山陰合同銀行
株式会社山陰合同銀行(さんいんごうどうぎんこう、THE SAN-IN GODO BANK, LTD.) は、島根県松江市に本店を置く、山陰地方で最大規模の地方銀行。「ごうぎん」の愛称で親しまれる。
Contents
概要
島根県・鳥取県を基盤にしており、島根・鳥取両県と島根県内13市町(松江市・浜田市・益田市・大田市・江津市・雲南市・奥出雲町・川本町・美郷町・津和野町・海士町・西ノ島町・隠岐の島町)および鳥取県内12市町村(米子市・倉吉市・境港市・三朝町・湯梨浜町・琴浦町・日吉津村・南部町・伯耆町・日南町・日野町・江府町)の指定金融機関を受託している。また、島根県庁と鳥取県庁にはそれぞれ、支店を配備している。中国地方内では、岡山県(岡山市・倉敷市・津山市・新見市)と広島県(広島市(中区・安佐南区・佐伯区)・福山市)に複数の店舗を展開。
地盤である山陰地区では、53%の貸出金シェアを占めるが人口減少と高齢化が著しく、資金需要は頭打ちの為、兵庫地区を強化[1]。2012年10月に開設した阪神北支店(川西市)を皮切りに法人営業に特化した「空中店舗」の出店を進め、営業担当職員を増やすなど、兵庫県内での攻勢を強化している。その他関西には、大阪市に店舗を有し、山陰地方の銀行では唯一、東京都内に支店を持つ。
島根県・鳥取県内の店舗の看板表記には「ごうぎん」と、岡山県などの山陰以外の店舗には「山陰合同銀行」と正式名称で表記されている。
2015年2月、中国地区の地銀としては初の自行単独で証券子会社である「ごうぎん証券」を設立[2]。同10月から業務を開始した[3][4]。また同3月20日には、中国横断自動車道尾道松江線(通称:中国やまなみ街道)の全線開通を期し[5]、広島銀行、伊予銀行とのATM利用手数料の平日日中帯無料化を開始。地域経済の活性化と顧客利便性の向上に努めて行きたいとしている[6]。
沿革
- 1889年(明治22年)8月31日 - 松江銀行(本店・島根県松江市)を設立。島根県東部(出雲国)を地盤とする。
- 1894年(明治27年)1月17日 - 米子銀行(本店・鳥取県西伯郡米子町(現:米子市))を設立。鳥取県中西部(伯耆国)を地盤とする。
- 1914年(大正3年)- 安来銀行(本店・島根県能義郡安来町(現:安来市))を設立するが、雲伯鉄鋼合資会社(現:日立金属株式会社)への度重なる出資により、松江銀行に吸収される。
- 1941年(昭和16年)
- 1943年(昭和18年) - 三菱銀行(現:三菱UFJ銀行)鳥取支店営業譲受[† 1]。
- 1945年(昭和20年)3月1日 - 山陰貯蓄銀行を合併。
- 1949年(昭和24年) - 富士銀行(現:みずほ銀行)浜田支店営業譲受[† 2]。
- 1983年(昭和58年)10月1日 - 広島証券取引所に株式上場。
- 1985年(昭和60年)10月1日 - 東京証券取引所・大阪証券取引所市場第2部に株式上場。
- 1987年(昭和62年)9月1日 - 東京証券取引所・大阪証券取引所市場第1部に指定替え。
- 1990年(平成2年) - 協和銀行(現:りそな銀行)松江支店を営業譲受。
- 1991年(平成3年)4月1日 - 第二地方銀行のふそう銀行[† 3]を合併。鳥取県東部(因幡国)の営業を強化。兵庫県・岡山県・広島県に本格進出。
- 1993年(平成5年)3月23日 - 女子バドミントン部を創部。
- 1997年(平成9年)10月1日 - 山陰合同銀行に商号変更。CI導入。
- 2000年(平成12年)4月12日 - みちのく銀行・肥後銀行・日立製作所との間で勘定系システムの共同化について合意。
- 2003年(平成15年)5月6日 - みちのく銀行・肥後銀行との共同勘定系システムNEXTSCOPE(Banks'Ware)が稼働開始。
- 2004年(平成16年)
- 2007年(平成19年)
