平井卓也
平井 卓也(ひらい たくや、1958年1月25日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(7期)、自民党広報本部長・香川県連会長。
参議院副議長や郵政大臣を務めた元参議院議員の平井太郎は祖父。元労働大臣の平井卓志は父。四国新聞社社主平井温子は母。四国新聞社代表取締役CEO平井龍司は弟。元中京銀行会長富田信夫は叔父。妻と二男・一女。
Contents
略歴
衆議院議員 選挙区:香川県第1区 当選回数:6回[1]
- 1976年3月 高松第一高等学校卒業
- 1980年
- 3月 上智大学外国語学部英語科卒業
- 4月 電通入社
- 1987年11月 西日本放送代表取締役社長に就任
- 1995年4月 高松中央高等学校理事長に就任
- 2000年
- 6月 第42回衆議院選挙に無所属で出馬、初当選
- 12月 自民党入党、香川県第一選挙区支部長に就任
- 2003年11月 第43回衆議院選挙で再選
- 2005年
- 9月 第44回衆議院選挙で3選
- 11月 第3次小泉内閣の内閣府大臣政務官に就任
- 2006年10月 自民党経済産業部会長に就任
- 2007年
- 8月 安倍改造内閣の国土交通副大臣に就任
- 9月 福田内閣において国土交通副大臣に再任
- 2008年8月 自民党政務調査会副会長に就任
- 2009年
- 8月 第45回衆議院選挙で4選
- 9月 自民党広報戦略局長・IT戦略特命委員長に就任
- 2010年9月 自民党ネットメディア局長に就任
- 2011年10月 自民党総務部会長(シャドウ・キャビネット総務大臣)に就任
- 2012年
- 10月 自民党政務調査会副会長に就任
- 12月 第46回衆議院選挙で5選、内閣常任委員長に就任
- 2013年10月 自民党IT戦略特命委員長に再任
- 2014年12月 第47回衆議院選挙で6選
- 2015年9月 自民党広報本部長代理に就任
- 2016年8月 自民党情報調査局長に就任
- 2017年
- 8月 自民党広報本部長に就任
- 10月 第48回衆議院議員選挙で7選
来歴
香川県高松市出身。高松第一高等学校、上智大学外国語学部英語学科を卒業。1980年上智大卒業後は電通に入社する。1986年に同社を退社、その後、1987年11月より1999年まで西日本放送代表取締役社長、1993年11月に丸亀平井美術館を設立・館長に就任、1995年4月より親族が経営する高松中央高等学校理事長を務めた[2]。
1996年、第41回総選挙に新進党公認で香川1区から出馬したが、自由民主党公認の現職・藤本孝雄に敗れる。続く2000年の第42回総選挙でも再び香川1区から出馬。無所属ながら自民党加藤派の支援を受けたことに加え、民主党・自由党が公認候補を擁立しなかったこともあり、自民党公認の藤本や社会民主党公認の元職・加藤繁秋らを破り初当選。当選後は森田健作が代表世話人を務める21世紀クラブに入会。
2000年の第2次森内閣不信任決議案をめぐる加藤の乱では不信任案に反対票を投じ、同年に自民党へ入党。2003年の第43回総選挙では初めて自民党の公認を得て香川1区から出馬し、民主党新人の小川淳也らを破って再選。なお前回香川1区で議席を争った藤本孝雄は比例四国ブロックに転出して落選、政界を引退した。続く2005年の第44回総選挙でも小川らを破り3選(小川も比例復活)。直後に発足した第3次小泉改造内閣では内閣府大臣政務官(科学技術政策、食品安全及びIT関係の政策等担当)に、2007年8月に発足した安倍改造内閣と続く福田康夫内閣では国土交通副大臣に起用された。また2008年8月には自民党政務調査会副会長に就任した[2]。
2009年の第45回総選挙では香川1区で小川に敗北したものの、重複立候補していた比例四国ブロックで復活し4選。選挙後には自民党広報戦略局長・IT戦略特命委員長に任命され、同年9月には自民党ネットメディア局局長となり、合わせて自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)代表を兼任することになった。
2011年9月、自民党総務部会長(自由民主党シャドウ・キャビネット総務大臣)に就任した[2]。2012年8月頃に松野頼久・松浪健太・小熊慎司ら超党派の国会議員と共同で「道州制型統治機構研究会」を発足[3]。同会参加者の大半は日本維新の会の結成に加わったが、平井は自民党に残留した[4]。同年9月に行われた自民党総裁選では林芳正の推薦人に名を連ねている[5]。
同年12月に執行された第46回総選挙では前回敗れた小川を香川1区で下し、5選(小川も比例復活)。直後の国会で衆議院内閣委員長に就任した。2013年10月に内閣委員長および自民党ネットメディア局長・自民党ネットサポーターズクラブ代表を退任し、自民党IT戦略特命委員長に復帰した[6]。
