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  1. (お)、別名尻尾(しっぽ)、尾っぽ(おっぽ)

 動物の体の後端にある突出物。体の前端部は普通、脳や感覚器が発達した複雑な構造の頭となっているが、後端部は単純な構造の尾となっている。たとえば脊椎(せきつい)動物の尾は一般に、脊椎骨の末部である尾椎を中軸として肉と皮膚で覆われ、内部に体腔(たいこう)や内臓を含まず細長くなっている。ヒトや類人猿などのような尾のない動物でも尾骨(尾骶(びてい)骨)という、いくつかの尾椎の癒合により生じた骨がある。無尾両生類や鳥類の脊柱の末端にあり、やはり尾椎の癒合により生じた骨は尾端骨(尾骶骨としばしば混同して使用される)とよばれ、鳥類ではこれに尾羽がつく。樹上生活をするサルの尾には、木の枝に巻き付けて体を支えるなど、手のように役だつものがあることはよく知られており、またライオンやチーターなどの尾は、疾走するとき、方向舵(だ)の働きをするといわれている。ほかにも、体表に飛んでくる虫を追う、跳躍や木登りの補助に使う、さらに保温や感情表現に用いるなど、哺乳類の尾の用途は広い。

 普通、尾といえば肛門(こうもん)より後ろの部分を想像するが、無脊椎動物の多くでは肛門は体の後端部にあり、胴と尾との境は認められない。たとえば昆虫の場合、胸部と腹部とは明らかに区別されるが、腹部のどの部分を尾とするかはわからない。また、原生動物や精子などの鞭毛(べんもう)を、動物体の尾と似ていることから尾とよぶこともある。



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