- 2009年(平成21年)7月27日 - セブン銀行ATMの提携を開始(要手数料)。
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)5月18日 - 北國銀行・十六銀行・広島銀行と海外ビジネス支援に関する広域連携を開始[† 4]。
- 2013年(平成25年)
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 4月1日 - 完全子会社である山陰オフィスサービスがごうぎんスタッフサービスを吸収合併[9]。
- 4月1日 - 7地銀グループなどと共同出資した資産運用会社であるオールニッポン・アセットマネジメントが営業を開始[10][11]。
- 7月1日 - 山陰オフィスサービスがごうぎんシステムサービスを吸収合併[12]。
店舗の開廃
- 1991年(平成3年)10月30日 - ニューヨーク支店を開設。
- 1994年(平成6年)10月31日 - 香港支店を開設。
- 1997年(平成9年)
- 1999年(平成11年)
- 2002年(平成14年)3月29日 - ニューヨーク支店を廃止、駐在員事務所に変更。
- 2003年(平成15年)11月27日 - 上海駐在員事務所開設。
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)
- 1月17日 - 姫路支店を入居しているビルの上層部へ移転、空中店舗化。
- 1月24日 - 豊岡支店(兵庫県豊岡市)を新築移転[† 5]。
- 2月13日 - 同日の営業を持って、出雲北支店が廃止(業務継承店:出雲支店)。
- 2月21日 - 山陽・兵庫営業本部及び岡山支店(併設)を旧岡山中央支店跡地へ新築移転[† 6]。
- 6月26日 - 同日の営業を持って、八鹿支店が廃止(業務継承店:豊岡支店)。
- 7月19日 - 明石大久保支店を明石支店へ移転改称、空中店舗化。
- 9月11日 - 同日の営業を持って、鳥取南支店・本店営業部松江中央出張所が廃止(業務継承店:鳥取営業部・本店営業部南出張所)。ただし、廃止後も単独のATMコーナーを残している。
- 11月14日 - 倉吉西支店を出張所(個人業務のみ)に変更(法人業務の業務継承店:倉吉支店)。
- 11月21日 - 宍道支店を新築移転。
- 2006年(平成18年)
- 4月23日 - 同日の営業を持って、久世支店・林野支店が廃止(業務継承店:津山支店)[† 7]。
- 6月5日 - 大阪支店を移転、空中店舗化、ATMを廃止。出雲支店を旧出雲北支店跡地へ新築移転。
- 6月11日 - 同日の営業を持って、県立中央病院出張所が廃止(業務継承店:鳥取営業部)。ただし、廃止後も病院内にある山陰合同銀行幹事で鳥取信用金庫・中国労働金庫との共同ATMコーナーを残している。
- 10月22日 - 同日の営業を持って、境港支店境南出張所・北支店北堀出張所・平田支店平田西出張所・浜田支店浜田西出張所が廃止(業務継承店:境港支店・北支店・平田支店・浜田支店)。ただし、廃止後も単独のATMコーナーを残している。
- 11月13日 - 兵庫県尼崎市に尼崎支店(空中店舗)を開設。
- 12月4日 - 福山支店を移転、空中店舗化。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)5月16日 - 同日の営業を持って、都賀代理店が廃止(業務継承店:粕淵支店)。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
関係会社
- 松江不動産株式会社
- 合銀ビジネスサービス株式会社
- 株式会社ごうぎん代理店
- ごうぎん保証株式会社
- 株式会社山陰オフィスサービス
情報処理システム
