宅地
宅地(たくち)とは、一般的には建物の敷地に供せられる土地を指す。
定義
- 宅地建物取引業法における「宅地」の定義
次のいずれかに該当するものを指す。
「宅地」または建物を取引することを業として行う場合は、都道府県知事または国土交通大臣が発行する宅地建物取引業免許が必要となる。
- 宅地造成等規制法における「宅地」の定義
農地、採草放牧地、森林、公共施設用地以外の土地を指す。
「宅地」以外の土地を「宅地」にするため、または「宅地」において行う土地の形質の変更を宅地造成といい、宅地造成工事によって特に災害が懸念されるとして都道府県知事が指定した区域(宅地造成工事規制区域)内で宅地造成工事を行おうとする者は都道府県知事の許可を得なければならない(都市計画法による開発許可を受けた場合を除く)。
本法でいう公共施設とは、道路、公園、河川、砂防設備、地すべり防止施設、海岸保全施設、湾岸施設、飛行場、航空保安施設、鉄道等の用に供する施設、国または地方公共団体が管理する学校・運動場・墓地・緑地・広場などである。したがって、ゴルフ場や自動車教習所のように建築物の建っていない土地や、私立学校の用地は本法でいう「宅地」に該当する。
- 土地区画整理法における「宅地」の定義
公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地以外の土地を指す。
土地区画整理事業が実施され仮換地が指定されると、従前の「宅地」の使用・収益権者は、その指定の効力発生の日から換地処分の公告のある日まで、従前の「宅地」の使用・収益ができなくなるが、所有権を失うわけではない。
細分類
建物の敷地に供せられる土地としての宅地は、次のように細分化される[1]。
更地
更地(さらち)とは、土地上に建物等定着物のない土地をいう(塀など土地の付属物がある場合もある)。なお日本の不動産鑑定評価基準では、さらに「使用収益を制約する権利(注-賃借権など)の付着していない宅地」という要件が加わる。
宅地の場合、一般的に、建物等と一体で効用を発揮するものであり、更地の収益性の査定は、土地上に最有効使用の建物を建設することを想定する。
建付地
建付地(たてつけち)とは、現に建っている建物の敷地をいう。つまり、土地・建物から複合的に構成される複合不動産の一部としてとらえられる。なお、不動産鑑定評価基準では、「建物等及びその敷地が同一の所有者に属し、かつ当該所有者により使用」という要件が加わる。土地上に建っている建物によって、土地の発揮できる効用が影響を受けることもある(建付減価、建付増価)。
土地、建物一体の場合でも、会計、税務上などの必要上、内訳価格として建付地としての価格を求める必要があることもある(特に日本の場合、土地と建物が別個の不動産として扱われている)。
脚注
- ↑ 土地価格比準表(6次改訂) ISBN 4-7892-1775-2
関連項目
外部リンク
- 宅地建物取引業法(用語の定義)第二条 (法令データ提供システム)
- 宅地造成等規制法(定義)第二条 (法令データ提供システム)
- 土地区画整理法(定義)第二条 (法令データ提供システム)