川南町
川南町(かわみなみちょう)は、宮崎県の中部にある町である。日本三大開拓地[1][2]の1つである。
Contents
地理
宮崎県の中東部、宮崎市から北東約35kmの宮崎平野北部に位置している。西側の一部は尾鈴山地で、それ以外は河成段丘が広がり、これが海岸付近まで迫っている。東側は日向灘に面している。
町の中心部を平田川が流れ、町の北端部を名貫川が流れている。 町名の川南はこの名貫川の南に因む。[3]
中心地域は通称「トロントロン」と呼ばれている。この名の由来として次の2つの説が唱えられている。
隣接している自治体
地名
- 川南
- 平田
歴史
近現代
- 1889年5月1日町村制施行により児湯郡川南村が発足
- 1941年 日本陸軍により空挺落下傘部隊が創設され訓練の地となった。町内には空挺落下傘部隊発祥の記念碑があり、部隊が使用した給水塔が今も残されている。川南護国神社には部隊の戦死者が祀られており、毎年11月に慰霊祭が行われる。
- 1953年2月11日町制施行
町政
国政・県政
国政
衆議院小選挙区選挙では宮崎2区(延岡・日向・西都・児湯郡・西臼杵郡・東臼杵郡)に属する。近年選出の議員は以下のとおり。
- 2017年10月(第48回衆議院議員総選挙)
宮崎県議会
本町と都農町、木城町、新富町、高鍋町で選挙区(西米良村を除く児湯郡)をなす。定数は3人。近年選出の議員は以下のとおり。
- 2007年4月
- 坂口博美(自民)
- 図師博規(無所属)
- 松村悟郎(自民)
公共機関
経済
産業
広大な台地を利用して畜産を中心に大規模な農業が行われている。2006年の農業粗生産額は207億円、県内トップクラス(第5位)で一大農業地帯である。また、これを利用した食品工業も盛んである。通浜地区では漁業が行われている。
開拓者の出身地が全都道府県に及ぶことから「川南合衆国」とも呼ばれる。
畜産
畜産の生産額は149.6億円(2006年)と農業粗生産額の約7割を占める。特に豚は73.3億円(2006年)と全国第6位に位置している。2006年の豚の飼養戸数は95戸、飼養頭数は14万1,600頭である。
2010年4月下旬以降、口蹄疫が町役場以北の地域を中心に流行し[4]、町内の肉用牛・豚の8割[5]が殺処分の対象となる事態となった(2010年日本における口蹄疫の流行を参照)。政府は同年5月19日に「感染地域から半径10キロ圏内の牛・豚全頭にワクチン接種後、殺処分」する方針を発表し[6]、同月21日に川南町側がワクチン接種を受け入れた[7]。
主な企業
- 宮崎県農協果汁
- 児湯食鳥
- 中川機器製作所宮崎工場
姉妹都市・提携都市
国内
地域
地元学と称した地域研究により、地域興しが盛んである。[8]
健康
- 平均年齢(2000年国勢調査) - 43.0歳
人口
川南町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
教育
中学校
小学校
- 川南町立川南小学校
- 川南町立東小学校
- 川南町立通山小学校
- 川南町立多賀小学校
- 川南町立山本小学校
交通
鉄道路線
路線バス
- 宮崎交通 - 国道10号および中心市街地の旧道を経由し、隣接2町との間を結ぶ路線。
- トロントロンバス - 登録制・予約制の乗合タクシーであるが、日祝日を除く朝に1往復運行される尾鈴 - トロントロン - 川南駅 - 通浜間の便のみ登録なしで乗車可能。
- シャトルバス - 日豊本線の普通列車に接続して川南駅と町中心部のトロントロンドームを結ぶシャトルバス。登録なしで乗車可能。日祝日運休。
なお、2008年10月1日より町内コミュニティバス「フロンティアバス」を運行していたが、2014年4月1日に上記のトロントロンバスに置き換えられている。
道路
- 高速道路
- 町内に東九州自動車道の川南パーキングエリアがある。ICは無し。
- 最寄りインターチェンジ
- E10 東九州自動車道 : 高鍋インターチェンジ、都農インターチェンジ
- 一般国道
- 都道府県道
- 宮崎県道40号都農綾線
- 宮崎県道302号高鍋美々津線
- 宮崎県道307号尾鈴川南停車場線
- 宮崎県道364号川南港線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡・観光スポット
- 青鹿キャンプ場
- 伊倉浜自然公園
- 川南湿原
- 宗麟原供養塔
- 川南古墳群
祭事・催事
- 天竜梅まつり(2月)
- ザ・フェスティバル・イン・トロントロン(8月)
- 軽トラ市(毎月第4日曜日)- 岩手県雫石町、愛知県新城市とともに「日本3大軽トラ市」のひとつに数えられている。
- かわみなみ電飾大作戦
- 川南合衆国 ウェスタンカーニバル
その他
- 川南町総合運動公園
川南町出身の有名人
- 永友一美(元宮崎県議会議員)
- 宮沢厚(アニマルトレーナー)
- 河野雄一(フジテレビ人事局長)
- 小山泰文(柔道家)
- 千代の花秀貴(弓取り力士、2010年5月場所より)
- 前田陽介(プロバスケットボール選手)
川南町にゆかりのある人物
- 阿久悠(両親が川南町出身)
参考文献
- 川南町『川南町史』1983年
- 市町村別・項目別ランキング 農業編 農林水産省公式ウェブサイト。
脚注
- ↑ 日本三大開拓地とは、青森県十和田市の三本木原開拓地、宮崎県川南町を中心とする川南原開拓地、福島県矢吹町の矢吹ヶ原開拓地の3つ。
- ↑ 2.0 2.1 日本三大開拓地に関する十和田市のHP
- ↑ 宮崎市神話・観光ガイドボランティア協議会編著『ひむか神話伝説』 鉱脈社、2012年、77頁
- ↑ 「激震口蹄疫 川南町の叫び 1」(『宮崎日日新聞』 2010年5月13日1面)に掲載された感染・感染疑い地点の地図による。5月11日時点の内容であり、同月17日時点では感染地域は南隣の高鍋町に拡大している。
- ↑ 「収入絶え廃業ちらつく 川南、子どもの将来不安」『宮崎日日新聞』 2010年5月21日1面。
- ↑ 「ワクチン後殺処分へ 半径10キロ20万頭超」『宮崎日日新聞』 2010年5月20日1面。
- ↑ 「ワクチン接種を地元が受け入れ」『宮崎日日新聞』 2010年5月21日配信。
- ↑ 吉本哲郎『地元学をはじめよう』岩波書店<岩波ジュニア新書>、2008年、ISBN 9784005006090