2000年4月12日、共に従前から日立製作所製ホストコンピュータとミドルウェアソフトを使用、加えて1980年代後半に千葉興業銀行と日立が共同で開発したエキスパートと呼ぶ勘定系パッケージソフトを導入し、業務手続手順が似通っており、またシステム担当者間の情報交換が密でもあったみちのく銀行、肥後銀行、日立製作所との間で基幹系システム(勘定系システム)共同化で合意に達した[13]。合意に基づき共同システムの構築が開始され、2003年1月、先陣を切って肥後銀が、続いて同年5月6日には山陰合銀が、さらに同年7月21日にはみちのく銀がNEXTSCOPE(Banks'Ware)と呼ぶ共同システムの運用を開始した[14][15]。
2016年11月11日、共同システムの契約期限が来るのを機に山陰合銀は、顧客のニーズへの迅速な対応とサービスの向上、システムの安全性強化、さらには同行のビジネス戦略を実現していくための先進性などの観点から[16]、NTTデータ運営の地銀共同センターへ参加する方針を発表した。同センターへの移行は、2019年10月から翌20年9月を目処としたいとしている[17][18]。
社会関連
女子バドミントン部
1993年3月23日創部[19][20]。BADMINTON S/J LEAGUE(旧日本リーグ1部)に所属。
- 日本リーグ2部:優勝2回(2013年、2015年)
- 全日本実業団:最高3位(2015年)
- 全日本社会人:シングルス準優勝(2015年)
- 監督:田辺実智代
- コーチ:丸岡智子
- 選手(2015年度):小林美紀、横山めぐみ、木場叶華、濱崎真衣、山田真央、川田真依、九後あすみ、漆崎真子
脚注
注釈
- ↑ 同店は旧第百銀行の店舗であったため、三菱銀行としての営業はわずか1年足らずであった。
- ↑ 同店は1945年に新設された店舗であるため、わずか4年での撤退である。
- ↑ 旧:扶桑相互銀行、本店・鳥取県鳥取市、統一金融機関コード0563
- ↑ 拠点を保有しない地域に対する支援体制を一層強化するために、海外拠点(北國銀行シンガポール駐在員事務所・十六銀行香港駐在員事務所・山陰合同銀行大連駐在員事務所・広島銀行バンコク駐在員事務所)を相互に利用するもの。
- ↑ 旧支店は1935年(昭和10年)築の近代建築で、豊岡市より保存を前提に譲渡要請があったため、それに応えた。
- ↑ 現在地はトマト銀行中山下支店の建替えに伴う仮店舗として一時期使用されていた。
- ↑ これに伴い、中国銀行の協力を得て、中国銀行の勝山支店・久世支店・落合支店・湯原支店・北房支店・日本原支店・勝間田支店・林野支店・江見支店・大原支店・周匝支店へ取引銀行の変更手続きが容易にできるよう配慮された。
- ↑ 従来、土曜・休日は岡山支店がATM非稼働、大元支店がATM稼働だったため、大元支店廃止に伴う統廃合に伴い、同年5月18日から岡山支店のATMは土曜・休日も稼働するようになり、平日の稼働時間も延長された。
- ↑ 北支店の新築移転に伴い、近隣の末次支店は廃止となった。それに伴い同支店への通行のため四十間堀川に架けた私設橋(通称『ごうぎん橋』)も、生活道路としても利用されてきたが撤去が決定した。
- ↑ これに伴い、旧店舗は単独のATMコーナー(北支店殿町出張所)となり、新たに山陰中央ビル1階のみしまやヴェルデ中央店入口付近にもATMコーナー(北支店山陰中央ビル出張所)が設置された。
- ↑ これに伴い、米子市役所内に、米子支店派出窓口(公金取り扱いのみ)が設置された。
- ↑ これに伴い、安来市役所伯太庁舎内に、ATMが設置された。
- ↑ これに伴い、浜田市役所内に、浜田支店派出窓口(公金取り扱いのみ)が設置された。
- ↑ これに伴い、雲南市役所吉田総合センター内に、ATMが設置された。
- ↑ これに伴い、出雲市多伎町内に、ATMが設置される予定。
出典
- ↑ “山陰合銀、兵庫で法人融資を拡大 企業仲介や海外進出支援”. 日本経済新聞. (2014年3月12日) . 2016閲覧.
