山陽特殊製鋼
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山陽特殊製鋼株式会社(さんようとくしゅせいこう、英: Sanyo Special Steel Co., Ltd.)は、兵庫県姫路市を拠点とする鉄鋼メーカー(特殊鋼メーカー)。新日鐵住金グループの企業である。
概要
電気炉によって特殊鋼(合金鋼)を製造する、特殊鋼メーカーと呼ばれる鉄鋼メーカーである。中間製品である粗鋼の生産量(2006年度)は約104万トンで、日本国内では第17位の規模を持つ。製品の鋼種は、軸受に使用される軸受鋼や、機械の部品に使用される機械構造用鋼、工具に使用される工具鋼、ながしなどのキッチンシステムに使われるステンレス鋼など。これらの鋼の棒鋼・線材・鋼管(シームレス鋼管)・鍛造品や、素形材・金属粉末などを製造する。特に、軸受鋼は日本国内シェアトップで3割強を占める[1]。
1933年(昭和8年)創業。1959年(昭和34年)に現社名となるまでは「山陽製鋼」を名乗った。1965年(昭和40年)に一度倒産するが、その後更生に成功している。1953年(昭和28年)に新日鐵住金の前身である富士製鐵が資本参加して以降、旧・新日鉄の系列企業であり、2006年(平成18年)に新日鉄が山陽特殊製鋼株式の保有比率を高めたため、旧・新日鉄の関連会社となった。
本社および製造拠点の工場は、兵庫県姫路市にある。支社が東京都江東区(深川ギャザリア)にあり、大阪市・名古屋市・広島市の3都市に支店を構える。
社内のスポーツ部には、全日本実業団対抗駅伝競走大会への出場経験のある陸上競技部(山陽特殊製鋼陸上競技部)があり渡邊和也も所属していた。かつては野球部があり、大根晃(元大阪タイガース)などのプロ野球経験者が所属していた事もあった。
沿革
- 1933年(昭和8年) - 山陽製鋼所が創業。
- 1935年(昭和10年)1月11日 - 山陽製鋼所の事業を継承し、山陽製鋼株式会社設立。
- 1949年(昭和24年)5月16日 - 大阪証券取引所に株式上場。
- 1953年(昭和28年) - 新日鉄の前身・富士製鐵が資本参加。
- 1954年(昭和29年)1月4日 - 東京証券取引所に株式上場。
- 1959年(昭和34年)1月 - 山陽特殊製鋼株式会社に社名変更。
- 1963年(昭和38年)4月 - 大阪特殊製鋼株式会社を吸収合併。
- 1965年(昭和40年)3月 - 自主再建断念、会社更生法の適用申請。関連して山陽特殊製鋼倒産事件が発生。
- 1965年(昭和40年)6月8日 - 上場廃止。
- 1973年(昭和48年)12月 - 会社更生手続き終結。
- 1980年(昭和55年)11月 - 大証二部に再上場。
- 1982年(昭和57年)9月1日 - 大証一部に指定替え。
- 1985年(昭和60年)11月6日 - 東証一部に再上場。
- 2006年(平成18年)6月 - 持株比率上昇に伴い新日鉄の持分法適用関連会社となる。
- 2009年(平成21年)6月30日 - 大証上場廃止。
主な関連企業
- 陽鋼物産株式会社 - 鋼材や原料・資材などを扱う商社。1974年設立。完全子会社。
- サントク精研株式会社 - 磨棒鋼の加工を行う。2000年設立。山陽特殊製鋼が55%、日鉄住金物産が45%出資。
- サントクコンピュータサービス株式会社 - ユーザー系システムインテグレーター。1990年設立。完全子会社。
- SKJ Metal Industries Co., Ltd. - タイを拠点に特殊鋼製品の加工・販売を行う。1990年設立。
- P.T. SANYO SPECIAL STEEL INDONESIA - インドネシアを拠点に製品の加工・販売を行う。1995年設立。
- Advanced Green Components, LLC - アメリカを拠点に製品の加工を行う。2002年設立。
- 寧波山陽特殊鋼製品有限公司 - 中国を拠点に製品の加工・販売を行う。2001年設立。
不祥事
コンプライアンス違反など
- 同社は2000年以降12年間、姫路市内の産業廃棄物最終処分場に、工場から生じた鉄屑(電気炉で使用する耐火煉瓦の型枠など)を累計で1473トンを不法投棄していたことが、2012年になって発覚した。同社は同年3月末に市から指摘を受けたにもかかわらず、その後も投棄を継続していた模様で、兵庫県警察も実態解明に向け、同社本社を家宅捜索するなど捜査を開始している[2][3]。
脚注
関連項目
- 山陽特殊製鋼倒産事件
- 関連する人物
- 華麗なる一族 - 劇中の「阪神特殊製鋼」のモデルである。