岡山表町商店街
岡山表町商店街(おかやまおもてちょうしょうてんがい)は、岡山県岡山市北区にある商店街である。岡山市街の中心的繁華街。
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概要
岡山市北区表町の桃太郎大通りから国道250号に至る総延長 1 キロメートル以上のアーケードで覆われた商店街の総称である。北から上之町商店街(アムスメール上之町)、中之町商店街、下之町商店街、栄町商店街、紙屋町商店街、千日前商店街の順に南に伸び、紙屋町商店街、千日前商店街を東西に交差する形で西大寺町商店街があり、その西に新西大寺町商店街が伸びている。狭義にはこれら8つのアーケード商店街から成り立っており、広義には、中之町商店街の東側に南北に伸びる、オランダ通り商店街を含めた一帯を指す。町名では岡山市北区表町一丁目、二丁目、三丁目に該当する。
戦国時代末期から江戸時代にかけて形成された岡山城下の商人町を起源としており、上之町商店街から西大寺町商店街までは旧山陽道である。下之町商店街には地元百貨店の天満屋岡山本店があり、高級ブランドの路面店が入居していることから、岡山県下有数の繁華街を形成している。紙屋町商店街や千日前商店街などは、古くからの個人商店が軒を連ねているが、核となってきた映画館や三丁目劇場の撤退、店主の高齢化や売り上げ減少等による商店の閉鎖が相次いでいる。跡地にはマンションやコインパーキングが立地し、商業地としての機能を低下させつつある。
商店街組織として、岡山上之町商業協同組合(上之町商店街)、協同組合中之町商店会(中之町商店街)、協同組合岡山市下之町商店会(下之町商店街)、協同組合岡山市栄町商店街(栄町商店街)、協同組合岡山表町南部商店街(紙屋町商店街)、協同組合西大寺町商店会(西大寺町商店街)、新西大寺町商店街協同組合(新西大寺町商店街)、岡山千日前商店街協同組合(千日前商店街)がある。これら8組合の連合体として、協同組合連合会岡山市・表町商店街連盟が組織され、表町商店街共通のイベントや企画が行われている。
歴史
戦国時代末期に宇喜多秀家が岡山城とその城下町を整備した際に、岡山城の北を通っていた山陽道を城の南の京橋を経て城の西へと付け替え、備前国内から商人・職人を集め、城下の三之曲輪の山陽道沿いに住まわせた。この時形成された商人町が岡山表町商店街の起源となっている。「上之町(当初は福岡上之町)」、「紙屋町」、「西大寺町」などの町名はこの頃成立したとみられ、下之町と紙屋町には本陣が置かれた[1]。
1891年(明治24年)3月に山陽鉄道が岡山まで開業すると、京橋を中心に発達していた舟運が廃れたことにより橋のたもとの橋本町の地位が低下し、代わりに鉄道に近い上之町・中之町・下之町に商業の集積が進むようになった。1912年(明治45年)には岡山電気軌道の路面電車が開通し、商圏は岡山郊外の郡部にまで拡大した。1903年(明治36年)には、8つの町の合同により「振商会」が結成され、現在の「表町」の呼称のもととなる「表八カ町」という呼称が誕生した。当初は上之町、中之町、下之町、栄町、紙屋町、西大寺町、新西大寺町、橋本町を指していたが、第二次世界大戦後に橋本町に代わって千日前が加わえられた[1]。
大正から昭和初期にかけては、天瀬可真町(千日前)を中心に帝国館(のちの岡山松竹、2006年閉館)、金馬館、若玉館(のちのテアトル岡山、2000年閉館)、文化ニュース劇場(のちのSY松竹文化、2005年閉館)等の映画館が次々と開館し、飲食店も軒を連ねるようになり、この頃より大阪の千日前商店街にならって「千日前」と呼ばれるようになった。また、西大寺の呉服商天満屋が当時の新業態であった百貨店に転換し、1912年(大正元年)に中之町に支店を出店し、のちに本店を設置した。1936年(昭和11年)には、鉄筋コンクリート造地下1階・地上6階の新店舗を完成させ、岡山の商業中心地として確固とした地位を築いていた。しかし、1945年(昭和20年)6月29日の岡山大空襲により、商店街一帯は壊滅的な被害を受けた。
戦後は、1945年10月に天満屋がいち早く営業を再開し、商店街でも「岡山市中央商店街復興委員会」が結成され、復興が進められた。1946年(昭和21年)11月には、恒例の「大誓文払い」を行うまでに回復し、その後は商店街全体の設備の更新が進められた。1949年(昭和24年)12月には全国初の百貨店接続型バスターミナルとなる天満屋バスステーションが完成し、表町は岡山の商業の中心地としての地位を回復した。1957年(昭和32年)には、表町全体にアーケードが完成した。