- ↑ “証券子会社の設立に関するお知らせ” (プレスリリース), 山陰合同銀行, (2015年2月6日) . 2015-4-10閲覧.
- ↑ “山陰合同銀、証券子会社設立”. 日本経済新聞. (2014年11月13日) . 2015-4-10閲覧.
- ↑ “ごうぎん証券が開業 鳥取、島根に4支店”. 日本海新聞. (2015年10月2日) . 2015-10-9閲覧.
- ↑ “中国やまなみ街道、全線開通 尾道―松江間が80分短縮”. 朝日新聞デジタル. (2015年3月23日) . 2015-4-10閲覧.
- ↑ “山陰合同銀行・広島銀行・伊予銀行3行共同企画「やまなみ・しまなみでつながる定期預金キャンペーン」の実施 および「ATM利用手数料の相互無料化提携」の開始について” (プレスリリース), 山陰合同銀行, (2015年3月16日) . 2015-4-10閲覧.
- ↑ 山陰地区限定の電子マネー『ごうぎんデュプリ』の取扱開始について (PDF) 山陰合同銀行,2018年4月23日閲覧。
- ↑ “島根・ごうぎん美術館が国文化財に 銀行建物で山陰2件目”. 産経ニュース. (2015年3月14日) . 2015-4-10閲覧.
- ↑ “完全子会社間の合併契約締結に関するお知らせ” (プレスリリース), 山陰合同銀行, (2016年1月25日) . 2016-7-9閲覧.
- ↑ “地銀出資の資産運用会社、中国5県からは3行参加”. 日本経済新聞. (2016年3月19日) . 2016-7-9閲覧.
- ↑ “7地銀が共同で資産運用会社 規模拡大で収益改善 マイナス金利対策”. 産経ニュース. (2016年3月18日) . 2016-7-9閲覧.
- ↑ “山陰合同銀行、完全子会社2社を合併 グループ経営効率化へ”. M&A Times. (2016年4月27日) . 2016-7-9閲覧.
- ↑ 「特集 加速する地銀システム共同化 コスト削減でIT投資増加の吸収狙う肥後銀行」『週刊金融財政事情』 2002年2月7日号
- ↑ 「事例研究 運用を極める 肥後銀行、山陰合同銀行、みちのく銀行 システム共同化を機に運用の知恵を持ち寄る--運用子会社を作らず責任を明確化」『日経コンピュータ』 2003年7月28日号
- ↑ 「特集 地銀システム戦略の新潮流」『週刊金融財政事情』 2014年9月1日号
- ↑ “次期基幹系システムとして株式会社NTTデータとの 「地銀共同センター」利用に関する基本契約の締結について” (プレスリリース), 山陰合同銀行, (2016年11月11日) . 2016閲覧.
- ↑ “山陰合同銀、基幹系システム刷新 地銀センターに参加”. 日本経済新聞. (2016年11月12日) . 2016閲覧.
- ↑ “山陰合同銀行が「NTTデータ地銀共同センター」への参加を決定” (プレスリリース), NTTデータ, (2016年11月11日) . 2016閲覧.
- ↑ “日本リーグ チーム 山陰合同銀行”. BADMINTON SPIRIT. BASEBALL MAGAZINE SHA . 2015-10-9閲覧.
- ↑ 山陰合同銀行バドミントン部 S/J リーグに向けて合宿の開催について
関連項目
- 各都道府県で最も高いビルの一覧 - 本店ビルが島根県内で最も高い。
- 杉本真吾 - 元行員。
- 山陰合同銀行根雨支店 - 支店。鳥取県の県民の建物100選。
外部リンク