2014年12月に執行された第47回総選挙では香川1区で再び小川を下し、6選。2017年10月に執行された第48回総選挙で7選[7]。
人物
- 喫煙者である。
- J-NSC代表としては、安倍晋三総裁にFacebookを介したネットユーザーとの交流を勧めたとされるほか、2013年に執行された第23回参院選に際し制作費1000万円を用いてスマートフォン向けゲーム「あべぴょん」を開発した[9]。
活動
IT・ネット関係
ネット選挙解禁
選挙活動におけるインターネット利用の解禁に向けて、自民党で中心的な役割を担った[10]。ネット選挙解禁の議論にあたっては、「ソーシャルメディアは日々進化している。本日出された議論に加え、セキュリティやコストなどの問題も踏まえ、先に提案した自民党案をもう一度点検することから作業を始め、短期間にできるだけ多くの議論をしてとりまとめをしたい」としている[11]。さらに解禁後はネットを利用した選挙分析などにも力をいれた。自民党のネットメディア局長としてSNSなどを分析し「毎日いろんなことが起きることに対して、世の中がどう考えているかつかむという意味で、ネットは割と早く反応してくれるので、それに対してこちらも早く情報をつかめる」として政策に対する共感や反発が日々どう変化しているのか読み取り、該当演説等の内容に反映させるなどした[12]。
また、「最終的に自民党は、インターネットで投票ができる社会は本人確認さえきっちりとできれば、可能だと考えている。そういうシミュレーションも今回のプロジェクトの中には入っている。」として、ネット投票の可能性も言及している。[13]
IT活用やサイバーセキュリティ
2015年1月9日に全面施行された”「サイバーセキュリティ基本法」制定の中心人物”[14]とされている。法案の制定の目的については、「一番大きなのは、日本の「次の時代」のチャンスを消したくないという思い」と述べ、「ITは変化のスピードが早いので、これまで法律面が全く追いついていなかった。ただ、グローバル情勢を鑑みた時、今このタイミングで何とかしないと日本は将来大きなリスクを抱え込んでしまうことになる。それでIT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法、2000年11月に制定、2001年1月に施行)を補完する形で、サイバーセキュリティ基本法を議員立法として手がけた」としている[15]。
さらに、インタビュー記事において高齢化対策としてITを活用が必要だとして「労働人口が減るハンデをITの利活用でどう克服するかが一点です。もう一点は、サイバーセキュリティが産業化する過程で、コンプライアンスとしての保険業務が成立しないといけないということです。最近起きたベネッセコーポレーションの個人情報漏洩問題のように、変化する時代に対応するリスクの軽減策が、ビジネスチャンスにつながる」と述べている[16]
その他
- 憲法改正に賛同し、集団的自衛権の行使を容認すべきとする。一方で核武装については否定的で、将来に渡って検討すべきでないとしている[17]。
- 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に反対し、仮に参加する場合でも農業分野では可能な限り多くの例外品目を設けるべきとする。また政権公約は遵守されるべきであるとしている[17]。
- 2030年代の原発稼働ゼロを目指す政府の目標に反対[17]。
- 女性宮家の創設に反対[17]。
- 政党への企業・団体献金を全面的禁止について、禁止する必要はないと回答[17]。
- 選択的夫婦別姓制度の導入にどちらかといえば反対[18]。
- 2001年の時点では、野田聖子の選択的夫婦別姓制度導入に賛同していた[19]。
- 西日本放送の社長をしていた経験から、アナログ放送の停波に反対していた[20]。
- 童夢創業者の林みのるとは古くからの友人であり、2008年には林の求めに応じる形で日本自動車レース工業会名誉会長に就任した[21][22]。
- 2014年の第186回国会において、大臣、副大臣、政務官、補佐官、議長、副議長、委員長のいずれの要職にもついていなかったのみならず、質問、議員立法、質問主意書提出のいずれもなかったことが指摘された[23][24]。