1972年(昭和47年)3月に山陽新幹線の岡山開業にともない、岡山駅前地区に高島屋岡山店や岡山一番街などの商業施設が相次いで進出した。表町は天満屋の増床、中之町地下街(天地下タウン、中地下タウン)の開業によりこれに対抗し、1978年(昭和53年)7月には新アーケード(中之町~栄町間)とカラー舗装(中之町~新西大寺町)を完成させた。また、1970年代から1980年代には岡山市と岡山商工会議所が3度にわたり表町の商業近代化計画を策定し、1991年(平成3年)の上之町商店街のアーケード・カラー舗装のリニューアル、岡山シンフォニービル、城下地下駐車場などの再開発事業に結実している[1]。
1990年代以降は、中心市街地の人口減少、郊外への大規模店の進出、個人商店主の高齢化などにより空き店舗が増加し、商店街の活性化が大きな課題となっている。2000年代に入ると、都心回帰の動きからマンションの建設が進んだことで周辺人口も回復傾向にあり、小規模なスーパーマーケットの進出が相次いでいるが、通行量は2012年(平成24年)までの過去30年で半分以下に減少している[2][3]。
2009年(平成21年)3月に中小企業庁の「新・がんばる商店街77選」に選ばれた。2013年(平成25年)10月には中之町商店街で「街づくり会社」が設立され、活性化が取り組まれている[4]。
2015年(平成27年)4月から政府が始めた外国人旅行者を対象にした消費税の免税手続きを一括して担う「一括カウンター制度」を全国の商店街で初めて活用、同年5月28日には免税カウンターを天満屋岡山店に開設し、表町商店街とロマンチック通り商店街に加盟する20店舗が一斉に免税店となる[5][6]。
主な施設
上之町商店街
- 岡山シンフォニービル
- 岡山シンフォニーホール
- 丸善岡山シンフォニービル店
- 献血ルーム ももたろう
- フレッシュワンシンフォニー店
- リベールマンションギャラリー
- 晴れの国おかやま館
- 岡山木村屋 表町一丁目店
中之町商店街
- ダイコクドラッグ 岡山表町店
下之町商店街
栄町商店街
- 空中美術館 - 栄町商店街アーケードを構成するステンドグラス群。
- 桃たろうポケット
紙屋町商店街
- 岡山専門店会館
- 岡山市・表町商店街商店街連盟 本部
新西大寺町商店街
- フレッシュワン3丁目店
- 岡山木村屋 表町本店
- さんかく岡山 (岡山市男女共同参画社会推進センター)
西大寺町商店街
千日前商店街
オランダ通り商店街
岡山表町商店街 | ||||||||||||
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イベント
- 日限の縁日(毎月23日)
- オランダフェスティバル(4月下旬)
- ゴールデンフェスタ岡山(5月のゴールデンウイークと呼ばれる祝日の期間全ての曜日)
- おかやま桃太郎祭り(8月の第1土曜と日曜が開催日だが商店街内のイベントは土曜日の日中のみ)
- おかやま国際音楽祭(10月中旬)
- マーチング・イン・オカヤマ(10月中旬)
- 備前岡山ええじゃないか(11月上旬)
- 岡山表町周辺飲み歩きイベント ほろよい~の(不定期)
交通アクセス
- 岡山電気軌道東山本線 東山・おかでんミュージアム駅ゆき 城下・県庁通り・西大寺町下車
- 岡山電気軌道清輝橋線 清輝橋ゆき 郵便局前・田町・新西大寺町筋・大雲寺前下車。城下、県庁通り、郵便局前で下車した場合は100円それ以外では140円の均一料金
- 岡電バス・両備バス・下電バス・備北バス・中鉄バス
- 天満屋バスステーション下車。100円で行ける
- 岡電バス・両備バス・医大(岡山大学医学部)めぐりん
- 新西大寺町筋・大雲寺前下車(めぐりんのみ均一料金でどこで降りても100円)
- 両備バス・京橋めぐりん・県庁京橋めぐりん
- 西大寺町・千日前下車(めぐりんのみ均一料金でどこで降りても100円)
- 宇野バス
- 表町入口・表町バスセンター下車。100円で行ける。
脚注
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 歴史 | 表町商店街
- ↑ 【社説】新岡山市政始動 再生へ計画を実行に移せ(山陽新聞、2013年10月28日)
- ↑ 岡山市商店街通行量調査(岡山市)
- ↑ 人通り増へ「街づくり会社」設立 岡山・中之町商店会(山陽新聞、2013年9月30日)
- ↑ “表町商店街の免税手続き代行開始 天満屋岡山店に一括カウンター”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2015年5月28日) . 2015閲覧.
- ↑ “地方の商店街も免税OK 岡山に一括カウンター”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2015年5月28日) . 2015閲覧.