室伏重信

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室伏 重信(むろふし しげのぶ、1945年10月2日 - )は、日本の元陸上競技選手、陸上競技指導者。専門はハンマー投で、男子同種目・前日本記録保持者。中京大学名誉教授

人物

日本大学三島高等学校日本大学卒業。大昭和製紙に所属。オリンピック代表4回・日本選手権10連覇・アジア大会5連覇などの金字塔を打ち立て「アジアの鉄人」とうたわれた。

1984年にマークした75m96の日本記録は1998年、実の息子である室伏広治に破られたが、30年以上経った現在でも日本歴代2位。

指導者としてアテネオリンピック男子ハンマー投金メダリストとなった前述の室伏広治を始め、長野オリンピックボブスレー代表の中村康夫、釜山アジア大会男子ハンマー投銀メダリストの土井宏昭、エドモントン世界選手権女子ハンマー投代表の綾真澄、自身の長女でアテネオリンピック女子ハンマー投代表の室伏由佳富士通で活躍した植徹など、幾多の名選手を育成した。中京大学陸上競技部監督・アテネオリンピック日本選手団ヘッドコーチなどを歴任。

また幼少時代から相撲が好きであった為、大相撲力士に憧れていた。筋肉質で足腰が強かったため、中学3年の時点で相手になる人がいなかったと語っている[1]。昭和の大横綱双葉山定次時津風)自らが室伏重信に入門を勧め、室伏本人も力士になるつもりでいたが、母親に反対された為、角界入りを断念したという逸話がある[2]

経歴

倒れ込み

外国人選手との体格の差を埋める為に重信が開発した投擲フォームである。 現在では当たり前になったが、当時は一般的でなかったビデオによるフォームの確認を行いながら、人体についての専門書も読み、試行錯誤を繰り返し作り出した。 体格の大きい選手は自らの背筋力でハンマーの遠心力に耐えて投擲ができるが、体格の小さい重信では自らの背筋力のみではハンマーの遠心力に耐えきれずに限界が来る。 そこを後ろに倒れ込むようにしてカバーし、更に回転半径を大きくし、ハンマー先端の遠心力が増加、それがスピードアップにつながる。 この技術は他のハンマー投げの選手は使っておらず、息子の室伏広治にのみ受け継がれている技術である。 その室伏広治はオリンピック、世界陸上選手権の両方で金メダルを獲得するまでに到った。

主な受賞歴

著作・関連書籍

  • 『鉄球(ハンマー)は教えてくれた』(室伏重信(著)、講談社、1982/11、ISBN 978-4062002301)
  • 『その瞬間にかける』(室伏重信(著)、原生林、1988/3)
  • 『室伏重信の楽しい陸上競技 (ジュニア・スポーツ・セレクション)』(室伏重信(著)、小峰書店、1991/4、ISBN 978-4338085113)
  • 『ハンマー投げ (最新陸上競技入門シリーズ ; 8)』(室伏重信(著)、帖佐寛章佐々木秀幸(監修)、ベースボールマガジン社、1994/9、ISBN 978-4583031194)
  • 『ジュニア陸上競技教典』(全国高等学校体育連盟陸上競技部(編)、陸上競技社、1997/3、ハンマー投の項を室伏重信が執筆)
  • 『陸上競技ビデオ全集 VOL.15「ハンマー投」』(室伏重信(監修)、ソーケン・ネットワークDVD
  • 『Super陸上 VOL.11「ハンマー投」』(室伏重信(監修)、ソーケン・ネットワークDVD
  • 『ハンマー室伏の健康体操』(VHS/CD)

脚註

  1. スポーツ 歴史の検証 第20回 室伏重信 笹川スポーツ財団
  2. 伝説~スポーツ王国日本 歴史を作った者たち 【ハンマー投げ~アジアの鉄人 室伏重信(1) 日刊スポーツ 2014年11月15日閲覧
  3. <あのころ>室伏重信が結婚 広治選手の両親”. 共同通信 (2012年9月29日). 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2013閲覧.
  4. 中京大学広報 第168号 (PDF) (2011年6月27日、8ページ)

関連項目

外部リンク

テンプレート:陸上競技アジア競技大会金メダリスト男子ハンマー投