- ドワンゴおよびニワンゴが主催し、ニコニコ動画で配信された2013年6月28日の「ネット党首討論会」の中継会場に出席していた平井が、福島瑞穂衆議院議員や、討論会を欠席した日本維新の会の橋下徹共同代表に向けて誹謗中傷コメントをスマートフォンを使って書き込むようなパフォーマンスをし、新聞記者に書かれている。自党の安倍晋三総裁に対しては「あべぴょん、がんばれ」などの好意的なコメントを書き込んでいたことが発覚した。東京新聞の取材に対し平井は「申し訳なかったが、(国会の)やじみたいなものだ。画面には流れていなかったはずだ」と釈明した[25]。なお、平井は4月11日にネットサポータークラブの会員を名乗る者による誹謗中傷が多いとして、そうした行為を行わないようメルマガなどで呼びかけ[26]、討論会直前の6月17日に自身のTwitter上で「自民党は他者の批判はせず、自分の政策を丁寧に訴えるのみです」と発言し[27]、6月19日には自身らが中心となり、ネット上の誹謗中傷を監視する「トゥルースチーム」を自民党本部内に立ち上げたばかりであった[26]。
所属団体・議員連盟
外国議会との連盟
日本国会議員連盟・日本キューバ友好議員連盟・日中友好議員連盟・日本パナマ友好議員連盟・日本アルバニア友好議員連盟・日韓議員連盟・日華議員懇談会・日本メキシコ友好国会議員連盟・日本スペイン友好議員連盟・日本EU友好議員連盟・日独友好議員連盟・日本マダガスカル議員連盟・日本エストニア友好議員連盟・日本・欧州評議会友好議員連盟・日本アフリカ(AU)友好議員連盟・日本チリ友好議員連盟
歴史観・アジアに関する連盟
みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会・北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟・平和を願い真の国益を考え靖国神社参拝を支持する若手国会議員の会・憲法96条改正を目指す議員連盟・アジア戦略研究会
農林水産等に関する連盟
海事振興連盟・漁港漁場漁村整備推進議員連盟・プレジャーボート利用適正化推進議員連盟・有機農業推進議員連盟・海岸保全整備推進議員連盟・海上保安議員連盟・日本の農産物等の輸出を飛躍的に推進する会・漁業経営支援政策研究会・大陸棚調査推進議員連盟・都市農業研究会・自由民主党農村基盤整備議員連盟・さくら振興議員連盟
情報技術に関する連盟
情報産業振興議員連盟・コンピュータ会計推進議員連盟(TKC議連)・コンテンツ産業振興議員連盟・自由民主党インターネットメディア利活用推進議・スーパーコンピュータ推進議員連盟・地方政府IT推進議員連盟・
その他の連盟
自民党たばこ議員連盟[28]・自民党たばこ特別委員会(副委員長)[28][29]・もくもく会[8]・アジアアフリカ問題研究会・遺家族議員協議会・LPG対策議員連盟・文花芸術振興議員連盟・生活衛生議員連盟・環境保全議員連盟・看護問題対策議員連盟・国際観光産業振興議員連盟・行政書士制度推進議員連盟・軍恩議員協議会・下水道事業推進議員連盟・国防議員連盟・小規模企業税制確立議員連盟・自由民主党消防議員連盟・獣医師問題議員連盟・商店街対策議員連盟・自動車議員連盟・自由民主党自動車整備議員連盟・浄化槽推進議員連盟・住宅対策推進議員連盟・全国保育議員連盟・国山村振興連盟・世界連邦日本国会委員会・宅地建物等対策議員連盟・中古自動車議員連盟・ボーイスカウト振興国会議員連盟 など、多数
加計学園問題の集中審理について
2017年7月10日に行われた加計学園問題の集中審理について、参考人として出席した文部科学省の前川喜平・前事務次官に対して、平井は「前川さんが流出させたのではないかと言われている。まさかそんなことはないですね」と質問したが、前川は「お答えを差し控えたい」と述べ、否定も肯定もしなかった[31]。さらに平井は「(学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐる問題は)言った言わないとか、その手の話が多い。国民が知りたいのはこの政策は本当に正しかったのか、国民のためになるのかだ。その上で、前川(喜平・前文部科学事務次官)参考人の答弁が安定していて、理路整然と話している。なおさら思うのは、なぜ事務次官のときにもっと自分の職責を全うして仕事をされなかったのか。辞めてからいろいろ言われるのは違和感がある。前川さんほどの能力のある方なら、もっと違った仕事ができたと思う」と述べた[32]。
政治資金
- トラック業者の業界団体である道路運送経営研究会から献金を受けている[33]。
- ライブドア関連会社元社長の岡本文人の関連会社から合計12万円の献金を受けた。平井の事務所は「献金受領時期は一連の騒動のかなり前。関連会社は今の騒動の対象とは認識していないので、返還は考えていない」と回答している[34]。
脚注
- ↑ https://www.hirataku.com/profile/ 公式プロフィール
- ↑ 2.0 2.1 2.2 公式サイトのプロフィール
- ↑ “維新と合流へ新党準備…超党派10議員が研究会”. 読売新聞. (2012年8月14日). オリジナルの2012年8月16日時点によるアーカイブ。 . 2013閲覧.
