶町
胡摩沢
五色町
五町目
紅葉町
荒田目
高月
紺屋町
才槌小路
材木町
作町
桜町
三倉
三町目
山崎
四ツ波
四軒町
四町目
自由ケ丘
七軒町
手掴
十五町目
小泉
小太郎町
沼ノ内
上荒川
上高久
上山口
上神谷
上川原
上大越
上平窪
上片寄
城東
新川町
新町
新田前
神谷作
水品
杉平
菅波
正月町
正内町
石森
赤井
泉崎
倉前
大館
大工町
大室
大町
鷹匠町
谷川瀬
鍛冶町
中塩
中央
中山
中神谷
中町
中平窪
仲間町
長橋町
佃町
鶴ケ井
堤ノ内
田町
東町
藤間
堂ノ前
堂根町
童子町
道匠小路
南町
南白土
二町目
尼子町
祢宜町
馬目
梅香町
梅本
白銀町
薄磯
八幡小路
番匠町
菱川
平成
豊間
北神谷
北白土
北目町
幕ノ内
明治団地
薬王寺台
柳町
揚土
六間門
六人町
六町目
経済
浜通り最大の商業地区となっており、市街地向き大型店鋪や映画館も集中している。商圏は磯原から富岡までに及ぶ。また、城下町から発達したためか、行政都市や商業都市という色が濃い。
2000年代以後は郊外化に悩まされており、平市街地の落ち込みが激しい。2001年には、平字中町にあった百貨店の大黒屋が経営破綻するなど、険しい環境にある。2007年にはいわき駅ビル「ヤン・ヤン」が閉鎖され、ペデストリアンデッキとバスロータリーとなり、代わって2007年10月25日にいわき駅前再開発ビル「ラトブ」が開設され、風景や人の流れが一変している。
主要学校
交通
鉄道
道路
最寄りの高速道路
国道
観光地
施設
娯楽施設
文化施設
駅前再開発ビル
公園
脚註
関連項目
- 岩城氏
- 磐城平藩
- いわき市の野外彫刻
- じゃんがら念仏踊り
- 平七夕まつり
- 好間:岩城氏の拠点の一つで、当初は「好嶋」という表記だった。
- 内郷市:岩城氏の拠点の一つで、現在の内郷駅付近。
- 平泉
- 亀田町 (秋田県):平から追放された岩城氏の移住地。現在の由利本荘の郊外。
- 加納町:磐城平藩主・安藤氏の前任地。現在の岐阜市。
- 中村町 (福島県):相馬市の中村。浜通り北部の城下町で、相馬氏(藩政下では中村藩)の本拠地。