- ↑ “西村・平井氏、維新と合流目指す新党に参加せず”. 読売新聞. (2012年8月14日). オリジナルの2012年8月16日時点によるアーカイブ。 . 2013閲覧.
- ↑ 2012年自由民主党総裁選挙及び林 芳正 | 総裁選基礎情報 | 自由民主党を参照
- ↑ “10月15日 第185臨時国会召集”. 平井卓也 (2013年10月15日). . 2013閲覧.
- ↑ 衆院選2017 YOMIURI ONLINE.2018年5月1日閲覧。
- ↑ 8.0 8.1 “九州市医報(平成29年7月)第720号 - オリンピックと屋内全面禁煙法・条例(その33)”. 北九州市医師会 (2017年7月1日). . 2018閲覧.
- ↑ “自民党が本気出した安倍首相アプリ 「あべぴょん」制作費は1000万円!!?”. EXドロイド (2013年6月23日). . 2013閲覧.
- ↑ ビジネス+IT【ネット選挙で新しい政治を作ろう!(1)】ネットで新しい政治を作ろう!
- ↑ 自民党広報ウェブ
- ↑ NHKクローズアップ現代・検証“ネット選挙”
- ↑ The Huffington Post Japan 自民が力を入れるネット選挙の行方
- ↑ [ビジネス+IT http://www.sbbit.jp/article/cont1/29417]
- ↑ 日経ビジネス いよいよ動き出した日本の「サイバーセキュリティ」政策
- ↑ 事業構想 東京五輪が先端ITのショーケースに 自民党・平井卓也議員の構想
- ↑ 17.0 17.1 17.2 17.3 17.4 “2012衆院選 香川1区 平井 卓也”. 毎日新聞 . 2013閲覧.
- ↑ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査、2014年。
- ↑ 野田聖子「選択的夫婦別姓制度」2001年11月6日
- ↑ アナログテレビはなくならない。 平井卓也公式サイト
- ↑ 東京のホテルで、日本自動車レース工業会(JMIA)の設立発表会が開催されました。 - JMIA・2008年3月11日
- ↑ ABOUT US - JMIA
- ↑ 「国会議員三ツ星データブック」、186国会版 国会議員三ツ星データブック、特定非営利法人「万年野党」著。ISBN-13: 978-4905239239
- ↑ 「国会質問も議員立法も質問主意書もない『オールゼロ議員』、64人全氏名を公開、BLOGOS 2014年10月15日
- ↑ “自民・平井氏ネット党首討論に投稿 福島氏に「黙れ、ばばあ」”. 東京新聞. (2012年6月29日). オリジナルの2013年6月29日時点によるアーカイブ。 . 2013閲覧.
- ↑ 26.0 26.1 福島瑞穂党首に「黙れ、ばばあ!」と書き込み? 報じられた自民党ネットメディア局長はなぜか沈黙 JCASTニュース 2013年7月1日、2013年7月8日閲覧
- ↑ 2013年6月17日8:59のTweet
- ↑ 28.0 28.1 “自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. . 2018閲覧.
- ↑ “自由民主党 役員表”. . 2018閲覧.
- ↑ https://www.hirataku.com/profile/
- ↑ https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1853180.html
- ↑ http://www.sankei.com/politics/news/170710/plt1707100059-n1.html
- ↑ 衆議院議員鈴木宗男君提出社団法人全日本トラック協会への補助金のあり方に関する質問に対する答弁書
- ↑ 2006年9月9日 朝日新聞
外部リンク
- 平井たくや|衆議院議員 自民党IT戦略特命委員長(公式サイト)
- 平井卓也 - 公式YouTubeチャンネル
- 平井卓也オフィシャルブログ
議会 | ||
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先代: 古川元久 |
衆議院内閣委員長 2012年 - 2013年 |
次代: 柴山昌彦 |
公職 | ||
先代: 望月義夫 渡辺具能 |
国土交通副大臣 松島みどりと共同 2007年 - 2008年 |
次代: 金子恭之 加納時男 |
先代: 江渡聡徳 木村勉 西銘順志郎 |
内閣府大臣政務官 後藤田正純(2006年9月まで)・小川惠里子と共同 2005年 - 2006年 |
次代: 岡下信子 谷本龍哉 田村耕太郎 |